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逆さ吊り少女の村

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逆さ吊り少女の村

2 - 逆さ吊り少女の村 第2話

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2021年06月13日

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青葉サトル

叔父さんたちは

青葉サトル

カナエが家出をして

青葉サトル

実家に帰ったんだって言うけれど

青葉サトル

カナエは家出なんかじゃない

青葉サトル

この村の誰かに

青葉サトル

殺されたんだ

白木千冬

…………

青葉サトル

これは

青葉サトル

昨日りんご園で見つけた

青葉サトル

カナエのスマホだ

サトルは巫女の写真を表示すると

千冬に見せる。

青葉サトル

メッセージの最後に

青葉サトル

未送信のままにされた

青葉サトル

この画像があった

白木千冬

…これは

青葉サトル

おそらくは

青葉サトル

カナエを殺した犯人だ

白木千冬

…………

白木千冬

…うん

白木千冬

分かった

白木千冬

信じる

青葉サトル

信じる?

青葉サトル

本当か?

白木千冬

うん

白木千冬

だってサトル

白木千冬

今…

白木千冬

泣いてる

青葉サトル

え?

青葉サトル

(…いつの間に)

白木千冬

それで

白木千冬

どうするの?

青葉サトル

犯人を探す

青葉サトル

それで

青葉サトル

復讐をする

白木千冬

復讐…

白木千冬

分かった

白木千冬

私も協力するから

青葉サトル

協力って

青葉サトル

お前…

白木千冬

当たり前でしょ?

白木千冬

だって私たちは

白木千冬

家族なんだから

──杉竹高等学校──

青葉サトル

青葉サトルです

青葉サトル

今日からこのクラスでお世話になります

青葉サトル

よろしくお願いします

青葉サトル

(うちのクラスの生徒は17人)

青葉サトル

(…さすがにこの中には)

青葉サトル

(犯人はいないか)

佐川

えー

佐川

誰か青葉くんに

佐川

質問とかってありますか?

佐川

…………

佐川

ないみたいですね

佐川

じゃあ青葉くん

佐川

一番うしろのあいている席へ

青葉サトル

はい

青葉サトル

…………

青葉サトル

(…なんだろう)

青葉サトル

(なんだかこのクラス…)

青葉サトル

(妙に…)

青葉サトル

──!?

なにかにつまずき転びそうになる。

大久保

あ?

大久保

わりい

大久保

俺脚が長いから

青葉サトル

(…こいつ)

青葉サトル

(今わざと…)

サトルが席に着くと

隣の席の女子生徒が小声で話しかける。

春菜

私、春菜早苗

春菜

よろしくね

青葉サトル

うん

青葉サトル

こちらこそよろしく

春菜

ところで

春菜

妹さんは?

春菜

一緒に転校してくるって

春菜

そう聞いてたんだけど

青葉サトル

あ、うん…

青葉サトル

ちょっと事情があってね

青葉サトル

遅れてくるというか

青葉サトル

そんな感じ

春菜

そうなんだ

春菜

確か、双子なんだよね

春菜

兄妹が同じ教室って

春菜

やっぱり気まずい?

青葉サトル

いや、全然

春菜

そうなの?

青葉サトル

むしろあいつ…

青葉サトル

楽しみにしていたよ

春菜

仲、いいんだね

青葉サトル

…うん

春菜

会えるの

春菜

楽しみにしてるね

青葉サトル

…うん

青葉サトル

なあ千冬

青葉サトル

あのクラス

青葉サトル

なにかおかしくないか?

青葉サトル

暗いっていうか

青葉サトル

なにか隠しているような…

白木千冬

あー

白木千冬

それはきっと

白木千冬

大久保のせいだよ

青葉サトル

大久保って

青葉サトル

さっき俺に足をかけた

青葉サトル

あのガラの悪い?

白木千冬

そう

白木千冬

あいつ

白木千冬

皆がおとなしいからって

白木千冬

好き勝手やってる

白木千冬

サトルも気をつけた方がいいよ

白木千冬

目をつけられると厄介だから

青葉サトル

…ああ

青葉サトル

分かった

──放課後──

大久保

おう新入り

大久保

ちょっとこい

青葉サトル

…俺?

青葉サトル

なにか用?

大久保

お前この学校のこと

大久保

よく知らねえだろ

大久保

案内してやるよ

青葉サトル

いや…

青葉サトル

俺は…

大久保

くるよな?

青葉サトル

いや、だから

大久保

なあ!?

青葉サトル

(…いかないわけには)

青葉サトル

(いかないか…)

青葉サトル

分かった

青葉サトル

じゃあ…頼むよ

大久保

ここだ

青葉サトル

(…トイレ?)

