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楓咲黒江

まさか・・妊娠してるなんて

楓咲絵里香

ごめんなさい・・・

楓咲黒江

どのくらいなの?

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

どのくらいなの?

楓咲絵里香

2ヶ月くらい・・

楓咲黒江

信じられない・・・

楓咲黒江

娘と体の関係に
なった事もそうだけど

楓咲黒江

まさか避妊してないだなんて

楓咲黒江

アナタは何を考えてるの?

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲黒江

アナタは知っていたの?

楓咲黒江

絵里香が妊娠していた事

楓咲乙彦

いや・・知らなかった

楓咲黒江

全く・・・

楓咲黒江

これで父親って言うんだから

楓咲黒江

空いた口が塞がらないわ

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲黒江

まぁ、だとしても
当然堕ろすわよね?

楓咲絵里香

え!?

楓咲黒江

何をおどろいてんのよ!

楓咲黒江

まさか育てるなんて事
言わないわよね?

楓咲絵里香

私・・・産みたい!

楓咲黒江

馬鹿言うんじゃないの!

楓咲黒江

アナタはまだ
中学2年生なのよ?

楓咲黒江

まだ発育が充分じゃない
アンタの幼い体で

楓咲黒江

出産したらどうなるか

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

母子共に健康に!
なんていかないかも
しれないのよ?

楓咲黒江

下手したらアナタが
死ぬかもしれないのよ?

楓咲絵里香

死ぬ・・・

楓咲黒江

当たり前よ!

楓咲黒江

出産は母体に
大きいダメージがあるの!

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

出産を簡単に
考えてるならやめなさい!

楓咲黒江

第一、生まれた子供は
誰が育てるの?

楓咲絵里香

それは・・・

楓咲黒江

私は嫌よ?

楓咲黒江

当たり前よね?
私の子供じゃないし

楓咲黒江

ソイツと二人で
育てなさいよ?

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲黒江

まぁ、育児なんて
私に任せっきりだった
ソイツに

楓咲黒江

育児ができるかは
甚だ疑問だけどね

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

あなた一人で
育て上げる自信があるなら

楓咲黒江

出産でもなんでも
勝手にすればいいわ!

楓咲黒江

私は関係ないから

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

というかアナタは
どうなのよ?

楓咲乙彦

いや・・・

楓咲黒江

いや、じゃないでしょ?

楓咲黒江

これは絵里香だけの
問題じゃないわ

楓咲黒江

そもそもアナタが
絵里香を受け入れて

楓咲黒江

避妊しなかったから
こうなったんじゃない!

楓咲乙彦

俺は・・・

楓咲絵里香

(お父さん・・・)

父の口から発せられた言葉は 絵里香の期待していた言葉では無かった

楓咲乙彦

堕して欲しい・・・

楓咲絵里香

!!!!!!

楓咲絵里香

何・・言ってんの?

楓咲絵里香

冗談だよね?お父さん

楓咲絵里香

私・・・

楓咲黒江

絵里香・・・

楓咲黒江

男なんて所詮
こんなもんって事よ

楓咲黒江

自分の体裁を
守ることしか脳がない
馬鹿なのよ

楓咲絵里香

そんな事ない!

楓咲黒江

理想を語る前に
目の前の現実を見なさい

楓咲絵里香

そんな事ないよね?
お父さん・・・

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲絵里香

私・・産んでもいいよね?

楓咲絵里香

二人で育ててくれるよね?

楓咲乙彦

俺には・・・無理だ

楓咲絵里香

そ・・そんな・・・

楓咲黒江

ほら!見なさい!

楓咲黒江

まぁ、社会勉強だと思って
大人しく堕ろす事ね

楓咲黒江

こんなヤツ信じた
アンタが馬鹿なのよ

楓咲絵里香

いやだ!私産むから!

楓咲絵里香

絶対に産むから!

楓咲黒江

だったら一人で
育てれるの?

