凛
そう言った瞬間
向こうの声は聞こえなくなり部屋に静寂が訪れる
凛
部屋にはおびただしい数の札と紐が部屋の周りを囲
中心に凛と黒電話が置かれている
凛
凛
五十嵐家本家にある黒電話
特殊な呪具で五十嵐家に縁があれば異界にいようが神域にいようがどこからでもかけることの出来る電話
それを私と湊月の縁を使い擬似的に再現を試みた…
凛
凛
凛
凛
凛
凛
凛
凛
凛
そうあれば
まだ悪霊のことも神のこともあまり知らず過ごしていた頃
小さい頃から私は神社の巫女として神社の掃除や神に奉納する舞の練習をしていた
舞を踊っている時どこからか風と一緒に声が聞こえることがよくあった
凛(幼少期)
「嗚呼…今日も舞を踊ってるようだな」
凛(幼少期)
「どうした?」
凛(幼少期)
「そうか…我はお主の舞が見れて良いがなぁ…」
凛(幼少期)
「……」
凛(幼少期)
「嗚呼…すまんな…」
凛(幼少期)
「祖母が来るのか…」
凛(幼少期)
凛(幼少期)
「そうだな…それはそうと」
「いつになったら我に〝名前〟を教えてくれるんだ?」
凛(幼少期)
凛(幼少期)
「我は先に名を名乗ったぞ?」
凛(幼少期)
「ぬぅ…そうか…それなば」
「明日会おうではないか」
凛(幼少期)
「知っておる…姿を見るのにそう時間はかかるまい」
「祖母が来る前からなずにすませよう…」
凛(幼少期)
凛(幼少期)
「そうだな…祖母と会うなら朝早くからの方がいいだろう…」
「本殿の鳥居の中で待っておれ…迎えに行く」
凛(幼少期)
ちゃんと聞いていればおかしな所なんて色々あったはずだった
でもあの時の私は悪霊のことも…神のこともほんの少ししかわかっていなかった
だからあんなことが起きてしまった
朝早く家をこっそり抜け出し
本殿の鳥居の中で待っていた
凛(幼少期)
少し待っていたがなかなか来ないしなつに文句いいつつ
ポケットに手を入れると
凛(幼少期)
凛(幼少期)
ポケットに入っていたおばあちゃんのお守りを取り出し見たあと再度ポケットにしまう
顔を上げると
シナツヒコ
凛(幼少期)
シナツヒコ
自分の前にいつの間にかたっていたしなつ…
自分よりも何倍も大きく
不思議な雰囲気を纏うしなつに私は驚いていた
凛(幼少期)
シナツヒコ
凛(幼少期)
シナツヒコ
凛(幼少期)
シナツヒコ
なにか可笑しいと感じていた…
怖くなり後ろへ後ずさる
シナツヒコ
凛(幼少期)
シナツヒコ
しなつの声が風になって私にまとわりつく
凛(幼少期)
凛(幼少期)
困惑する私を見てしなつはにぃと笑った気がした
シナツヒコ
凛(幼少期)
シナツヒコ
わたしの本能が警鐘を鳴らす
逃げなくては
でも身体が思うように動かなくて
しなつに手を掴まれそうになった瞬間
バチッ
シナツヒコ
凛(幼少期)
ポケットが熱くなったと思ったら私を薄い光が覆いしなつを弾いたと思ったら足が軽くなった
凛(幼少期)
そう思いしなつがいる方向とは逆方向に走り出した
しなつから私が遠ざかる…
シナツヒコ
シナツヒコ
シナツヒコ
この後のことはよく覚えてない
必死に志那都から逃げて隠れて
必死に走ってたらいつの間にかおばあちゃんがいて…
おばあちゃんがいた安心で眠っていた
その後から聞いた話…私は神隠しの1歩手間まで来ていたとの事
名前を教えなかったとこ
おばあちゃんが早く来ていたこと
そしておばあちゃんから貰っていた御守りを持っていたこと
この3つのおかげで帰って来れていたらしい
おばあちゃんが早く来ていたのは…なにか胸騒ぎを感じ早く来ていたとの事
しなつに神隠しされかけて数日間は怖くて隅でうずくまっていたが怒りが湧いてていた
「なんで私がこんな目に会わなければいけないのか」
「あんな奴に私は殺されかけていたのか」
なんて…それからさらに数日おばあちゃんに頼み悪霊そして神について教えて貰うことになった
あんなことがあったから当然お母さんたちもおばあちゃんも認めてくれた
あの一件後私は神なんてものが嫌いになった
あの1件はおばあちゃんのおかげでどうにかなったけれど
あのまま志那都に隠されてしまっていたらと考えると今でも恐怖で震える…
それぐらい湊月が隠されてしまうのが恐ろしい…
絶対私が湊月を助けるんだ…
必ず…
今回の登場人物のコーナー
名前 五十嵐 叶恵 イガラシカナエ 性別 女 性格 厳しくも優しい 怖い どんな事でもあんまり動じない 身長 175cm 年齢 89歳(現在) 好き 梅 娘と孫 春 茶道 嫌い 神(特に志那都) その他 ・凛のおばあちゃん ・クソ強ババアで今もそこら辺にいる悪霊なら素手で倒せる ・勘が鋭くなにか不安と感じると御札や御守りを常備し対応する ・志那都から厄介な女だと思われており早く死んでくれとすら思われている ・孫に手を出している志那都が嫌いでなんとか消し去る方法がないか考えているが神の中でも上位の存在であるため難航している ・死ぬまでに志那都を消そうとしているができずとも現世にでしゃばらせないようにするぐらいのことはしようと思っている サンプルボイス 「五十嵐 叶恵だ…まぁこんなババアだがまだ腕はなまっちゃいねぇから安心しな」 「久しぶりだね、凛…随分と大きくなって…」 「私が生きてる間はお前さんに好き勝手させるつもりは無いからねぇ…まぁ死んだ後もさせる気はサラサラないけどねぇ!」 「神は人々に祈り願われ呼ばれこちらに干渉する存在…だからこそ信仰さえ無くなればいるべき場所帰り現世から消え去る奴らなのさ…」
おまけ
幼少期凛ちゃん
カスタムキャストで作った幽蘭ちゃん
コメント
21件
しなつ、それはまずい() おばあちゃん!?!?!?ド性癖だが!?!?!?
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! あら!!!そうなんだね…!!! 怪異や悪霊などの不思議の類がある時は 不思議な物もあるんだよね!!!(?) あ、湊月ちゃんをあんな目にした場合 ○意高めの人達が乗り込んで来るから とんでもない事になりそうだ…(?) えー…そんなに強制的だと 婆ちゃんが神を○しちゃいますね…?(?) まぁ、出来てはないんだけど… 次回も楽しみに待ってるね!!!!
叶恵ばあちゃん!!!クソ強ばあちゃん!!!大好き!!!!() 神様が嫌いな理由ってこれだったのか…志那都…嫁にするにしても許可貰わんといけんぞ…()