青葉サトル

(どうしてこんな所に…)

青葉サトル

(──!?)

上半身裸の男子生徒が

床で震えている。

青葉サトル

…え?

青葉サトル

どういう…

子分A

大久保さん

子分A

戻りましたか

大久保

おう

大久保

で、どんな感じだ?

子分B

だめっすね

子分B

身ぐるみはがしましたが

子分B

やっぱ金持ってないっすわ

大久保

チッ

大久保

使えねえATMだな

大久保が男子生徒の腹を蹴る。

男子生徒

かはっ──

男子生徒

…すみません…ごめんなさい…すみません

大久保

ということだから

大久保

新入り

大久保

お前俺らのグループに入りたいんなら

大久保

こいつをボコれ

青葉サトル

(…なるほど)

青葉サトル

(これが俗に言う)

青葉サトル

(『洗礼』ってやつか)

大久保

どうした?

大久保

早くやれよ

青葉サトル

いや

青葉サトル

やらないし

青葉サトル

やるわけがないし

大久保

…………

青葉サトル

…なに?

大久保

お前

大久保

生意気だな

突然大久保が

サトルの顔面を殴る。

青葉サトル

(──こいつ)

青葉サトル

(いきなり)

大久保

おらぁ!

青葉サトル

かはっ──

青葉サトル

けほっ…けほっ…

大久保

立場が分からねえアホには

大久保

焼きを入れねえとな

青葉サトル

はあ…はあ…

大久保

おい

子分A

うっす

大久保

こいつをうしろから押さえろ

子分A

了解っす

青葉サトル

…な

青葉サトル

なにを…

大久保

そんでATM

男子生徒

…え?

大久保

お前こいつに小便かけろ

青葉サトル

(──!?)

男子生徒

む、むむむ…無理です!

大久保

いいからやれや!

大久保

殺すぞ!?

男子生徒

ひいいっ!

男子生徒

分かりました!

青葉サトル

っ…

男子生徒

ごめんなさいごめんなさい

大久保

はっ!

子分A

ウェーイ!

子分B

フォーイ!

男子生徒

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

大久保

今日のところはこれぐらいで

大久保

勘弁しといてやるよ

青葉サトル

っ…

大久保

いいか?

大久保

今度また俺に逆らったら…

大久保

殺すから

──翌日 朝の教室──

青葉サトル

おはよう

男子生徒A

…………

青葉サトル

(え?)

青葉サトル

(…無視?)

青葉サトル

春菜さんおはよう

春菜

あ…

春菜

うん…

青葉サトル

(なんだかよそよそしいな…)

青葉サトル

おはよう

青葉サトル

昨日の宿題

青葉サトル

やってきた?

男子生徒B

…………

青葉サトル

…?

男子生徒B

…わるい

男子生徒B

青葉とは話せない

青葉サトル

…え?

男子生徒B

大久保に

男子生徒B

殺されるから…

青葉サトル

(…ああ)

青葉サトル

(そういうことか)

──昼休み──

白木千冬

サトルー

白木千冬

お昼一緒に食べよ

男子生徒

…おい…あれ

女子生徒

…ヤバくない

青葉サトル

聞いているだろ?

青葉サトル

俺にかかわると

青葉サトル

大久保に目をつけられるぞ

白木千冬

だから?

青葉サトル

だからって

青葉サトル

お前…

白木千冬

たとえそうだとしても

白木千冬

それでサトルをハブにするのって

白木千冬

どうなの?

白木千冬

私はサトルと話したい

白木千冬

私はサトルとご飯を食べたい

白木千冬

だからサトルにかかわる

白木千冬

それでいいでしょ?

青葉サトル

千冬…

青葉サトル

…なんというか

青葉サトル

ありがとな

白木千冬

どういたしまして

──放課後──

青葉サトル

(…千冬)

青葉サトル

(一体どこにいったんだろう)

青葉サトル

(帰りのホームルームにもいなかったし)

青葉サトル

(…………)

青葉サトル

(まあ)

青葉サトル

(先に帰るか)

女子生徒A

ねえねえ聞いた?

女子生徒B

うん

女子生徒B

校舎裏でしょ?

女子生徒A

あれって1年だよね?

女子生徒B

ヤバくない?

女子生徒B

先生に言った方がよくない?

女子生徒A

だめだめ!

女子生徒A

そんなことしたら

女子生徒A

大久保に…

青葉サトル

(…大久保?)

青葉サトル

(…………)

青葉サトル

(──まさか)

青葉サトル

はあ…はあ…

青葉サトル

千冬?

青葉サトル

いるのか?

青葉サトル

ち──

サトルは思わず息を止める。

そこには

木に縛りつけられて血を流す

千冬の姿があった。

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