楓咲絵里香

それは・・・

楓咲黒江

私は当然協力しないし

楓咲黒江

こいつも役に立たない

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲黒江

こんな状況で
どうやって赤ちゃんを
育てるつもりなの?

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲黒江

それに出産費用は?

楓咲黒江

誰が出すの?

楓咲絵里香

そ・・それは・・・

楓咲黒江

無理よ!諦めなさい!

楓咲絵里香

嫌だ!絶対に嫌だ!

楓咲絵里香

せっかく・・せっかく

楓咲絵里香

私のお腹の中に
赤ちゃんが居るんだもん!

楓咲絵里香

それをみすみす
殺すなんて出来ない!

楓咲黒江

だったらなんで
軽はずみにコイツと
エ○チなんてするの!

楓咲黒江

これはアンタの
認識の甘さが
招いた結果でしょ!

楓咲絵里香

うるさい・・・

楓咲黒江

なんですって?

楓咲絵里香

うるさい!うるさい!

楓咲絵里香

誰がなんと言おうと
私は産むから!

楓咲絵里香

邪魔しないで!

絵里香は涙を流しながら 家を飛び出す

楓咲乙彦

絵里香!

楓咲黒江

放っておきなさい!

楓咲乙彦

し・・しかし・・・

楓咲黒江

どうせ行く当てなんて
どこにもないんだから

楓咲黒江

すぐ戻ってくるわよ

楓咲乙彦

心配じゃないのか?

楓咲乙彦

それでも──

楓咲黒江

それでも母親か?
とでも言うつもり?

楓咲乙彦

い・・いや・・・

楓咲黒江

娘にタネ付けしたヤツに
言われたくないわね

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲黒江

まぁ、そもそも
私はもう、絵里香の
母親のつもりはないし

楓咲黒江

私には関係ないわ

楓咲乙彦

・・・・・

楓咲絵里香

(バカ・・・)

楓咲絵里香

(みんなバカ・・・)

楓咲絵里香

(私は絶対産むから!)

楓咲絵里香

(新しい命を
無駄になんてしたくない)

楓咲絵里香

(絶対に嫌だ・・・)

その時、絵里香は、道端に 転がっている空き缶を踏んでしまい

その場で派手に転倒してしまう

楓咲絵里香

きゃぁ!

楓咲絵里香

いった・・・

鮎原透

大丈夫か?

楓咲絵里香

(あっ・・・)

楓咲絵里香

(この人って確か
同じ中学の先輩・・・)

鮎原透が鮎屋社長である 鮎原拓郎の息子だと言う事は

霞北中に通う生徒の中では 有名な話だった為

鮎原透を知る生徒は大勢居た

鮎原透

おい!聞いてんのか?

鮎原透

大丈夫かって聞いてんだ!

楓咲絵里香

あ、は、はい・・・

絵里香は立ちあがろうとするが

楓咲絵里香

いったっ・・・

擦り傷が思いの外深く 思ったように立ち上がれない

鮎原透

大丈夫じゃねー
じゃねーか!

楓咲絵里香

す、すいません・・・

鮎原透

ったく、ホラ

透は絵里香に手を差し出す

楓咲絵里香

あ、ありがとうございます

鮎原透

歩けるか?

楓咲絵里香

む、無理かもしれません

鮎原透

ったく面倒くせぇーな

鮎原透

家はこの辺か?

楓咲絵里香

(家・・・)

鮎原透

聞いてんのか?

楓咲絵里香

あのっ!!

絵里香は透に抱きつく

鮎原透

あ?なんだ?

楓咲絵里香

私・・家出してきたんです

鮎原透

はぁ?家出だぁ?

楓咲絵里香

は、はい・・・

鮎原透

さらに面倒くせーなお前

楓咲絵里香

すいません・・・

楓咲絵里香

だから行く当てがなくって・・

鮎原透

だから?

楓咲絵里香

お兄さん・・・
鮎原透さんですよね?

鮎原透

はぁ?なんで俺の
名前を知ってんだ?

