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103号室
決して広いとはいえない密室に大柄な男が2人─────正確には人間ではないが、座っていた
────見慣れない顔に若干戸惑いながら
イヴァン
一文字則宗
一文字則宗
イヴァン
イヴァンがそう言うと、則宗は首をかしげた
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
一文字則宗
光で照らされて銀色に輝いているそれを指差した
イヴァン
いつものような笑顔を見せると、則宗は豪快に笑った
一文字則宗
一文字則宗
一文字則宗
外は風呂と同等の気温で、太陽がギラギラと街中を照りつけている
各部屋には冷暖房が完備されているとはいえ、多少は蒸し暑い
イヴァン
クリーム色のコートを脱ぎ、壁にあった年季の入ったハンガーにかけた
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
考えるイヴァンに慌てて則宗が一言つけたした
その言葉の意図を汲んだのか、イヴァンはすぐに言葉を返した
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
ニカッと悪い顔をして笑うと、則宗はまたまたいつものように豪快に笑った
一文字則宗
ひとしきり笑った後、イヴァンは悪い顔から普通の顔に戻して則宗に尋ねた
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
部屋に沈黙が流れた
先ほどまで差していた陽は別の場所を照らし始めた
イヴァン
一文字則宗
イヴァンが顔を上げると、予想とは裏腹にそこには先程とは変わらない則宗の姿があった
一文字則宗
一文字則宗
一文字則宗
イヴァン
溢れた雫は頬を伝い、首へと落ちる
その時確かに泣いているのだと感じ、とめどなく涙が流れた
イヴァン
イヴァン
一文字則宗
則宗は流れる涙を手ぬぐいで優しく拭い、肩を抱いた
イヴァン
一文字則宗
ふと扉のほうを見ると、制限時間の示されたタイマーは残り3分を切っていた
またしばらく静寂に部屋は包まれた
しかし、制限時間が残り1分30秒を切った頃、則宗が突如口を開いた
一文字則宗
イヴァン
則宗は自身の本体の刀を抜き、両手で持った
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
イヴァンが伸ばした手を則宗は止めた
一文字則宗
一文字則宗
イヴァン
一文字則宗
イヴァン
残り30秒になり、カウントダウンの音が鳴り始める
一文字則宗
一文字則宗
一文字則宗
イヴァン
部屋に鉄の折れる音が響いた
それと同時に、扉のほうから鍵の開く音がした
タイマーは残り10秒を示している
イヴァン
イヴァン
扉を開けると残り香が微かに香った