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俺と美凪さんは、隣に座って弁当を食べた

隣に座るのは、少し抵抗があったが、美凪さんがあまりにも自然に隣に座ったから、 来んなとは言う気にならなかった

しばらく無言で食べていたが、 突然美凪さんが口を開いた。

陽凛

あの・・・

真輝人

ん?

陽凛

聞きたいことがあって。

陽凛

質問・・・いいですか?

真輝人

・・・別にいいけど。

陽凛

実は・・・私、何回も転校してるんですけど

陽凛

ずっと一緒にいられる親友ができたことなくて。

陽凛

真輝人さん、親友たくさんいるけど、どうやって作ってるのか、知りたくて・・・

真輝人

・・・俺、友達多くないよ

真輝人

親友なんて呼べる奴、いねぇし。

陽凛

えっ、あの、じゃあ

陽凛

傍から見ただけでも、友達っぽく見せるにはどうしたらいいんですか?!

真輝人

は、はぁ?

真輝人

別に、そんなのないだろ

真輝人

美凪さんが馬鹿だから、俺がクラスメイトと仲良さそうに見えただけだろ

陽凛

えっ、それ、酷くないですか?!

真輝人

酷くねぇよ、事実だよ。

真輝人

俺、実際は孤立しかけてるんだからさ。

陽凛

こ、孤立、ですか。

そう、俺には・・・親友なんていない

陽凛

・・・じゃあ

陽凛

こ、こ、孤立しないように・・・

陽凛

私と、友達になってくれませんか

真輝人

・・・は?

突然美凪さんが口にした言葉が意外すぎて

俺はしばらく無言で美凪さんを見つめた

陽凛

い、いや、嫌だったらいいんですけど・・・

陽凛

私も孤立しそうなので、友達になってもらえないかなぁって・・・

真輝人

い、いや、お前、孤立なんてしねぇだろ

真輝人

今日だってクラスメイトみんな喜んでたじゃんか

真輝人

あちこちで美凪さん美凪さん言ってたぞ

そう、こいつは俺とは違うんだ。

俺と違って、こいつは人気者なんだ

陽凛

・・・真輝人さんは

陽凛

女の世界がどんなものか、分かりますか?

真輝人

女の世界?なんだそれ。

陽凛

女は・・・自分が好きな人が別の人を好きだとわかると、その好きな人の好きな女をいじめるんです

陽凛

だから私は、別の学校に転校する度に告白され、

陽凛

告白してきた人を好きな女にいじめられてきました。

陽凛

今回だって、さっき告白してきた人を好きだという女がいたら、また私がいじめられる。

陽凛

だから私は、いつ孤立してもおかしくないんです

・・・そんな馬鹿みたいな理由でいじめが 始まるのか?

俺は、しばらく何も言えなかった

美凪さんの言う、女の世界というものが 何か、わかった気がした。

陽凛

・・・やっぱり、友達になんかなりたくないですよね

陽凛

今日来たばっかりですもん。

陽凛

何も分からないのに友達なんて、嫌に決まってますよね。

陽凛

忘れてください。さよならっ!

真輝人

え、いや、ちょ!

そう言って美凪さんは走り去ってしまった

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