ある日
私の彼氏に
耳としっぽが生えた。
紗奈
……何それ
圭太
……生えた
紗奈
なんか、可愛い
圭太
うるさい
紗奈
何で生えたの?
圭太
理由がわかったら苦労しない
紗奈
それもそっか
紗奈
うーん……
紗奈
何か変なの食べたとか?
圭太
いや?何も
圭太
……あ
紗奈
何?
圭太
変なドリンクなら飲んだ
紗奈
何それ笑
圭太
喉乾いてたからつい
紗奈
飲み物の容器ある?
圭太
何で?
紗奈
ラベルになにか書いてあるかも!
紗奈
見てみよ!
紗奈
……なになに?
紗奈
『ケモ耳ドリンク』
紗奈
『これを飲むと、1日ケモ耳が生えた状態になります。』
圭太
俺
圭太
しっぽも生えてんだけど
紗奈
『効き目が強いと、しっぽも生えます。』
圭太
……まじかよ
紗奈
まぁでも
紗奈
1日だけだし
紗奈
良かったじゃん
圭太
何も良くない
紗奈
ねぇ
圭太
ん?
紗奈
耳触っていい?
圭太
だめ
紗奈
無理矢理でも触るけど
圭太
やめろって
紗奈
おりゃ!
圭太
ちょ、待っ……くすぐったい
圭太
ほんとにやめろって
紗奈
でも
紗奈
しっぽ立ってるよ?
圭太
え
紗奈
嬉しいんでしょ
紗奈
触られるの笑
圭太
……
紗奈
図星笑
紗奈
でも
紗奈
感情によって動くってことは
紗奈
本当に生えてるんだね
圭太
はぁ〜……
圭太
俺
圭太
今日1日どうなるのかにゃ……
紗奈
にゃ?
圭太
え?
紗奈
ねぇ
紗奈
ちょっと来て
圭太
あ、ああ
紗奈
これ飲んで
圭太
ホットミルク?
紗奈
早く
圭太
わ、分かった
ゴクッ
圭太
熱!
紗奈
やっぱり
圭太
何が?
紗奈
圭太
紗奈
猫化してる
圭太
!?
紗奈
言葉の語尾もおかしいし
紗奈
猫舌になってるし
圭太
まじか……
圭太
でも何でだ?
紗奈
待って
紗奈
ラベル見てみる
紗奈
『稀に、猫化が進行し、そのまま戻れなくなるケースがあります。』
紗奈
『ご注意を!』
紗奈
圭太……どんまい
圭太
え、ちょ、待っ……
紗奈
『そして圭太は、無事猫になりましたとさ』
紗奈
『めでたしめでたし』
圭太
いやちょっと待て!
紗奈
何が?
圭太
俺の事モデルにして小説書きたいって言うから
圭太
承諾したら
圭太
何だよこの話!
紗奈
?
圭太
何で俺猫になってんだよ!
紗奈
まぁまぁ落ち着いて
圭太
落ち着けるか!
圭太
俺どう考えても不憫すぎるだろ!
圭太
こんな作り話、馬鹿げてる!
紗奈
ねぇ
紗奈
この話
紗奈
フィクションじゃなくて
紗奈
ノーフィクションだよ?
圭太
はぁ?
紗奈
自分の頭触ってみて?
圭太
……何だこれ
圭太
何か、生えてる……?
紗奈
飲んでくれてありがとう
紗奈
私が昨日あげた
紗奈
『手作り栄養ドリンク』