ある日
紫織
ねぇ!
美空
ん?
やってくるなり私のところへやってきた紫織
何やらとても慌てている
結花
ちょ、美空、
結花
見てないの!?アイツのこと!
美空
??
桜
あのさ、
桜
春奈が学校来たんだって
桜
もう半年ぶりくらいじゃないかなぁ………
加奈子
よく来れたよね……
美空
……
正直最近不安だった
でもみんながいるから大丈夫だと
自分に言い聞かせてきた
けれどもいざとなると怖くなる
クラスメイトも心做しかいつもより
ひそひそと噂で忙しいようだった
紫織
ねぇ、
紫織
大丈夫なの?
紫織
そのさ、
紫織
海晴とか、
紫織
あと春奈の仲間の
紫織
優華とか
そうだ
優華の存在を忘れていた
優華はあれっきり
転校したように見せかけた
けれど真実はわからない
加奈子
うーん……
加奈子
もう名簿にも名前ないし
加奈子
本当に転校したんじゃない?
桜
それもそうかも……
桜
あと、取り巻きって、誰がいた?
美空
えっと……
思い出したくもない記憶を辿る
美空
春奈が中心に
美空
真実といっつもいたよ
結花
そうだ!その子だ!
なにやら思い出したように叫ぶ
結花
あのさ
結花
友達もい無さげで
結花
いつも1人で図書室のある席を占領してて迷惑な人がいるって
結花
先輩から聞いたんだよね〜
さすが人脈の広い結花
結花
それでさ、借りる時の名前が
結花
佐々野真実、だって
結花
その子じゃない?
結花
私たちの学年に聞いても
結花
みんな答えられなかったって言うし
桜
あー………
真実はしばらく不登校だったからわからない
復帰してもあまり関わりもなく
他のことで頭がいっぱいで
真実のことなんて気にもとめなかった
紫織
とにかくさ
紫織
気をつけなよ?
紫織
なにか吹き込んでやるかもしれないでしょ
紫織
ああ言う系の女子は
美空
……
美空
まぁ、それも、そうだよね……
不安な思いのまま昼休みを迎えた
美空
そういえばさ〜
結花
えっ!
桜
なにそれw
他愛もない世間話に花を咲かせていると
クラスメイト
あ、あの……
クラスメイト
誰か、呼んでるの……
クラスメイト
美空ちゃんのこと……
美空
ん?
言われて廊下を見ると
見覚えのある人の姿がそこにあった
結花
う、嘘でしょ……
桜
美空、行かないほうがいいよ
美空
いや、いいよ
自分からしっかり戦わなくちゃ
友達に頼ってばっかじゃダメなんだ
春奈
ねぇ
美空
どうしたの
美空
こんな空き教室に呼び出して
春奈
はぁ………
春奈
あのさぁ
春奈
変な噂流すの辞めてくれる?
美空
噂??
なんのことかさっぱり分からなくて
思わずそう聞き返した
春奈
は?
春奈
知らん顔しても無駄だからね?
春奈
私があのクソ教師の鈴木をさ
春奈
偽造した画像で貶めたなんて
春奈
辞めてくれない?
春奈
どうせ抗えない癖にさw
春奈
いないからって調子乗るんじゃないよ
美空
え、
美空
あれってホントなの?
美空
聞いた事はあるけどさ
美空
広めたなんて、そんなこと……
春奈
しらばっくれんじゃないよ
春奈
同じ目に合わせてやろうか?
春奈
アハハッ!!
そう言うだけ言って
春奈は去っていったが
背筋の不快感は残るばかりだった






