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元姫の真実

元姫の真実

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元姫の真実54

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2019年09月25日

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莉乃

莉子

莉子

莉乃…

莉子

ありがとう

莉乃

ほらね

莉乃

たまには私の言うこと聞くもんでしょ?

莉子

…うん

莉子

そうだね

莉乃

もうこれであなたを縛るものは何もない

莉乃

だから今度こそ自由に生きていいんだよ

莉子

自由に…?

莉乃

そう

莉乃

自分の気持ちに正直に彼に思いを伝えることもできる

莉子

それって

莉乃

わかってるんでしょ?

莉乃

翔くん

莉乃

私最初に言ったでしょ?

莉乃

彼は莉子を裏切ったりしないって

莉子

そうだったね

莉子

…そうだった

莉子

いっもいっつも莉乃の言ってることは

莉子

あっていたのに

莉子

それを聞きもせずわたしは自分の考えることが

莉子

思ってることが正しいって勘違いして

莉乃

莉子!

莉乃

それは違うよ

莉子

違わないよ!

莉乃

…ううん

莉乃

確かに私が言ってることは正しいってら思うこともあったと思うよ

莉乃

でも莉子の言ってることもあたってるんだよ

莉乃

私たちは2人で1人なの

莉乃

どっちかに縛られる必要なんてないんだよ

莉子

り…の

莉乃

ほら

莉乃

行っておいで

莉乃

大好きなみんなが待ってるから

莉乃

今度こそ

莉乃

自分の思いをちゃんと伝えなさいよ?

莉子

でも莉乃は?

莉乃

私は莉子が幸せならそれでいいの

莉乃

それが私の幸せだからね

莉子

莉乃

莉子

ありがとう

莉子

本当にありがとう

莉子

私は莉乃がいなかったら今までもこれからも多分ダメだった

莉子

いつも間違ったことをしていたら止めてくれて

莉子

私のために自分を犠牲にして守ってくれて

莉子

ありがとう

莉乃

……

莉子

確かに私は翔が好き

莉子

でもこれだけは言える

莉子

例え翔を好きでも私が1番この世で好きなのは莉乃だから

莉乃

うん

莉乃

…ってじわじわ恥ずかしさが来るんだけど

莉乃

それはわたしも同じだよ

莉乃

じゃあまたね

莉子

…うん

スゥ…スゥ…

パチ

莉子

ん…

起きたか?

莉子

…うん

莉乃とゆっくり話せてよかった

そうじゃなくって! 起きた瞬間翔のドアップ 心臓が壊れるかと思った…

翔! あんたは私を心臓発作で殺す気か!

…なーんて

でもよくよく見るとこの顔本当に整ってるなぁ

これが私の好きになった人だと思うと、なんか恥ずかしくなってくる

莉子?

大丈夫?

莉子

あ!

莉子

う、うん!

莉子

全然大丈夫!

莉子

元気百倍莉子ちゃんマン!

…いや、全然大丈夫じゃないだろ

てか最後のそれは色々と引っかかりそうだからやめとけ

莉子

は、はぁーい

……

そう言えば鳳来の奴らが話があるって

あいつらの倉庫に姫と一緒に待ってるってさ

莉子

はなし…?

あぁ

行ってこい

全部ちゃんと話してこい

莉子

…うん

用意できたら教えて

下で待ってるから

莉子

…うん

莉子

わかった

バタン

幹部室から出ていった翔を見送る

話かぁ

まぁ私のせいで曖昧になってたもんね

よし

準備しよう

蓮side

バタン

幹部室から出てくる翔くんに莉子ちゃんとのことを聞くと

莉子ちゃんはどうだった?

…ちゃんと伝言伝えときました

と、素っ気ない感じ

そして俺らの雰囲気を感じとって

それにしても…どうしたんですか

この感じ

俺の周りにいる連中を見て呆れたように呟いた

そう。俺の周りにいるのは下っ端のなかでも莉子ちゃんや莉乃ちゃんと仲良かったやつら

そいつらありえないくらいしょんぼりしてる

莉子ちゃんが帰ってきて嬉しいはずなのに

まぁ原因は何となくわかるけど

莉子ちゃんが急に倒れてしばらくたったら

鳳来の幹部たちは倉庫に帰るといい、莉子ちゃんに伝言を残した

もう彼らには交戦の時のような勢いはなく

別人じゃないかってくらい雰囲気が変わっていた

伝言を言い残した彼らはそのまま静かに倉庫を出ていった

でもそれと同時に紫蘭の奴らも弱々しくなった

朝陽

莉子ちゃんはやっぱり鳳来に戻るのかな?

隣で本気で寂しそうにつぶやく朝陽

キャラでもないんだから気持ち悪いこと言うな

どうせ鳳来は解散するんだから戻るも何もねーだろ?

下っ端

解散を取り消して仲間に戻ってもおかしくないですよ

風真

それにさ、莉子ちゃんも元々彼らの仲間なんだから戻りたいって思ってもおかしくないんじゃないかな

いっつも莉子ちゃんと遊んで笑いあってたこいつらがそんなこと言うなんて

俺はなんも言えねーな

まぁ、あいつ普通じゃねーしな

なんて俺が笑いながら言って言葉は誰も受け取ることなく

…また重苦しい空気になる

…お前らなぁ

下っ端

でももし莉子さんが戻りたいって言ったらやっぱり止めないんですか?

下っ端

翔さん

…俺!?

…そうなると思う

てかそうすることしたできない…

風真

いいの?

風真

それで

下っ端の奴らに感情のないように答える翔くん

なんの話?なんて聞けなかった

むしろ俺だって言いたい

翔くんはそれでいいの?

もし本当に戻りたいって言われたら、はいどーぞって送り出すの?

いいんです。俺は

あいつには幸せになってもらいたいんで

はぁ

物分りいいフリして

本当はそんなの絶対嫌なくせに

気づいてないみたいだけど顔にでてる

言葉ではなんとでも言える

でも実際そうなったらその言葉とは真逆のことをするだろう

風真

りっちゃんいないのは寂しいな

おまっ

泣くなって、いい歳した大人が

まぁそうなったら前に戻るだけだ

翔くんは月夜に

俺らは前みたいに

だからちゃんと送り出してやろうな

なんて強気に笑って言ったけど

本当は俺も強がってる

でもこんな時頼りにならない健の代わりの副総長だから

不安な顔になんてなれない

俺は泣きそうな風真の頭をポンポンとして静かに莉子ちゃんがいる幹部室を見つめる

翔くんの好きなようにしていいんだぞ。なんか俺が言えるわけないか

俺だって翔くんと同じ

まぁ

今何をしても今日には全てに終わりがくるんだよな…

そんな呟きは、自分に言い聞かせるみたいに

静かに倉庫に響いて

そして次第に消えてった

この作品はいかがでしたか?

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