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…私は怒っていた

誰にって?

もちろん自分に

幹部室の外から聞こえてくるみんなの会話をたまたま聞いてしまって

みんなのことを不安にさせてしまっていること

そんな自分自身に腹が立って仕方が無かった

下っ端

莉子さんが戻りたいって言ったら止めないで送り出すんですか?

…そう、なると思う

頭の中でリピートされるこの会話

なんでみんなは私の1歩後ろにいるんだろう

私はみんなと同じ仲間なのに

莉子

なんだかなぁ

でもみんなを安心させるためには私がやることは1つ

今みんなに何言ってもだめだと思う

だから行動でしめす

そうだよね

それであってるよね?

莉乃

とりあえず静かになった幹部室の外を確認してガラッとドアを開けた

みんなびっくりしたように私を見るけど

私は聞いてないふり

笑顔を向けて

莉子

おまたせ!

莉子

もしかして鳳来の倉庫の近くまで送ってくれちゃったりする?

いつもみたいにふざけたように話しかけた

朝陽

もちろん!

風真

当たり前じゃん

莉子

え、ほんと?

莉子

めちゃくちゃ冗談で言ったつもりなのに

朝陽

いいや、冗談になんてさせない!

朝陽

絶対に俺が送ってく!

莉子

えぇー

莉子

朝陽さんの運転荒いからなぁー

私の言葉でみんな笑いだす

そしてわざとらしく肩を落とす朝陽さん

風真

じゃあ俺が送るー!

莉子

ふふっ

莉子

大丈夫!

莉子

1人で行けるって!

莉子

もう、みんな私のことを好きすぎでしょ

あしらうように言ってその後に付け足すように言うとみんなは複雑そうなかおをする

健さん

まぁ確かにそうだけど

健さん

いいのか?お前ら

風真

全然よくない

朝陽

そーだ、そーだ

朝陽

莉子ちゃんに上から言われると結構むかつく

確かに

いや、あのさ

そこはかっこよくあたりまえって言ってよ

悲しくなるじゃん

まぁそれがみんなだからいっか

莉子

じゃあ

莉子

行ってくるね!

ちょっとまった

莉子

ん?

翔に手招きされてそっちに行くと

ピアスは?

莉子

あぁこれのこと?

ズボンのポケットに入れて置いた薔薇のピアスを見せる

健さん

つけて行ったら?

莉子

…でもいいの?

も…

朝陽

貰ったんだからつけなきゃ!

言葉を遮った朝陽さんを軽く睨む翔

莉子

じゃあ付けてくね

莉子

翔ありがとう

ん。はやくいってこい

莉子

ばいばい!

