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102号室
隣室が今頃血の池になっているとは露知らず、二人は床に座りこんで話している
重音テト
GUMI
無機質な部屋に無情にも生ぬるい日が差す
机に置かれた銃の引き金が眩しい
嫌でもそれが目に入るため、なんとか床を見て二人は正気を保とうとしていた
そんな風に足掻いていたとき、テトがGUMIに話しかけた
重音テト
GUMI
重音テト
GUMI
タヒから目を背けていたはずのテトが急に自己犠牲を仄めかす言葉を言うのだからこの反応に無理はない
GUMI
重音テト
重音テト
重音テト
重音テト
2020年以前はボカロを含む合成音声界でGUMIは勢いを増すばかりだった
一時期はあの初音ミクさえも追い抜く勢いで、沢山のGUMI曲が作られた
そのことから世の中の流行り廃りを風刺したような曲も生まれたほどだ
しかし、徐々にその流れは断ち切られることになる
重音テト
重音テト
重音テト
重音テト
重音テト
しばらくの間沈黙が流れた
テトは言い過ぎたかもしれない、と気まずそうな顔をしている
GUMIから目を逸らし、震える手を握りしめて遠くから様子を伺っている
そんなテトを哀れに思ったのか、GUMIは優しい顔で口を開いた
GUMI
GUMI
重音テト
GUMI
GUMI
GUMI
GUMI
GUMI
GUMI
GUMI
GUMIはテトをまっすぐ見つめた
今までに見せることのなかった、どこか諦めたような、でも優しい太陽のような顔で
重音テト
GUMI
重音テト
日に照らされ温められた銃を手に取り、こめかみに銃口を向ける
GUMI
GUMI
重音テト
テトがGUMIの元へ手を伸ばしたときにはもう遅かった
銃弾は頭を貫通し、ドサッと倒れる音がした
重音テト
GUMI
その時、部屋の反対側から鍵の開く音がした
重音テト
わずかに開いた扉の奥を見つめてみると、先ほどまでいた広間に先に相手を撃ったであろう参加者が数名いた
重音テト
GUMIの握りしめた銃を机に戻し、テトは重い足取りで扉の向こうへと一歩踏み出した