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大切な家族と

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大切な家族と

1 - 大切な家族と

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2019年04月14日

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私、南出夏帆(みなみでかほ)

15歳

最近、中学三年生になった

自分で言うのもおかしいけど、私は反抗期だ

親の言っていることがいつも気に入らない

夏帆のお母さん

夏帆〜、スマホばっかいじってないで塾の宿題しなさいよ

夏帆のお母さん

あなた今年受験生でしょ?

夏帆

うっさいな

夏帆

私は高校進学しないでバイトするんだよ

夏帆のお父さん

夏帆も夏帆だけど、お母さん、かほの言ってることもちょっとは聞いてみなさい

夏帆のお母さん

あなた、よくそれで子供の親でいられますね

夏帆のお母さん

自分の言ってることが無責任だと思わないんですか?

夏帆のお父さん

俺は夏帆の言っていることを少しは聞いてみたらと言っただけだ!

夏帆のお父さん

どこが無責任なんだよ

夏帆のお母さん

私は夏帆の将来のことを考えて言ってるだけよ

夏帆のお母さん

あなたは何も考えてないから言っているのよ

夏帆のお父さん

なんだと?

夏帆のお父さん

俺も少しは考えてるんだ!

夏帆のお父さん

人の考えに口出すんじゃねぇ!

夏帆のお母さん

少しってなんですか?

夏帆のお母さん

ちゃんと考えてこそ親でしょ!?

夏帆のお父さん

お前いい加減にしろよ!

夏帆

あ〜、も〜うるさいんだよ!

夏帆

私の将来に、あ〜だこ〜だ言われる筋合いなんてないんだよ!

夏帆

あんまりここの空気を吸わないで欲しいわ〜

夏帆

酸素がなくなるよ

パチン!

夏帆

何するの!

夏帆のお父さん

お前がいつまでたってもそんなんだからダメなんだよ!

夏帆のお父さん

だから学校でも友達が出来ないんじゃないか!

夏帆

友達くらいいるよ!

夏帆のお父さん

じゃあ何人だ、数えてみろ

夏帆のお父さん

お前の友達なんて指で数えられる程度しかいないの、当然親は把握してるんだよ

夏帆

なんでそういう所ばっかりつっついてくるの.......!

夏帆

確かに、私は中学校に入った時から、何故かいじめが起きた

夏帆

でもその原因は、この家が貧乏だからよ!

夏帆

シャーペンだってまともにいいシャーペンがなくて芯はボキボキだからいつも人に借りてる

夏帆

だけどそれが嫌がられてるんだよ!

夏帆

先生だって、シャー芯くらい買ってもらえとかいうけど、うちにはそれを買うお金さえ惜しいくらいじゃん!

夏帆

髪の毛だって、まともにいいシャンプーがないから、毎日ボサボサじゃん

夏帆

私、女の子だよ?そういう所くらいしっかりさせてくれたっていいんじゃない?

夏帆

手作りのものだって、幼稚園の頃に作ってくれたいちごのワッペンくらいじゃん!

夏帆

このワッペンだって、あるからつけてるだけで、本当はこんなものいらないんだ!

夏帆

こんなもの捨ててやる!

私は、幼稚園の頃に、裁縫が苦手なおとうさんが私のわがままを聞いて、夜な夜な一生懸命作ってくれたいちごのワッペンを、

捨ててしまった

夏帆

そしてこんな家、とっとと出てってやる!

私は家を飛び出した

夏帆のお母さん

夏帆!

夏帆のお父さん

夏帆!待ちなさい!

そして、夏帆のお父さんも、外へ飛び出した

夏帆のお母さん

あなた!

そして私を追いかけようとして

おとうさんが、車道に出た瞬間

お父さんは、車に跳ねられた

夏帆のお母さん

キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!

夏帆

(えっ.......、この声は.......)

夏帆

お母さんの悲鳴!?

お母さんは、救急車を呼んだ

そしてその頃、私は後ろを振り返った

そして、家の方向へ歩き始めた

次第に、走りへと変わった

今まで顔も見たくなかったお父さんが

何故か、何があったのかも知らずに

もう一度、怒っていてもいいから

お父さんの顔を

見たくなった

私が家に着いた時、 お父さんは血まみれになって倒れていた

と、すぐに救急隊が駆けつけた

私は、頭が真っ白になった

夏帆

(なんで、なんで、なんで、なんで....)

