まさと
はぁー…
まさと
俺の人生って一体…
今思えば最悪だった
両親は俺が10になる誕生日に 離婚
そこからは意地悪な 親戚に預けられて雑用
高校は行かせてもらえるも中退
そして工事現場の会社で 10万円以下の給料
最悪だ
まさと
…
まさと
もういっそのこと…
神
どうしたんだい?
まさと
!?
なんの前触れもなく それは現れた
シルクハットを深く被り 顔は見えない
スーツに身を包んでいる
まさと
あんたは…?
神
私は神さま
まさと
老人ホームはあちらですよ
神
やれやれ
神
まさとくん…
神
君は不幸だ
彼は俺の名前を言い当てた
そのあと,俺の これまでの人生について 勝手に語り出した
まさと
なにが言いたいんですか?
神
私が君の願いを叶えよう
まさと
はい?
まさと
あの〜…
まさと
あなたが神様ってことは,まぁ信じますけど…
まさと
そんなことできるんです?
神
やってみよう
すると彼は手を叩いた
すると パッっと音が響いたと同時に
百万円の札束が降ってきた
まさと
これは…
俺が思った金額が 思ったように現れた
こいつは本物だ
まさと
これは夢か?
神
そう思うかね?
まさと
夢ならもっと長く見たい…
神
これは現実だ
彼は真剣な表現で言った
神
さぁ,願いは?
まさと
…
まさと
じゃあ,俺をイケメンにして
俳優にしてくれ
俳優にしてくれ
神
ほぉ〜
もともと俺は俳優になりたかった
だが,顔にも演技にも 恵まれなかった
神
いいだろう
神
ほら,これでOKだ
まさと
…!?
瞬きをすると彼は消えていた
家に帰って鏡を見ると そこに映ったのは別人だった
整った顔立ち
最高だ
それからオーディションを受け 即採用
驚くことに 演技もすぐできた
そしてオーディションから 一ヶ月後にはドラマの撮影
ドラマは大ヒット
数え切れないくらいの 金が入ってきた
ランボルニーギを買った
高級マンションの最上階も買った
毎日,世界三大珍味を食べた
思わず涙が出るほど美味しかった
贅沢をした
最高だ…!
俺をいじめていた親戚どもは ネットで散々叩かれている
あいつは会社もクビになった
俺は勝ち組だ
看護師A
大変ねぇ
看護師B
ほんと
看護師A
もう一年になるものね…
看護師B
大変よね…
2人が目をやった先には
まさとが瞳を閉じて 横たわっていた
看護師B
医療費全部親戚が不安でしょ?
看護師A
そうそう
看護師A
働いてなかったから
保険が適応しなくてね…
保険が適応しなくてね…
看護師B
…
看護師B
師匠も人が悪い
神
そうかい?
神
私は叶えたじゃないか
神
「夢ならもっと長く見たい」
という彼の願いを…ね
という彼の願いを…ね







