テラーノベル
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雨はシトシトと、
朝から降り続いていた。
星崎探偵事務所の中は薄暗く、
少しだけ湿度が高く感じられた。
風都はソファーに横になって
スマホをいじり、
星崎は椅子に座って
本を読んでいる。
いつも通りの光景。
───ガチャッ
なんの前フリ無く、
突然事務所のドアが開いた。
風都は頭を起こし、
星崎は視線一つ動かさない。
ドアから顔を覗かせたのは、
一人の子供だった。
小学校低学年ぐらいだろうか。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
風都 燐
風都 燐
風都は立ち上がって
ドアを大きく開け、
子供を招き入れた。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
風都 燐
風都 燐
風都はしゃがんで、
子供と視線を合わせる。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
子供は目に涙を浮かべる。
谷山 夕斗
子供は服で涙を拭い、
強い視線を風都に向けた。
風都 燐
風都 燐
風都 燐
子供は一人用のソファーに腰を下ろし、
小さく頷いた。
風都は子供の頭を軽く撫でてから、
冷蔵庫に向かう。
ちらりと星崎の方を見たが、
彼は変わらず本を読んでいる。
風都 燐
風都 燐
風都はペットボトルの蓋を開け、
子供に手渡した。
風都 燐
風都 燐
谷山 夕斗
風都 燐
谷山 夕斗
風都 燐
谷山 夕斗
風都 燐
風都 燐
風都が笑顔で褒めると、
夕斗の表情が少しだけ和らいだ。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
夕斗は背負っていた
小さなリュックのジッパーを開け、
一冊の絵本を取り出した。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
星崎が不意に立ち上がり近づいてきた。
風都 燐
風都 燐
星崎 水織
星崎は夕斗の顔を見て、
それから絵本に目を向けた。
そこには黄色いひよこと
困った顔のふくろうが描かれていた。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
星崎 水織
風都 燐
星崎 水織
風都 燐
そんな”大人”の会話など
耳に届いていないかのように、
夕斗はさらに
ページをめくった。
谷山 夕斗
谷山 夕斗
その言葉通り、
最後のページでは
卵がうまく割れないひよこを見て
楽しそうに笑う
二匹のニワトリが寄り添っていた。
星崎 水織
風都 燐
風都 燐
星崎 水織
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
風都 燐
風都 燐
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
谷山 夕斗
リュックの底から
白い封筒を引っ張り出した。
谷山 夕斗
そう言って嬉しそうに、
風都に手渡した。
その封筒の表には、
綺麗な字で
”遺書”
と書かれていた。
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コメント
4件
漢字が読めないからこそ感じ得ない絶望だなあ…… 続きが楽しみです!