鮎原透

俺はお前なんて
知らねーぞ?

楓咲絵里香

私・・霞北中に
通ってるんです

鮎原透

だから?

楓咲絵里香

確か鮎原さんって
鮎屋の社長さんの
息子なんですよね?

鮎原透

だったらなんだ?

楓咲絵里香

噂で聞いたんですけど
マンションで
一人暮らしなんですよね?

鮎原透

お前には関係ねーよ

鮎原透

まぁ、大丈夫そうだし
俺は行くわ!じゃーな

透は絵里香の言葉に 聞く耳を持たない様子で 歩みを進める

楓咲絵里香

待ってください!

絵里香は透の体にしがみつく

鮎原透

しつけーぞ!お前!

鮎原透

うざってーんだよ!

楓咲絵里香

(こいつ・・・)

楓咲絵里香

(女癖が悪いって
評判だから・・・)

楓咲絵里香

(うまく取り入る事が
出来れば・・・)

楓咲絵里香

お願いします・・・

楓咲絵里香

一晩だけでいいんです

楓咲絵里香

私を・・泊めて
くれませんか?

鮎原透

なんで今さっき
会ったばっかの女を

鮎原透

俺が泊めなきゃ
なんねーんだよ!

楓咲絵里香

お願いします・・・

絵里香は涙を流しながら懇願する

鮎原透

(面倒くせーな・・・)

鮎原透

はぁ〜・・・

鮎原透

ったく、ウザってーな

鮎原透

本当に一晩だけだぞ?

楓咲絵里香

え?いいんですか?

鮎原透

まぁ、本当は嫌だけどな

鮎原透

あんまりうるせーからな

鮎原透

まぁ、仕方ねーから
一晩だけ泊めてやる

鮎原透

通報とかされたりしたら
面倒くせーからな

楓咲絵里香

ありがとうございます

その後、透が捕まえた タクシーに乗り込み

透が暮らすマンションへ向かう

楓咲絵里香

おっきい部屋ですね

楓咲絵里香

本当にこんな部屋に
一人で住んでるんですか?

鮎原透

もともとは家族で
住んでたんだけどな

鮎原透

母さんが病気で
死んじまった後は

鮎原透

親父も職場に
入り浸ってっから

鮎原透

今は俺専用の部屋
みたいになってる

楓咲絵里香

あ、変な事
聞いちゃって
すいません

鮎原透

気にする事ねーよ

透はテーブルの上に置かれた タバコを手に取り ライダーで火をつける

鮎原透

ふぅー・・・

楓咲絵里香

タバコ吸うんですか?

鮎原透

煙は嫌いか?

鮎原透

嫌いなら帰っていいぞ?

楓咲絵里香

い、いえ、大丈夫です

しばらくの間 沈黙が流れる空間で ソファにすわる絵里香

すると、絵里香の 腹の虫が鳴り出した

楓咲絵里香

(あっ・・・)

絵里香は恥ずかしそうに 両手で腹を覆う

鮎原透

あ?なんだ?

鮎原透

腹減ってんのか?

楓咲絵里香

あ・・いや・・別に

鮎原透

腹減ってんなら
なんか頼むか?

楓咲絵里香

え?いいんですか?

鮎原透

まぁ、嫌々でも
一晩は泊めるって
約束したからな

鮎原透

飯くらい食わせてやるよ

鮎原透

金の事は心配すんな

楓咲絵里香

あ、ありがとうございます・・

鮎原透

テキトーに選べよ

透は、近所のピザ屋の チラシをテーブルの上に投げる

楓咲絵里香

は・・はい・・・

鮎原透

決まったら教えろ

楓咲絵里香

わ・・わかりました

しばらくの間、二人は 言葉を交わす事なく

宅配されてきたピザを 食べていた

楓咲絵里香

ぐずっ・・・

絵里香は涙を流す

鮎原透

なんだ?

楓咲絵里香

いや、なんでもないです

絵里香は服の裾で涙を拭う

鮎原透

いや、気になんだろ?

