「俺さ、好きやつ出来たんだよね」
大きな彼の口から出たそんな言葉.
ねぇ、それってわたし?
なーんて口が裂けても
言えるわけなくって…
切なくてモヤモヤする気持ちを抱えて
今日もキミを好きでいます.
幼馴染みって
恋愛対象にならないの?
もしも、わたしに
ほんのちょっとの
勇気があったなら…
未来は変わっていましたか?
なんて、
今更言っても遅いよね.
片想いって楽しくて
幸せな時もあるけど
それ以上に…
辛くて切なくて涙が出て
寂しくなる.
たとえ叶わなくても__
「俺さ、好きな人が出来たんだ」
入道雲の向こうの街が泣いている.
まるで、私の心の中のように…
ただ、大好きな彼からの
重大な告白に
ろくに反応する事も出来ずに
時間だけが過ぎていった.
いつもの様に幼馴染みの響と
屋上でお弁当を
食べていただけだった.
なのに、珍しく
早くお弁当を食べ終えた響が
屋上のフェンスに肘を付きながら
静かに言ったのだ.
生暖かい風が
私と響の間を駆け抜けていく.
ねぇ、それって
わたしの事?
なんて口が裂けても
言えるわけがなくって.
だって、幼馴染みだからわかるよ…
それくらい.
私の前では、そんな頬を紅く染めたり
優しく微笑んだりしないって.
それに好きな人に好きな人出来た
なんて言うバカがどこにいる.
晴香
乾いた声しか出せない自分が
情けない.
” 頑張ってね!” とか
” 応援してるよ!”なんて
簡単に口に出来るはずもなくて.
きっと、そんな言葉口にしたら
苦しくて胸が張り裂けそうになる.
夏のある日.
青い空に入道雲がもくもくと
湧いていた日.
わたしは
大好きな幼馴染みに失恋した.
沈黙が二人を襲う.
そんな中わたしはあえて
響の隣に行くこともせず
ただ黙々と自分のお弁当に
箸を伸ばす.
響
響
さっきまでの恋した顔はどこへやら
いつものバカな響が
私の箸の上の卵焼きを指さす.
絶対、嫌だよ…。
ねぇ、響.
…間接キスって知ってる?
なんで私の想いは届かずに
響は私の前まで来て
その場に座って
私の箸を持った右手首を掴んで
そのまま卵焼きを
パクリと食べる.
あっ、間接キス///
なんて、意識してるのは
私だけなんだろうな.
切ないよね.
いつだって好きは
一方通行なんだから.
響
そう言って笑う響に
不本意ながらも胸が
ドキン、と鳴る.
晴香
ん?と首を傾げて
ポリポリと頭を掻く仕草をする響.
響さ、私が言ったバカに
どれくらいの想いが
詰まってるか知ってる?
いい加減、気づいてよ.
もう17年になるんだよ、片想い.
そろそろ好きになってよ.
私の事ちょっとは見てよ.
こんなに頬だって
紅く熱くなってんのに…
響の鈍感、バカ!!
響なんてき、ら…い.
なんて言えたら
どんなに楽なんだろ.
だけど、言えない.
嫌いなんて言えないよ.
だって、こんなにも
響が好きなんだもん.
キーンコーンカーンコーン.
わたし達の足元で、
低く鳴り響く予鈴.
響
響が、私の手首から
手を離して言う.
屋上から一歩校舎内に
足を踏み入れてみれば
だんだん周囲が騒がしくなってくる.
時間を迎えてしまった
シンデレラの寂しさが
分かるような気がする.
❤️きたら続き出します!!🙌 読んでくれて📖 ありがとです!!🥀 やっぱり片想いは 一番長く続く恋でも 辛いことばかりですよね…🥀 ぜひ他のも 見てみてください!!😊
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コメント
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800位だったのを1234にした 笑笑◀︎なんて暇人なんだ。
今回もとても面白かったです! 続き楽しみにしてます。
@わかなさん わわわっ!!💦 ありがとです!!😭❤️ 私も返してくので!!🙌