笑顔で手をふれば、みんなも笑顔で手をつり返してくれる

健さん

莉子ちゃんがどんな判断しても俺らは受け入れるから

馬鹿だなぁ 鳳来に戻ったりなんか絶対しないのに

莉子

…うん

あぁそれにしても、みんな大きな怪我しなくて本当によかったな

なんておもいながら

倉庫をあとにした

莉子

よし

後は私が全部終わらせれば

全部が片付くんだ

振り返っても誰もいない

誰もいない道で1人呟いて

私は懐かしいあの場所に向かって歩き出した

そして1度家に帰ってお風呂とかに入って準備する

久しぶりの我が家だからのったりしたいのを我慢して

そして翔から貰ったピアスを耳につける

青いバラと赤い薔薇左右の耳で色は違うけど違和感なく

莉子

やっぱり…かわいい

気合いも入ったことだし

さっさと家を出て倉庫向かう

そして懐かしい思い出に浸り終わったところで

莉子

…ついた

私は倉庫の前に立っていた

思ったより時間かかったかもなんて思いながら

深呼吸をする

そして1歩1歩倉庫の入口に近づいて

ガラガラガラ

小さい方のシャッターをあけて中に入った

中にいたのは鳳来の幹部と

河村優月

倉庫の真ん中のところにいる彼らは私が来たのに気づいてバッと顔を上げた

1人はうつむいたままだけど

私は迷わず彼らの前まで足を進める

そして彼らと目が合ってすぐ分かった

あぁ。知ってる

もう私の知らない彼らじゃない

優月に操られていた彼らじゃなくなってる

私が仲間だと思っていたあの頃の目

戻ってきたんだね

…でももう優しくなんかしない

彼らを許すことなんてできるわけが無い

春樹

りこっ…

莉子

名前で呼ばないでってば

莉子

虫酸が走るの

春樹のはっしたそれをバッサリと切り捨てる

それのせいで春樹は切なげな顔をする

そんな顔したってもうどうにもならないんだよ…

春樹

なる…み

莉子

ん?なに

春樹

お前のこと信じられなくて悪かった

春樹

本当は途中から薄々気づいていたのに

春樹

それを認められなくて悪かった…!

本当に申し訳なさそうに頭を下げる春樹をみて、頭にある言葉が浮かんだ

やっとか…

やっとここまで私たちは来れたんだって

莉子

真実はわかってるの?

謝る春樹に問いかけると

春樹

全部…お前があのとき言っていたことが

春樹

真実なんだろう?

その言葉を聞いて目の奥がグッと熱くなる

莉子

やっと

莉子

やっとだね…

莉子

遅いよ…ばか

やっと気づいてくれた

本当のことに

本当はこんな泣きそうな姿見せるつもりなんてなかったのに

そんな私の声に彼らも泣きそうに顔を歪めた

莉子

なんでもっと早く気づいてくれなかったの…

莉子

この、のろま

雅人

ごめんなんて言ったってもう遅いだろう?

ポツリと呟いたその声を聞いて

なんだかものすごく懐かしい気がした

莉子

うん。遅い

莉子

だって私はあれだけ違うって言ったのに

莉子

それにあのお腹のやつは結構痛かったから絶対許さないよ?

なんて最後はふざけたように言った言葉も今の雅人には冗談に聞こえないみたい

直樹

俺も許してくれるとは思ってないけどごめん

直樹の震えた声

透流

本当にごめん

透流の後悔してもしきれないという声

和樹

便乗みたいになってしまうかもしれないですが、ごめんなさい

莉子

…いいよ、謝らなくて

莉子

許すつもりなんて一生ないから

冷たく突き放すように言うつもりだったのに私の声を自然と震える

でも1番私が責めなくちゃいけないのも、1番気づかせてあげないといけないのは彼らじゃない

全ての原因

莉子

…ねぇ

莉子

優月。あんたのせいなんだよ

莉子

全部わかってるでしょ?

ずっと黙って俯いてたあんただよ

でも私の声は聞こえてるはずなのに反応してくれない

少しの沈黙が流れて

春樹

優月、もういいだろ

何も言わない優月に鳳来のみんなが口々に口を開く

雅人

いい加減にしろ

雅人

もうお前の嘘に踊らされる時間は終わったんだよ

和樹

まずは成海さんに言わなくちゃいけないことがあるでしょう?

透流

ゆーちゃん

直樹

優月

莉子

いや、あの…あんた達もそんな優月のこと責められないからね

私のそれにみんなはっとした顔をして下を向く

人のこと言えないだろ! …なんてことは流石に言えない

そしてみんなの声に我慢ならないというように、優月は肩を震わせて

ポツリ、と何かを呟いた

優月

…でよ

莉子

え?

優月

なんでよ!

優月

私のことを好きだったくせに

優月

みんなしてそうやって手のひら返して!!

優月

何が悪いの!?

優月

欲しいもの手に入れただけじゃん!

優月

それの何が悪いの!?

優月

せっかくみんな私のものに…

パンっ!

あまりにも酷いことに聞いてられなくて

私は怒りで目を潤ませながら優月の頬を思いっきり、ひっぱたいた

確かに人には過去に何かしら抱えている

でも私はそんなの知りたくないし

知る気もないけど

間違っちゃったら…ごめんなさいだ

…1番のわからず屋はあんただね

もうさ、みんな辛い思いをしたんだからちゃんと決着つけようよ

……ね?

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

やっぱ莉子ちゃん好きだなあ...

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