鮎原透

人の涙見ながら
飯食いたくねーんだよ

鮎原透

不味くなるだろ

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲絵里香

少し話しても大丈夫ですか?

鮎原透

ああ・・・

楓咲絵里香

私がにはお姉ちゃんが居て

楓咲絵里香

そのお姉ちゃんちゃんが

楓咲絵里香

その・・・

鮎原透

なんだ?

楓咲絵里香

お父さんと
エ○チしちゃって

鮎原透

はぁ?親父と?まじかよ?

楓咲絵里香

は・・はい・・・

鮎原透

漫画やドラマとかでしか
聞いた事ない話だな

鮎原透

実際にあんのかよ・・

楓咲絵里香

それでお姉ちゃんは
どうしても産みたいって

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

お姉ちゃん・・・

楓咲絵里香

お父さんの事・・・

楓咲絵里香

本当に愛してた
みたいなんです

鮎原透

「将来!パパと
結婚する!」

鮎原透

的な子供じみた
話じゃなくてか?

楓咲絵里香

はい・・・

鮎原透

ふー・・・ん

楓咲絵里香

しかも今日偶然に
お母さんに

楓咲絵里香

お姉ちゃんとお父さんが
エ○チしてるところを
見られちゃったみたいで

鮎原透

そりゃまた・・
タイミングが悪かったな

楓咲絵里香

お母さんは離婚したいみたいで

鮎原透

まぁ、だろうな・・・

楓咲絵里香

でもお姉ちゃんは
それでも産みたい気持ちは
変わらないみたいで

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

そしたらお母さん・・・

楓咲絵里香

仮に生まれたとしても
その子供の面倒は
誰が見るの?って・・

楓咲絵里香

当然お母さんは
嫌らしくて・・・

鮎原透

そりゃそうだろうな

鮎原透

旦那と娘との
間にできた子供の
面倒を見るって

鮎原透

母親からしたら
地獄だろうからな

楓咲絵里香

しかもお父さんまで
堕して欲しいって・・

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

私・・そんな家族が
嫌になっちゃって・・

鮎原透

家出しちまった
って訳か・・・

楓咲絵里香

すいません・・・

楓咲絵里香

こんな話・・・

鮎原透

まぁ、そういう理由じゃ
仕方ねーわな

楓咲絵里香

だから・・・

楓咲絵里香

鮎原さんに
優しくしてもらって

楓咲絵里香

嬉しくって・・つい
泣いちゃって・・

楓咲絵里香

ごめんなさい・・・

鮎原透

・・・・・

鮎原透

そんなに家に
帰りたくねーのか?

楓咲絵里香

は・・はい・・・

鮎原透

ならしばらく
ウチに居りゃいい

楓咲絵里香

え!?いいんですか?

鮎原透

まぁ、親父も
帰ってこねーし

鮎原透

大丈夫だよ・・・

楓咲絵里香

ありがとうございます・・

絵里香は涙を流しながら 何度も頭を下げる

鮎原透

まぁ、とりあえず
今日のところは寝ちまえ

鮎原透

今後のことは後から
考えればいい

楓咲絵里香

ありがとうございます

透は絵里香を 寝室へ案内する

鮎原透

ここは昔
母さんと親父が
使ってた部屋だ

鮎原透

自由に使っていい

楓咲絵里香

ありがとうございます

鮎原透

じゃあな

透は寝室を後にしようとする

楓咲絵里香

あ、あの!

そんな透を 絵里香が呼び止める

鮎原透

どうかしたか?

楓咲絵里香

あの、鮎原さんは?

鮎原透

俺か?

鮎原透

俺にゃ自分の
部屋があるからな

楓咲絵里香

一緒に寝てくれませんか?

鮎原透

はぁ?一緒に?

楓咲絵里香

一人は寂しいんです

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

誰かと一緒に居たいんです

楓咲絵里香

だめですか?

