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それから数日間

凛太郎、龍也、奏星の3人は 昼食時間をを保健室で 共にする日々が続いた

日向奏星

え?揚羽くんって
今一人暮らしなの?

揚羽凛太郎

ああ!母さんが
海外に出張中だからな

日向奏星

なら家の事は
自分一人でやってるの?

揚羽凛太郎

まぁな・・・

日向奏星

学校もあって
炊事洗濯までって

日向奏星

大変じゃない?

揚羽凛太郎

やっぱ女の子は
違うなぁ

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

な?龍也!

和久井龍也

うるせーよ!

日向奏星

何の話?

揚羽凛太郎

いや、こっちの話!

日向奏星

そっか・・・

揚羽凛太郎

なんか落ち込んでない?

日向奏星

なんか二人だけの秘密って
いいなぁ・・なんて

揚羽凛太郎

いや、これは
女の子を前にして
話せる話じゃないし

日向奏星

どんな話?

揚羽凛太郎

うー・・・ん

揚羽凛太郎

どうしても聞きたいなら
話すけどさ

揚羽凛太郎

引かないでよ?

日向奏星

う、うん・・・

揚羽凛太郎

俺が一人暮らしだって
知ったときに

揚羽凛太郎

日向はすぐに
炊事洗濯の話をしたろ?

日向奏星

うん・・・

揚羽凛太郎

でも龍也はすぐに・・

揚羽凛太郎

なんというか、その

揚羽凛太郎

エ○チなビデオ
見放題じゃん!的な・・

日向奏星

あっ!そういう事か・・

揚羽凛太郎

なんか変な空気になったね

揚羽凛太郎

ごめん・・・

日向奏星

いや、なんか
私こそごめん・・

揚羽凛太郎

ホラ!龍也のせいだかんな!

和久井龍也

なんで俺なんだよ!

和久井龍也

俺に話振るから
こうなったんだろーが!

和久井龍也

悪いのはリンだよ!

揚羽凛太郎

はぁ?なんで俺なんだよ!

日向奏星

ふふふ・・・

揚羽凛太郎

ん!どうした?

日向奏星

なんか、仲がいい
友達って感じだね♫

和久井龍也

そ、そうかぁ?

揚羽凛太郎

ただの腐れ縁だよ

姫川美咲

あいつ・・・

姫川美咲

揚羽くんと
あんなに楽しそうに・・

姫川美咲

許せない!

取り巻きA

もう!やっちゃいましょうよ

姫川美咲

まだよ・・・

姫川美咲

明後日になれば
常盤が出張に行く
話になってるから

姫川美咲

やるなら明後日!

取り巻きB

明後日かぁ

取り巻きB

今から楽しみですね

姫川美咲

ふふふ・・・

姫川美咲

せいぜい束の間の
平穏を味わってなさい!

姫川美咲

すぐに地獄見せてあげるから!

常盤小雪

あなたたち!

常盤小雪

そこで何やってるの?

姫川美咲

やばっ!常盤だ!

美咲は小雪に見つかると 取り巻きを連れて その場から逃げ出す

常盤小雪

ちょっと!待ちなさい!

常盤小雪

もぅ!

常盤小雪

(明後日の出張の日に
何も起きなければ
いいんだけど・・・)

常盤小雪

あっ!そうだ!

常盤小雪

揚羽くんなら!

揚羽凛太郎

今日も手作り弁当かぁ

揚羽凛太郎

いやぁ、感心するよ

日向奏星

まぁ、私は
炊事洗濯はママに
やってもらってるし

日向奏星

私は揚羽くんを
尊敬するよ

日向奏星

私だったら
とてもじゃないけど

日向奏星

ひとりでなんて
やってけないから

揚羽凛太郎

そ、そうかなぁ?

和久井龍也

露骨に鼻の下伸ばすな

和久井龍也

日向!あんまり
甘やかしちゃダメだかんな?

和久井龍也

こいつすぐに
調子に乗るんだから!

揚羽凛太郎

なんだよ!
その言い方っ!

日向奏星

ふふふ

ガラガラ

常盤小雪

揚羽くん!居るかな?

揚羽凛太郎

あっ!先生!

揚羽凛太郎

どうしたんスか?

常盤小雪

ごめんねお昼中に!

常盤小雪

ちょっと今
時間あるかしら?

揚羽凛太郎

別にいいっスけど

常盤小雪

ちょっと来てくれる?

