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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

高園

ゆらゆらさんとお話?

高園

ってどういうこと?

芝岸

ゆらゆらさんは私達を連れ去るために

芝岸

私達をずーっと見張っているんだって

芝岸

だから、ゆらゆらさんに聞けば、色んなことが知れるらしいよ!

高園

お話ってそういうことなのね

芝岸

うん、そゆこと!

芝岸

しかもねぇー

芝岸

やり方は超簡単!

高園

そうなの?

芝岸

まず、大きな鏡の前に行くの

芝岸

そしたら、赤いペンかなにかで、その鏡に大きな円を描く

芝岸

最後に、ゆらゆらさんって10回唱えると…

芝岸

ゆらゆらさんが鏡の中に姿を表し、なんでも質問に答えてくれちゃいます!

高園

へぇ、そんな情報があったんだ

高園

毎度のことながら、芝ちゃんの情報収集能力には驚かされるなぁ〜

芝岸

でさぁ…

芝岸

今日、実行しようと思うんだ!

高園

え?

芝岸

ゆらゆらさんを呼ぼうと思う!

高園

ちょっと、本気でするつもりなの?

芝岸

うん!!

芝岸

うちの学校の1階のトイレ、大きな鏡があるじゃん

芝岸

そこで今日二人でこの儀式をしようよ!

高園

し、侵入するつもりなの?

芝岸

実はもう日直に頼んで、

芝岸

私たちの教室の1番南の窓だけ鍵開けといてもらったんだ!

高園

やめた方がいいよ絶対!

高園

見つかったら大変だし💦

高園

見つからなくっても、なんか危ないじゃん?そういうの…

高園の脳裏によぎった先程の奇妙な体験

そのせいもあって、高園はどうしても芝岸を止めたかった。

芝岸

大丈夫だって!

高園

流石にやめとこうよ(´・_・`)💦

芝岸

でも色んなことが知れるんだよ?

高園

で、でも怖いじゃん…

芝岸

そっかぁー

芝岸

まぁ、私も怖いのは分かる笑

芝岸

でも、思い立ったが吉日!

芝岸

ちょっと行ってくる!!

高園

えぇ!?

高園

駄目だってー!!

高園

芝ちゃん!

高園

あれから数分。

高園が握るスマホには先程のトーク画面が残されたままだった。

高園

芝ちゃんがあんな急にゆらゆらさんに夢中になるなんて…。

高園

…大丈夫かなぁ。

高園

………

高園

…電話してみようかな。

高園

電話のベルが無機質に鳴り響く。

高園

と、不意にそのベルの音が途切れ、

歩く音、そして

芝岸

もしもーし高園ちゃん?

聞き慣れた返答が返ってきた。

高園

し、芝ちゃんもう高校に向かってるの?

芝岸

うん、さっき家出たとこ。

高園

ねぇ、本当にやめた方が良いって…。

芝岸

んも〜大丈夫だよ。

芝岸

今から高園ちゃんも来る?

芝岸

2人の方が楽しいし来なよ!

高園

だーかーらぁー!

芝岸

ふふっ、分かったよー。

高園

…?

芝岸

一人でやるって

高園

芝ちゃんってばもぉー!

芝岸

あ、そうだ

ふと、芝岸が閃いて言った。

芝岸

電話で様子聞いててよ。

高園

えぇ?

高園

私はまだ不法侵入の上、怪しい儀式やるって事許してないんだけど?

芝岸

そ、それは悪いとは思ってるよ…?

高園

………。

高園

…でももう何言っても聞かないわね、これは。

高園

しょうがないわね…

高園

これが私が聞いた最後の芝ちゃんの声にならないようにしてよね。

高園は乗り気ではなかったものの、芝岸の様子がすぐ伺えることもあり、電話で見守ることとなった。

………

………………

高園

……のことは私もちょっとわかる!

芝岸

でしょー?

他愛もないいつもの会話。

それは、高園の電話の向こうの足音と同時に止まった。

高園

…あ、着いた?

芝岸

うん!

芝岸

じゃぁ〜

芝岸

早速はいっていきまーす!

高園

……。

芝岸が例の窓を開く音が、今スマホの向こうで起こっていることの現実味を帯びさせる。

高園は少し後悔していた。

やっぱり、自分も高校に押しかけて無理にでもやめさせるくらいすればよかったかなと。

芝岸

うわぁ〜、ものすごい…暗いなぁ。

芝岸

雰囲気でてる…。

高園

真夜中の学校であの大きな鏡覗くなんて、私絶対無理…。

高園

そういえば、ビデオ通話にしないの?

芝岸

あー、私の携帯、最近ビデオにするとすぐ通信悪くなるんだ…。

高園

肝心なものがわかんないじゃないの…。

芝岸

まぁまぁ

芝岸

あ、もうすぐ着くよ〜!

静寂の中反響した彼女の声。

それは、スマホの向こうの、音さえ飲み込むような闇が広がっている廊下を高園に容易に想像させた。

芝岸

着いたよ!

芝岸

この後は赤いペンで鏡に円を描くんだけど…

高園

ペンって、消えないと大変じゃない?

芝岸

そう思って、ちゃんと水性にしたよ

高園

用意周到ね…。

ペン先の擦れる音の後

芝岸

なかなか上手くかけた!

芝岸

よーしっ、唱えますか!

高園

…ほんとにやるのね…。

微かな呼吸音、そして…

「ゆらゆらさんゆらゆらさん」

高園

…。

声は反響し、闇を揺らした。

「ゆらゆらさん、ゆらゆらさん、ゆらゆらさん」

高園

(あと5回。)

「ゆらゆらさんゆらゆらさん」

「ゆらゆらさん、ゆらゆらさん。」

高園

(…)

芝岸

ゆらゆらさん。

芝岸

…。

高園

…。

芝岸

なんにも…起こんないよ?

緊張した場を破った芝岸の気の抜けた声に高園は安堵した。

高園

…大丈夫?

が、次の瞬間。

芝岸

え……

芝岸

…………………。

高園

芝ちゃん…?

芝岸

いやあああああああ!!!

悲鳴、急に乱れだした通話音に高園の鼓動が早くなる。

高園

芝ちゃん!?

高園

逃げて芝ちゃん!!!

聞こえてきたのは荒い息遣い、そして

着々と芝岸に近づいてくるなにかのうめき声だった。

影 -ゆらゆらさん-

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コメント

2

ユーザー

うちだったら行かないかな〜、まぁ会談ってやってみたくなるけどね〜w

ユーザー

あー!!いやいやいやぁ!!逃げてぇええええ!!あかん好奇心でやるなぁ!!好奇心は猫をも☆☆☆んやでぇぇえええええ〜!!

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