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墨色

モノレールで23地区の中心街全てに行けるんだ

墨色

銀色の旦那、これに乗らない手はないぜ

2匹は、柱の一つから高架を登り、

モノレールの前面、 模様の隙間に入り込むと、 ひょっこり顔を出す。

ホームの女の子と目が合った。 ネズミたちはピースした。

ゆっくりとモノレールが動き出した。

カラス

オラオラー!ネズミども
この駅通るなら通行料払いな!

シナガワ駅に停車したモノレールの前を、 ギャングカラスたちが包囲する。

墨色

やべぇ!旦那、隠れろっ

墨色は隙間に隠れた。

カラス

オレたちゃぁ、『顔』を忘れんのよ。

カラス

逃げても次はないゼ

銀色ネズミは答えた。

銀色

ツケにしといて

カラス

ツケだと?

カラス

おいおい
今すぐお前を平らげたっていいんだゼ

銀色

顔を憶えたら
次は今回の分も取れるだろ?

銀色

悪い話じゃないはずさ。

ギャングカラスたちは、額を集めて話し合った。

カラス

よぉし、

カラス

次は今回の分と
そっちの隠れた奴の分と・・

モノレールは発車した。

カラス

通ってヨシ!

墨色

ええー!
カラスどもが許可した〜!!

銀色

奴ら、顔の憶えに自信あるが
勘定には疎いのさ

銀色

次通る時も勘定を足してツケとけばいい

墨色

へぇ!それでどうなる?

銀色

曾孫の代までツケとくと
さすがに奴らも顔の区別がつかなくなる

銀色

いずれチャラさ

銀色ネズミは事も無げに言った。

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