蓮
(俺は人の過去をみることができる)
蓮
(今まで沢山の人の過去をみてきた)
蓮
(その中には)
蓮
(楽しかった過去)
蓮
(辛かった過去)
蓮
(色々あった)
蓮
(けど、)
蓮
(あの人の過去は)
蓮
(他の人とは明らかに違う過去だった)
蓮
(そう)
蓮
(彼女は)
蓮
(人を殺していたんだ)
蓮
(それも1番仲のよかった親友)
蓮
(俺は唖然とした)
蓮
((何故だろう)俺はそう思って)
蓮
(今まで秘密にしていた)
蓮
(この能力を彼女に話して)
蓮
(何故親友を殺したのか)
蓮
(聞いてみることにした)
蓮
(危険なことはわかってる)
蓮
(けれど)
蓮
(このことだけは)
蓮
(何故か本能的に)
蓮
((聞かなければならない))
蓮
(そう思ってしまったのだ)
蓮
なぁ、美希
美希
んー?
蓮
俺は人の過去をみることができるんだ
美希
!?
美希
…っ
蓮
お前の過去について、
蓮
俺に聞かせてくれないか
美希
………
蓮
ダメか?
美希
……いいよ
美希
私の過去について聞くってことは
美希
私が何をしたか
美希
もう分かってるんでしょ?
美希
それなら
美希
話しても話さなくても変わらないよ
蓮
ありがとう
蓮
それじゃぁ
蓮
明日の夜8時に電話するわ
美希
うん
美希
わかった
蓮
もしもし
美希
もしもし
蓮
よし
蓮
それじゃあ話してもらおうか
蓮
君の過去を
美希
…うん
美希
私には幼稚園からの近所の
美希
幼なじみがいた
美希
その子の名前は「晴香」
美希
私達は
美希
幼稚園の頃から、
美希
小学校、中学校と
美希
ずっと一緒にいた
美希
だけど…
美希
中学2年生の夏に
美希
事件が起こったの
美希
その時私には優希という彼氏がいたの
美希
けれど、
美希
毎日電話していたのに
美希
夏になると
美希
だんだん電話にでなくなっていったの
美希
その理由が知りたくて
美希
晴香に相談してみたの
美希
そしたら
美希
晴香も電話にでないの
美希
私には信頼できる人がその二人しかいなくて
美希
誰にも相談出来なかったの
美希
その夜アイスを買いにコンビニに行ったの
美希
夜11時くらいだったかな…
美希
そしたら、コンビニに
美希
優希と晴香が
美希
二人っきりで
美希
私の陰口を話していたの
蓮
…
美希
その様子を見てしまった私は
美希
優希と晴香に
美希
何度も電話して問いただした
美希
そしたら二人は
美希
3ヶ月前から付き合っていたことを
美希
告白したの
美希
許せなかった
美希
優希は私が先に付き合っていたのに
美希
私だけのものだったのに
美希
「なんで?」っておもったもん
美希
「優希の隣にいるのがなんで私じゃないの?」って
美希
思うようになった
美希
そしてだんだん優希の隣にいる晴香が
美希
邪魔になったの
美希
そして私は思いついたの
美希
「殺したらいいんだ」って
美希
それから私は
美希
晴香を殺す為の計画を立て始めた
美希
毎日毎日数え切れないほどの案がでたわ
美希
火あぶり
美希
薬
美希
包丁
美希
窒息
美希
とかね
美希
そしてやっと晴香を殺す為の計画が完成したわ
美希
そして私は9月17日
美希
岡崎晴香を
美希
殺したの
美希
これで優希が私だけのものになると思っていた
美希
けれど、それは間違いだった
美希
優希はいつのまにか
美希
引っ越しして
美希
私の前から姿を消した
美希
私は絶望した
美希
優希の為に
美希
邪魔だった晴香を殺したのに
美希
「なのになんで離れていくの?」って
美希
だけど私はその後
美希
半年ほど
美希
考えて
美希
私には必要ないものだと分かったの
美希
だから高校に入学した
美希
これが私の過去よ
蓮
そうか…
蓮
話してくれてありがとう
蓮
大変だったんだね。
美希
ねぇ
蓮
ん?
美希
人っていうのは
美希
信用していいことはない
美希
いつ裏切るかわからない
美希
「この話を秘密にして」って
美希
私が言っても
美希
いつかは必ず言うでしょう
蓮
そんなことない!!
美希
なんでそういいきれるの?
美希
これから先何があるか分からないんだよ?
美希
もしかしたら
美希
私の過去を話さないと殺すって
美希
いわれるかもしれないんだよ?
美希
そしたらあなたはきっと
美希
私の過去を話すでしょう
美希
だから小さな種は
美希
芽が出る前から潰しておくべきなの
蓮
!?
蓮
それって…
美希
だから
美希
今から私は
美希
あなたを
美希
西村蓮を
美希
殺します
蓮
…っ
蓮
あ、でも
蓮
殺すっていってもどうやって…
美希
もういるよ?
美希
あなたの後ろに