〜ユキ side〜
「ずっと辛かった」
ソラの震えた泣き声と、 空に響く花火の音を聞きながら、 ボクは走り出した
目的地は、ファントムが狙う首脳席
爆弾の合図がなくて相手が動揺して いる内に、先回りして護らないと
ユキ
ユキ
〜渉 side〜
優
渉
暑苦しい通気口から出て、 佐野達がいる場所へ戻ってくる
真夏
そういえば、あいつは……
渉
ソラ
凪沙
目元を赤く腫らして帰って来た一ノ瀬
何はともあれ、あっちも無事に 戻って来られたらしい
リーフ
ソラ
そう言った一ノ瀬が、 少し微笑んだように見える
渉
優
ソラ
なっ……!?
渉
俺の近くに立って、 笑いながら見下される
君付けも相まって、明らかに確信犯だ
渉
たしかに、こんなやつが怪盗を してるようには見えないし、 できるとも思えない
『頼れる優しいみんなの兄』
今までの冷徹な“やつ”が嘘だと 思うほど、その言葉がぴったりだ
リーフ
ソラ
ソラ
凪沙
ソラ
リーフ
ソラ
リーフ
優
リーフ
〜ユキ side〜
物陰に身を潜めて、じっと待つ
ユキ
今のところ、怪しい気配はない
ユキ
ユキ
突然、身がすくむ程の殺気を感じる
冷や汗が噴き出て、体が震える
ユキ
気合いで身体を動かして、 奴がいるであろう表に出た
ユキ
ユキ
精一杯声を張り上げて、 ファントムらしき奴の気を引く
ファントム
相手と対峙して、さっと 周りの状況を確認する
ユキ
ユキ
黒スーツを着たボディーガードらしき 人達が、軒並み地面に伸びていた
全員屈強な体つきをしていて、 こんなあっさり倒すことなんて 普通はできないはず
だからと言って、現れたファントムの 奴も、ガタイがいいわけじゃない
ユキ
ユキ
相手は相当腕のある実力者で、 作戦の重要な部分を任されるほど、 殺しに関してプロなんだろう
ファントム
ファントム
まるで、お前らに付き纏われるのは 今日で終わり、みたいな言い方
この場でボクのことも 殺そうとしているらしい
ユキ
ユキ
ファントム
ユキ
ファントム
そう言って、ニヤリと笑った ファントムの男
ユキ
ファントム
ユキ
でも、こいつと話をしているうちに、 周りで怯えていた人達は みんな逃げられたみたい
ユキ
ユキ
相手が油断をしている隙に、 思いっきり地面を踏み込んで、 相手の懐に潜り込もうとする
ファントム
だけど、ギリギリのところで 躱されてしまった
ユキ
ファントム
ユキ
ユキ
来る、と思った時には、もう遅かった
一瞬で間を詰められて、 パンチが飛んでくる
ユキ
ギリギリ両腕でガードしたけど、 一撃が重くて、攻撃を喰らった ところがまだじんじんと痛む
ユキ
ユキ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
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