※注意 途中から見た方は、一話から読むことをおすすめします!
朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。
にゃぽんはぼんやりと目を開けて、身体を起こす。
にゃぽん
腕を伸ばしてあくびをしながら、昨日の記憶をぼんやりとたどっていく。
頭の奥が、重たいモヤのように晴れない。
心がざわざわするまま、手元を見たとき、ふと――
にゃぽん
ベッドの下に落ちていた白黒の写真を見て、にゃぽんは血の気が引いた。
にゃぽん
慌てて拾い上げて裏を確認する。昨日と変わらない。
ただの古びた写真なのに、何かとても大事なもののような気がしてならなかった。
リビングに出ると、いつもと変わらぬ穏やかな日本がいた。
日本
にゃぽん
日本はにっこりと微笑む。どうやら、写真のことには気づいていないようだった。
にゃぽん
にゃぽんは、日本がテーブルにおいた「あるもの」に視線を向けた。
にゃぽん
日本
にゃぽん
日本
安心したにゃぽんは、いつも通りに日本を仕事に送り出した。
にゃぽん
日本
扉が閉まった瞬間、ぎゅっと握りしめていた写真を手から出した。
にゃぽん
写真をじっと見つめて、どうするべきか考えた。
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽん
ゆっくりと歩き、にゃぽんは台湾の住むマンションの前に立っていた。
緊張で手のひらに汗がにじむ。
写真はポケットに入れたまま、インターホンを押す。
ピンポーン…
しばらくして、ガチャ、と扉が開く音がした。
出てきたのは、小さな男の子だった。
???
キラキラした丸い目、少し南の海の香りがするような不思議な雰囲気
どこか自分たちにも似ている。
台湾
奥から台湾が慌てて出てくる。
台湾
台湾の表情はどこか硬い。
日本とは違って、前の出来事をまだ引きずっているようだった。
にゃぽん
にゃぽんは申し訳なさそうにうつむく。
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽんが見つめると、パラオはにこっと笑って小さく手を振った。
パラオ
台湾は少しぎこちない笑みを浮かべながら、にゃぽんに目を合わせた。
台湾
にゃぽん
午後はにぎやかだった。
にゃぽんと台湾、そしてパラオはゲームをしたり、お菓子を食べたり、雑談をしたり……
あっという間に時間が過ぎていった。
そして夜になり、部屋が少し静かになったころ。
にゃぽん
台湾
台湾の笑顔がすっと消えた。
にゃぽん
にゃぽんの声は震えていた。空気も一気に重たくなる。
パラオ
無邪気なパラオの声が、その沈黙を破る。
にゃぽん
ポケットからあの写真を取り出し、二人の前に差し出した。
にゃぽん
台湾とパラオ
二人の顔が、明らかに変わった。
パラオ
パラオ
パラオが興奮して叫んだ。
目が輝き、にゃぽんの袖を引っ張る。
パラオ
パラオ
にゃぽん
にゃぽん
パラオ
その純粋な問いに、にゃぽんの心が軋んだ。
伝えなければならない、でも伝えたくない。
にゃぽん
にゃぽん
パラオ
そう言った瞬間、パラオの表情が凍り、ぽろぽろと涙がこぼれた。
パラオ
パラオ
うずくまって泣いてしまった。
にゃぽん
にゃぽん!お前…なんてことしてくれたんだ!
台湾が怒鳴った。今までに見たことがないほど、怒りに満ちた顔。
台湾
台湾
胸ぐらを掴まれ、にゃぽんの視界が揺れる。
にゃぽん
そっちこそ……!ちゃんと、教えてよ……!!
にゃぽんの叫びに、台湾は手を放し、黙り込んだ。
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽんは泣きながら、ドアのほうへ歩き出す。
にゃぽん
その時――
台湾
台湾
台湾の声が、背後から聞こえた。
にゃぽん
台湾
台湾は、静かに言った。
台湾
台湾はにゃぽんとパラオをソファに座らせ、ゆっくりと話し始めた――。
(つづく)
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