朝の空気は重たく、日本の足取りもどこか鈍っていた。
睡眠時間が足りていないせいか、身体中が重い。
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
ぼんやりとしたまま歩いていたその背後から、軽やかな声が響いた。
イタリア(イタリア王国)
イタリアが背中にいきなり「ガバッ」と勢いよく飛びついてきた。
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
日本が乱れた服を直しながら問いかける。
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
あっけらかんと笑うイタリアに、日本は困惑した。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
屋上に連れて来られた日本は、少し驚いた表情を浮かべた。
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
差し出されたのは缶コーヒー。
パシュ、と缶を開ける音が響く。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
缶を傾けながら、二人は穏やかな会話を続けた。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリアは急に真剣な顔になり、日本をじっと見つめる。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
彼はふっと笑って、日本の耳元に顔を寄せ、小声で囁いた。
枢軸国。再結成しよ?
日本(大日本帝国)
日本の手から缶が滑り落ち、ガシャンと地面に転がった。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
日本は鋭い視線でイタリアを見据えた。
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリアは無邪気にスマホを取り出し、グループトークを作成した。
(「枢軸国」に日本が招待されました。)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
日本はふと、空を見上げた。
日本(大日本帝国)
先輩がいたらなあ…
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
日本(大日本帝国)
沈黙の後、日本はぽつりと呟いた。
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリアは黙り込んだ。
俯いたまま、何も言わずにいた。
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
そう言い残し、イタリアは逃げるように屋上を後にした。
日本(大日本帝国)
日本はため息をひとつ吐いた。
イタリアは会議室へ早歩きで向かっていた。
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
重たい足取りでドアを開ける。
(ガチャ)
イタリア(イタリア王国)
イギリス
イギリス
イタリア(イタリア王国)
イギリスの鋭い視線がイタリアに向けられる。
イギリス
イギリスがスマホを取り出し、再生ボタンを押す。
流れ出したのは、あの“屋上での会話”。盗聴されていたのだった。
イタリア(イタリア王国)
イタリアの表情が一変した。
顔が青ざめ、汗が額から滴る。
イギリス
イギリス
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イギリス
イタリアはスマホに手を伸ばし取ろうとしたが、イギリスはすっとそれをかわした。
ぁあ゛あ゛あ゛あ゛っ!
イタリアは大声で叫んだ。
イギリス
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリアの顔には怒りと恐怖と羞恥が混ざった、見たこともない表情が浮かんでいた。
イギリス
イギリス
イギリスは半ば呆れるような声で言った。
イタリア(イタリア王国)
イギリス
イギリス
イタリア(イタリア王国)
イギリス
イギリスは静かに告げた。冷たく澄んだその声は、感情の温度を一切含んでいなかった。
イタリア(イタリア王国)
声は掠れていた。体は震え、目の端に滲む涙は、もはや隠せない。
わずかな時間で、彼の心は限界まで追い詰められていた。
イギリス
イギリスは微笑すら浮かべたが、その目には一片の慈悲もなかった。
イタリア(イタリア王国)
イギリス
日本のことについてです。
イギリスの語調が一段低くなる。
イタリア(イタリア王国)
一瞬の沈黙。
イギリス
イギリス
明日の会議で、“屋上でのすべて”を公開するとしましょう。
イタリア(イタリア王国)
イタリア(イタリア王国)
イタリアは崩れるように膝をつき、泣きながらすがった。
イギリス
――日本について、貴方が知る限り全てを教えること。
イギリスの声は冷徹に突き刺さる。
イタリアは震えながら、何も言えずに俯いた。
イギリス
イギリスはゆっくりと近づき、その顔を覗き込む。
イギリス
“日本のすべて”を。
唇には笑み。だがその瞳は、底知れぬ冷たさでイタリアを完全に見下ろしていた。
(つづく)
コメント
5件
やっぱりブリカスはブリカスなんだね、、、、
おいおいブリカスチャーン(^^)またいた王に裏切らせないでクレメンス(^○^)