鮎原透

・・・・・・

鮎原透

わかったよ・・・

楓咲絵里香

いいんですか!?

鮎原透

まぁ、今晩だけだからな

楓咲絵里香

ありがとうございます

鮎原透

まぁ、俺はちょっと
風呂入ってくるからよ

鮎原透

ゆっくりしてろ

楓咲絵里香

は・・はい・・・

鮎原透

じゃあな・・・

透は寝室を出て 浴室に向かう

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲絵里香

(うまく行った・・・)

楓咲絵里香

(まさか偶然にも
噂の鮎原透に
出くわすなんて・・)

楓咲絵里香

(あいつの父親は確か
あの鮎屋の社長・・)

楓咲絵里香

(これは間違いなく神様が
赤ちゃんを堕ろさず産めって)

楓咲絵里香

(そう言ってくれてるんだよ)

楓咲絵里香

(そうに違いない!)

楓咲絵里香

(鮎原にうまく取り行って)

楓咲絵里香

(体の関係に持ち込めれば)

楓咲絵里香

(このお腹の中の赤ちゃんは)

楓咲絵里香

(鮎原と私の赤ちゃんだと
誤魔化す事ができる)

楓咲絵里香

(鮎原がこの赤ちゃんを
認知するんなら
それはそれで構わない)

楓咲絵里香

(けど逆に認知しなかったら)

楓咲絵里香

(駄々を捏ねて
あいつの父親から)

楓咲絵里香

(金をせびればいい)

楓咲絵里香

(そうすれば
出産費用が手に入る)

楓咲絵里香

(あわよくば赤ちゃんを
十分に育てれるだけの
金が手に入るかも)

楓咲絵里香

(そうなれば
お父さんやお母さんだって)

楓咲絵里香

(納得するはず)

楓咲絵里香

(認めざるを得ないでしょ)

楓咲絵里香

(私はどんな事をしてでも)

楓咲絵里香

(愛したお父さんとの
間にできた赤ちゃん──)

楓咲絵里香

(産んでやるんだから!!)

しばらくして 風呂上がりの透が 寝室に入ってきた

鮎原透

よう!

楓咲絵里香

あ、鮎原さん・・

鮎原透

お前も入ったらどうだ?

楓咲絵里香

え?

鮎原透

いや、風呂だよ風呂

鮎原透

さっぱりすんぞ?

楓咲絵里香

(まぁ、お風呂に
入ってからの方が)

楓咲絵里香

(体の関係に
持ち込みやすいか)

楓咲絵里香

そ、そうですね

楓咲絵里香

じゃ、じゃあお言葉に甘えて

鮎原透

風呂はリビングから出て
すぐだからわよ

鮎原透

まぁ、行けばすぐに
わかると思う

楓咲絵里香

わ、わかりました・・

楓咲絵里香

な、ならお風呂に
入ってきます

鮎原透

ああ・・・

絵里香は透に言われるがまま 浴室にへ向かう

楓咲絵里香

(・・・・・)

絵里香が風呂川上がり 寝室に入ると

鮎原透

おお!戻ったか

ベットに横たわり スマホをいじっている 透が語りかける

楓咲絵里香

は・・はい・・

楓咲絵里香

お風呂・・・
ありがとうございました

鮎原透

あ、別に礼なんて
いらねーよ

楓咲絵里香

あの・・・

鮎原透

ん?なんだ?

楓咲絵里香

(仕掛けるか・・・)

楓咲絵里香

鮎原さんって

楓咲絵里香

私の事・・抱けますか?

鮎原透

はぁ?

鮎原透

何言ってんだ?お前

楓咲絵里香

真面目な話なんです・・

楓咲絵里香

抱けますか?

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

抱けませんか?

鮎原透

まぁ、別に抱けねー
事はねーけど・・・

楓咲絵里香

じゃあ・・抱いてください

鮎原透

はぁ?今からか?