揚羽凛太郎

あ、はい!

揚羽凛太郎

悪いな!
ちょっと行ってくる

和久井龍也

なんだ?

日向奏星

何かあったのかな?

和久井龍也

さぁ・・・

常盤小雪

ごめんね揚羽くん

揚羽凛太郎

どうしたんスか?

常盤小雪

実はね、私、明後日出張に
行かなきゃならないのよ

揚羽凛太郎

ああ、言ってましたね

揚羽凛太郎

確か研修なんでしたっけ?

常盤小雪

うん・・・

常盤小雪

そうなんだけど

揚羽凛太郎

何かあったんスか?

揚羽凛太郎

本当は行きたくないとか?

常盤小雪

ううん。そうじゃなくて

常盤小雪

姫川さんが心配でね・・

揚羽凛太郎

姫川?

揚羽凛太郎

姫川がどうかしたんスか?

常盤小雪

日向さんが以前
姫川さんから
いじめを受けてた話は
知ってるかしら?

揚羽凛太郎

まぁ、龍也から聞いて
大体は知ってます

常盤小雪

実はその姫川さんの
様子がおかしいのよ

揚羽凛太郎

おかしい?

常盤小雪

もしかしたら
私が出張に行ってる間に

常盤小雪

また日向さんを
いじめようと
してるんじゃないかって

揚羽凛太郎

え?日向を?

常盤小雪

まぁ、私の考えすぎかも
知れないんだけど

常盤小雪

最近やたらと
保健室の周りで
姫川さんを見かけるし

常盤小雪

ちょっと心配で・・・

揚羽凛太郎

でも、なんで俺に
そんな話を?

常盤小雪

揚羽くんって日向さんを
気にかけてくれてるでしょ?

揚羽凛太郎

まぁ、クラスメイト
ですからね・・・

常盤小雪

だから私が出張に
行ってる間に

常盤小雪

日向さんと姫川さんを
注意深く見てあげてほしいのよ

常盤小雪

他の先生に言っても
考えすぎって言われるだけで

常盤小雪

こんな事、あなたにしか
頼めないのよ!

常盤小雪

ダメかしら?

揚羽凛太郎

そんな話なら
全然OKっスよ!

常盤小雪

本当に?ありがとう!
助かるわ!

揚羽凛太郎

ようは日向と姫川が
接触しないようにすれば
いいって話っスよね?

常盤小雪

そうね。それが出来るなら
それが一番ベストね!

揚羽凛太郎

任せてくださいよ!

揚羽凛太郎

日向を護ってみせますから!

常盤小雪

ありがとう!

常盤小雪

出張から帰ってきたら
お礼をさせてもらうから

揚羽凛太郎

いや、いいっスよ!

揚羽凛太郎

女の子を護るのは
男の役目っスから!

揚羽凛太郎

まぁ、任せてくださいよ!

常盤小雪

頼んだわよ!

揚羽凛太郎

はいっ!

ガラガラ

和久井龍也

あ!帰ってきた

揚羽凛太郎

よぅ!

和久井龍也

なんの話だったんだ?

揚羽凛太郎

あ、いや、あれだよ

揚羽凛太郎

家の話だよ!家の話!

和久井龍也

(ん?)

日向奏星

家の話?

揚羽凛太郎

ほら!日向には
さっき話したろ?

揚羽凛太郎

母さんが海外に
出張中だって!

日向奏星

うん・・・

揚羽凛太郎

母さんの帰国予定とか
決まったのか?って
聞かれたんだよ

揚羽凛太郎

たぶん一人暮らしな事を
気にかけてくれてんだよ!

揚羽凛太郎

まぁ、まだ未定
だって話たけどな

日向奏星

ああ!そういう話か!

揚羽凛太郎

そういう事!

キーンコーン

カーンコーン

揚羽凛太郎

あっ!もう終わりか!

揚羽凛太郎

いやぁ楽しい時間は
あっという間だなぁ

日向奏星

そうだね・・・

揚羽凛太郎

じゃあ!日向!
午後からも頑張ろうな!

日向奏星

うん!みんなも
頑張ってね!

揚羽凛太郎

おぅ!

和久井龍也

・・・・・

和久井龍也

おい!リン!

揚羽凛太郎

ん?なんだ?

和久井龍也

お前・・嘘ついてるだろ?

揚羽凛太郎

はぁ?嘘?

