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8
「由愛ちゃん、また大きくなったねぇ〜!」
リビングから母の明るい声が聞こえる。
「ほんと可愛い〜!」
父まで笑ってる。
高校2年生の入里叶汰は、自室のベットに 寝っ転がったままイヤホンを押し込んだ。
うるさい。
最近ずっと、家の中心は妹だった。
5歳の妹、入里由愛
年の離れた妹だからか、両親はとにかく甘い。
「由愛、アイス食べる?」
「食べるー!」
入里 叶汰 イリザト カナタ
小さく呟いても、誰にも届かない。
別に、虐待をされているわけじゃない。
放置されてるわけでもない。
ちゃんと誕生日も祝ってくれるし、
「おかえり」も言ってくれる。
でも、由愛が生まれてから、
家族の"特別"は全部妹に向いてる気がした。
黒﨑 淕來 クロサキ リク
翌日。
放課後のゲームセンター。
友達の黒﨑淕來が腕を組んでくる。
黒﨑 淕來 クロサキ リク
入里 叶汰 イリザト カナタ
黒﨑 淕來 クロサキ リク
その横で、神谷有征がジュースを渡してきた。
神谷 有征 カミヤ ユウセイ
図星だった。
叶汰は舌打ちをする。
入里 叶汰 イリザト カナタ
黒﨑 淕來 クロサキ リク
入里 叶汰 イリザト カナタ
言葉が止まらなかった。
入里 叶汰 イリザト カナタ
淕來と有征が静かに聞く。
入里 叶汰 イリザト カナタ
小さい頃は違った。
もっと構ってもらってた。
もっと褒められてた。
でも今は、由愛が泣けばみんなそっちへ行く。
入里 叶汰 イリザト カナタ
叶汰は笑いながら言う。
入里 叶汰 イリザト カナタ
黒﨑 淕來 クロサキ リク
神谷 有征 カミヤ ユウセイ
2人は苦笑する。
叶汰は視線を落とした。
こんなことで嫉妬してる自分がガキみたいで嫌だった。
でも、寂しいものは寂しい。
入里 叶汰 イリザト カナタ
ぽつりと零す。
すると有征が首を横に振った。
神谷 有征 カミヤ ユウセイ
入里 叶汰 イリザト カナタ
神谷 有征 カミヤ ユウセイ
淕來も頷く。
神谷 有征 カミヤ ユウセイ
叶汰は少し目を見開く。
そんなふうに言われるとは思わなかった。
その日の夜。
家に帰ると、リビングで由愛が寝落ちしていた。
父の腕の中で、安心した顔をしている。
母は叶汰に気づいて笑った。
母
入里 叶汰 イリザト カナタ
母
叶汰は少し肩を竦める。
入里 叶汰 イリザト カナタ
すると父が口を開く。
父
叶汰は固まる。
父は由愛を抱いたまま続けた。
父
母も笑う。
母
その瞬間。
胸の奥が少し痛くなった。
愛されてないわけじゃない。
分かってる。
ただ、
"平等"って同じ量じゃないんだって思った。
小さい子には小さい子の、長男には長男の家族なりの愛し方がある。
でも、
入里 叶汰 イリザト カナタ
思わずそう零すと、
母が吹き出した。
母
入里 叶汰 イリザト カナタ
すると寝ていた由愛が、ぱち、と目を開ける。
入里 由愛 イリザト ユア
次の瞬間、小さな体で抱きついてきた。
叶汰は反射的に受け止める。
入里 叶汰 イリザト カナタ
入里 由愛 イリザト ユア
由愛はにこにこ笑う。
その家族を見ていると、なんだか怒る気も失せてしまう。
叶汰は小さくため息を吐いた。
入里 叶汰 イリザト カナタ
コメント
2件
すごく見るの遅れた💦 妹ちゃんに嫉妬しちゃうけど、やっぱり可愛いよね~💞 続きもそのまま見ますね.ᐟ.ᐟ