ましゅの短編シリーズ

泡とようにぷくぷくと湧く恋心。

胸の奥から湧き上がっていく胸の高鳴り。

恋をしてから、こんな体験ができた。

でも、もうそれはおしまい。

私たちは‘‘終わった関係,,だから…。

眩しすぎる太陽に照らされる。

私は寺崎 岬。高校2年生。

私はいつもお昼休みに、お気に入りの屋上へと足を運ぶ。

ここには誰もいないし、一人きりになれる。

優しい風になびかせて、心地良い。

そして、不安や心配事を考えられるから。

思わずため息が出てしまった。

だって

あんなことあったからだもん…

……空気が重い…。

どうしよう…なんて話したらいいのかな…。

明日は大雨らしいよ？今日一緒に帰らない？

……いや。ダメだ。なんて言ったらこの場が良くなるんだろ…。

ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

もしかして、私、嫌われた？

私、つまんなかったの…？

嫌だよ。隼人に嫌われたくないよ。

隼人は高校1年生から付き合っている、彼氏&幼馴染。

明日で付き合って1年記念日なんだけど…。

最近はうまく会話ができず、手を繋ぐこともなくなってしまった。

隼人は私のこと本当に好きなのか、半信半疑になってしまった。

私、隼人に嫌われたくないよ。ずっと好きでいたいよ。

明日は一緒に過ごしたいよ。

ｽﾞｷﾝ

な…にあの笑顔。

私の前ではそんな笑顔、見せないのに…。

私の前だったら…つまらなそうな顔してんのに…。

「ごめん、俺先行く」

隼人は、私のこと嫌いなのかな。

私といるより、友達といる方がいいの？

もう嫌だよ。苦しいよ。

こんなに苦しい思いをするならば、もういっそ別れたいよ。

私の前で笑ってよ。もうあんな顔みせないでよ。

そして、私は教室を飛び出した。

いつものあの場所に向かって。

そして今に至るのであった。

泡のようにぶくぶく消えてしまった淡い恋心。

全て、消えてしまった。

もう一度やり直せないの？

このままの関係ないやだよ。

私は、ずっと隼人と恋人の関係でいたい。

この先も、笑いあっていきたいよ。

伝えたい。

このままは嫌だって。

隠さないでって。

隼人、よくここに来てたから。

なんでかは知らないけれど。

早く、知らせたいの。

あの笑顔を取り戻したいから。

ｽﾞｷﾝ

誰、隼人の隣にいる女の人…？

もしかして、彼女…？

すごく綺麗な人…。

高いヒールに、長いつけまつげ、おしゃれな服を着てて…。

隼人の、彼女……なの？

雑貨店で何かコソコソした様子で楽しそうに話してる。

また、あの、笑顔。

私にはみせない、あの、笑顔。

バレた。

逃げなきゃ。

ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

ざあああぁあああぁあああああぁあ。

涙で、アスファルトがぼやける。

さっきまで、快晴だった空が、私の心情を表すかのような大雨に変わった。

ひどい大雨と、大量の大粒の涙。

それがぐしゃぐしゃに混ざって、もう、こんがらがってしまった。

近くにあった小さな公園の真ん中で、私は大雨に打たれながら蹲る。

私、振られたんだ。

私、浮気された。

あの幸せだった思い出が、粉々に打ち砕く。

付き合って1年だった今日。

そして、私の誕生日。

そんな日に、私たちは別れたんだ。

こんなの、虚しすぎる。

今すぐ死んでしまいたい。

失恋とは、こんな痛い思いをするんだ。

こんな想いになるのならば

付き合わなければよかったんだ。

私たちの関係は、終わったんだ。

もう、恋人じゃない。

口からボロボロと出してしまう。