楓咲絵里香

はい・・・

鮎原透

悪いけど今は
気分じゃねーよ

鮎原透

日を改めてくれ

楓咲絵里香

なら抱けない
って事ですか?

鮎原透

そういう意味じゃねー

鮎原透

ただ今は気分が
乗らねーだけだ

楓咲絵里香

じゃあ、そういう
気分になれば

楓咲絵里香

抱いてくれる
って事でいいんですか?

鮎原透

・・・・・

楓咲絵里香

どうなんですか?

鮎原透

(面倒臭せーな・・こいつ)

鮎原透

まぁ、お前が俺を
気分にできたらな

楓咲絵里香

なら、失礼します・・

絵里香はベットに登り 透のズボンを下ろす

鮎原透

マジでやる気か?

楓咲絵里香

はい!

楓咲絵里香

だってさっき
言いましたよね?

鮎原透

ま、まぁ・・・

鮎原透

そりゃ、言ったけど

鮎原透

マジでやるとは──

透の言葉を遮るように 絵里香は透のパンツを下ろす

鮎原透

(マジでやんのか?
この女・・・)

絵里香は透の陰部を口に含む

鮎原透

(・・・・・)

鮎原透

(こいつ・・・)

鮎原透

(初めてじゃねーな)

鮎原透

(結構手慣れてやがる)

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲絵里香

(フ○ラなら
何回もお父さんにしてるから)

鮎原透

(やばい・・・)

鮎原透

(このままだと
マジでイきそう・・)

鮎原透

あー!辞めだ!辞めだ!

透は絵里香を突き放す

楓咲絵里香

なんでですか?
約束しましたよね?

鮎原透

約束なんてしてねーよ

鮎原透

俺はお前を抱けない事は
ねーつっただけだ

楓咲絵里香

怖いんですよね?

鮎原透

はぁ?

楓咲絵里香

私に気分にされるのが
怖いから逃げたいんですよね?

鮎原透

なんでそういう話になんだ?

楓咲絵里香

だったら──

鮎原透

ああ!わかったよ!

鮎原透

やりゃいいんだろ?

鮎原透

やりゃ!

透は絵里香に覆い被さる

楓咲絵里香

・・・・・

鮎原透

後悔しても知らねーぞ?

楓咲絵里香

後悔なんてしません

鮎原透

わかったよ・・・

透は乱雑に 絵里香の衣服を脱がせる

そして、ベット脇にある チェストから避妊具を取り出す

楓咲絵里香

待って!

絵里香はチェストに伸びる 透の腕を掴む

鮎原透

あ?なんだよ

楓咲絵里香

避妊しないでください

鮎原透

はぁ?バカか?

鮎原透

んなのお断りだ

楓咲絵里香

ピル飲んでますから
大丈夫です

鮎原透

んなの信用しろってか?

楓咲絵里香

本当です!飲んでます!

楓咲絵里香

だから大丈夫なんです!

鮎原透

嫌だね!お断りだ

鮎原透

面倒はごめんだからな

楓咲絵里香

・・・・・

楓咲絵里香

(まぁ、いいか・・・)

楓咲絵里香

(実際に鮎原とした!
って事実があれば)

楓咲絵里香

(後から事実を
捻じ曲げようと思えば)

楓咲絵里香

(どうにでもなるし)

鮎原透

そういう事なら俺は──

楓咲絵里香

わかりました・・・

楓咲絵里香

ゴム有りでいいので
抱いてください・・

鮎原透

・・・・・

その夜、透と絵里香は 薄暗い間接照明に 照らされた寝室で交わった

翌日

鮎原透

う、うー・・・ん

透はカーテンの隙間から差し込む 強烈な朝日で目を覚ました

鮎原透

うん?あいつは?

透はまだ開ききっていない瞼を 指で擦りながら室内を見渡す

しかしそこには 絵里香の姿はなかった

鮎原透

帰ったのか?