極度の緊張と、押し寄せる恐怖から

何故か、体が小刻みに震えだしていた

気づけば私はお母さんと、おとうさんが搬送された 病院にいた。

いきなり起きたことで

何が起きたのか未だに把握出来ていなかった

病院の先生

冬輝さんは、(夏帆のお父さん)頭を打って頭を切ったことによる出血性ショックで、意識不明の重体です

病院の先生

ただいま、輸血とCPR(心肺蘇生法)をしております

病院の先生

ですが、お父さんは極めて危険な状態にいます

病院の先生

でも、私達は諦めずに、心臓マッサージを続けています

病院の先生

ですのであなた達もどうか諦めないでください

夏帆のお母さん

先生達も諦めないでください!!

病院の先生

はい、頑張ります

夏帆のお母さん

よろしくお願いします

あれから、一日が経った

お父さんは、意識は取り戻したものの、 目をまだ開けてはいない

そこから私は毎日休むことなく、 お父さんの病室のところへ、立ち寄るようになった

あれから2週間がたった

ほぼ、植物状態に近く、 もう喋ることは出来ない可能性が100%に近いという

私は今日も病室へ来た

相変わらずお父さんは目を覚まさなかった

もう帰るところだった

不意に、聞き覚えのある声がした

ビックリして後ろを振り返ると

なんと、

お父さんが目を開けていたのだ

夏帆

お、お父さ.......

夏帆

お、とうさ.......

夏帆

ひっひっく

夏帆

うえーーーーーーん

夏帆

うわぁーーーーーん

言葉が詰まって

そして喜びのあまり

私は病院の中で15歳にして大声をはりあげて 泣いてしまった

私は直ぐにお母さんを呼んだ

お母さんは猛スピードできたので髪がぐしゃぐしゃに なりながら、泣いていた

夏帆のお父さん

おぉ.......

夏帆のお父さん

か、ほ、

夏帆のお父さん

それに

夏帆のお父さん

おまえまで.......

夏帆

おとうさ.......

夏帆

う、うぅぅぅ…

夏帆

ごめんなさ.....ぃぃ....

夏帆

私のせ.....いで.....

夏帆

うえぇーーーんうわぁーん

夏帆のお父さん

かほ、あのな、俺が寝てる間にある夢を見たんだ

夏帆のお父さん

その夢はな

夏帆のお父さん

俺が寝ている間毎日毎日ここの病院に来ているかほの姿だ

夏帆

えっ.......

夏帆のお父さん

俺がな、ここでいきて戻れたのはな

夏帆のお父さん

いつも家に引きこもってスマホばかりしているかほが、毎日毎日俺のために病院に来ているのを見たら

夏帆のお父さん

本当に本当に嬉しくて

夏帆のお父さん

こんな愛する子供に、なんで俺はひっぱたいたんだ

夏帆のお父さん

なんで俺はもっと夏帆のために稼いでやらないんだ

夏帆のお父さん

そういう思いが募って、ちゃんと最後まで夏帆のために生きてやらないとって思ったんだ

夏帆のお父さん

お前は俺の期待を裏切らなかった

夏帆のお父さん

いい子に育ったよ、夏帆

夏帆のお父さん

俺が作ったワッペン、貧乏臭くてごめんな

夏帆のお父さん

俺が何もしてあげられなくてごめんな

夏帆

お父さ.......ん.......

夏帆

うぅぅぅ.......

夏帆

ひっく....ごめんなさ....ひっく.......い

夏帆

こん.....な娘で

夏帆

ごめん....な...さい

夏帆

私は....これか....ら...ちゃん..とするから

夏帆

がんばっ....て..べんきょ...うするから

夏帆

だか...ら.....ごめんな...さい

夏帆

うぅぅぅ.......うっ

夏帆のお父さん

かほ

夏帆のお父さん

家帰ったら3人でどこかお出かけしような

夏帆

うっ...ん
わ...たしは

夏帆

やっ.......ぱり

夏帆

あの..ワッペンが

夏帆

わた....しのいちば...んの

夏帆

た...からものだよ

夏帆

これか...らもちゃ...んとだいじにするから

夏帆

だから....まだ..生きて

夏帆

わた..しといっしょ...に

夏帆

た...いせつな

夏帆

かぞ...くといっ..しょに

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