鮎原透

まぁ、いいっか・・・

鮎原透

俺には関係ねーし

透がチェストの上に置いた タバコとライターを取ろうと 手を伸ばすと

鮎原透

ん?なんだ?これ・・・

チェストの上に 置き手紙があるのに気づく

鮎原透

手紙?

鮎原透

絵里香って
昨日のやつか・・・

鮎原透

やっぱ帰ってたんだな・・

鮎原透

てか、楓に咲くって
なんて読むんだ?

鮎原透

まぁ、いいっか・・・

透は気だるそうに タバコを咥えてライターで火をつける

鮎原透

ふぅ〜・・・

鮎原透

たまには学校
行ってみるか・・・

一方楓咲家では 朝帰りした絵里香に 乙彦が説教をしていた

楓咲乙彦

中学が朝帰りなんて
していいと思ってるのか?

楓咲絵里香

ごめんなさい・・・

楓咲乙彦

まぁ、無事だったんなら良い

楓咲絵里香

お父さん──

楓咲絵里香

実はね──

楓咲乙彦

とりあえず
早く学校に行きなさい!

楓咲乙彦

遅刻するぞ

楓咲絵里香

だからお父さん──

楓咲絵里香

お腹の赤ちゃんの話を──

楓咲乙彦

またその話か・・・

楓咲乙彦

まぁ、その話は
後からじっくり聞く

楓咲乙彦

とりあえず今は
学校に行きなさい!

楓咲絵里香

は、はい・・・

楓咲絵里香

分かった・・・

楓咲乙彦

俺は今日は仕事で遅くなる

楓咲乙彦

夕飯は適当に
デリバリーでもしなさい

楓咲絵里香

あの、お母さんは?

部屋を見渡すが 黒江の姿が見当たらない

楓咲乙彦

お母さんさんなら居ない

楓咲乙彦

当分は実家に帰るそうだ

楓咲絵里香

そっか・・・

楓咲乙彦

ほら!ぼさっとしないで
学校に行きなさい!

楓咲絵里香

は、はい・・・

クラスメイト

お!珍しい!

クラスメイト

鮎原が学校来てるよ

鮎原透

まぁ、たまにな・・・

クラスメイト

どういう風の
吹き回しだよ

クラスメイト

しかも遅刻しねーなんて

鮎原透

気まぐれだよ

鮎原透

ただの気まぐれ

クラスメイト

鮎原くん?

鮎原透

ん?どうした?

クラスメイト

なんか鮎原くんを
呼んでくれって子が
来てるんだけど

鮎原透

はぁ?俺を?

楓咲絵里香

鮎原さん・・・

絵里香がドアから 顔を覗かせる

鮎原透

あ、あぁ・・お前か

楓咲絵里香

やっぱ手紙だけじゃなくて

楓咲絵里香

直接お礼を言いたくって

鮎原透

別に気にする事ねー
っていったろ?

楓咲絵里香

は、はい・・・

鮎原透

それよりもうすぐ
予鈴鳴っちまうぞ

楓咲絵里香

あ、そうですね

楓咲絵里香

じゃあ、失礼します・・・

鮎原透

おう・・・

絵里香が去った後の教室では 透がクラスメイトからの 質問攻めにあっていた

クラスメイト

おい!おい!誰だよ!
あの可愛い子!

鮎原透

別に何でもねーよ

クラスメイト

いや!いや!

クラスメイト

お礼って
言ってたじゃねーか

クラスメイト

まさか!ヤったの?

鮎原透

別にお前にゃ
関係ねー話だよ

クラスメイト

くぅー!ずるい!

クラスメイト

何でお前ばっか
女とヤれるんだよ!

クラスメイト

てか女紹介しやがれ

鮎原透

嫌だね!お断りだ

鮎原透

てめーの女は
てめーで探しやがれ

クラスメイト

けっ!つれねーな・・・

それからしばらく透と絵里香は 学校ですれ違ったら 挨拶をするだけの関係が続いた

その関係が大きく変わったのは それからしばらくしての事だった

お節介アゲハと弱虫ヒナタ〜アルメリア〜

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