揚羽凛太郎

何だよ!嘘って!

和久井龍也

常盤先生の話だ!

和久井龍也

あの話嘘だろ?

揚羽凛太郎

い、いや、別に・・・

和久井龍也

本当は何の話だったんだ?

揚羽凛太郎

相変わらず
鋭いヤツだなぁ

揚羽凛太郎

日向の話だよ!

和久井龍也

日向?

凛太郎は龍也に 小雪からされた話を 正直に打ち明けた

和久井龍也

なるほど・・・

揚羽凛太郎

さすがに日向の前で
話すわけにもなぁ

揚羽凛太郎

だから家の話だって
嘘ついたんだよ

和久井龍也

まぁ、そりゃそうだな

揚羽凛太郎

だから先生が
出張に行って間は

揚羽凛太郎

日向と姫川を
注意深く見とかねぇと

和久井龍也

なら俺は姫川を
見とくよ

揚羽凛太郎

え?

和久井龍也

さすがにリンひとりで
日向と姫川を見るのは
無理があるだろ?

揚羽凛太郎

協力してくれんのか?

和久井龍也

まぁ、話聞いちまったし

和久井龍也

放っとく訳にも
いかねぇしな

揚羽凛太郎

「お節介タツヤ」だな

和久井龍也

あ、もういいわ

和久井龍也

お前ひとりでやれ!

揚羽凛太郎

あ、ごめん!

和久井龍也

俺の協力と
お前のお節介を
一緒にすんな!

揚羽凛太郎

悪かったって!

常盤出張当日

常盤小雪

じゃあ揚羽くん

常盤小雪

頼んだわね!

揚羽凛太郎

はい!任せてくださいよ!

常盤小雪

和久井くんも
協力感謝するわ

和久井龍也

まぁ、ダチの為っスから

常盤小雪

ありがとう!

常盤小雪

なら私はもう行くわね

揚羽凛太郎

はい!

取り巻きA

姫川さん!

取り巻きA

常盤が出て行きましたよ!

姫川美咲

やっと行ったかぁ・・

取り巻きB

今すぐやります?

姫川美咲

いや、まだ・・・

姫川美咲

やるなら昼休みね!

取り巻きA

でも昼休み中だと
揚羽と和久井が居ますよ?

取り巻きB

最近あいつら
連んでるから

姫川美咲

私に作戦があるの

取り巻きA

作戦?

姫川美咲

あいつらを引き離す
とっておきの作戦!

取り巻きA

どんな作戦ですか?

姫川美咲

いい?

姫川美咲

まず──

昼休み

揚羽凛太郎

さぁ!売店寄ってから
保健室行くかぁ!

和久井龍也

しっかりな?

和久井龍也

俺は姫川を
見張っとくからさ!

揚羽凛太郎

ああ!頼むぜ!

取り巻きA

ねぇ・・和久井くん?

和久井龍也

ん?

和久井龍也

(確かこいつ・・・)

和久井龍也

(姫川の金魚の糞か)

和久井龍也

どうした?

取り巻きA

ちょっと
話したいことがあるの

取り巻きA

今から時間ない?

和久井龍也

今から?

和久井龍也

今からは無理だ!悪い!

取り巻きA

そ、そんなぁ・・・

取り巻きA

ぐすっ・・・

和久井龍也

はぁ?泣く要素あったか?

和久井龍也

俺はただ今時間が──

取り巻きB

あ!和久井くんが
女子泣かせてる!

和久井龍也

はぁ?なんだよ!

和久井龍也

コイツがひとりで
勝手に泣いてるだけだろ!

取り巻きA

ひどい・・・

肝月先生

何を騒いでる!

取り巻きB

あ!肝月(きもつき)先生!

取り巻きB

和久井くんが
女子を泣かしてます!

肝月先生

なに?

取り巻きA

ぐすっ・・・

肝月先生

和久井!お前は
何やってんだ!

和久井龍也

いや、だから俺は何も──

和久井龍也

あれ?姫川は?

龍也は教室を見回すが そこには美咲の姿はなかった

和久井龍也

(まずい!姫川を
見失っちまった!)

和久井龍也

(そうか!こいつら)

和久井龍也

(俺から姫川を
遠ざけるために!わざと!)

和久井龍也

クソっ!

龍也は美咲を追うべく 教室から出ようとする

しかし肝月が龍也の手を掴む

肝月先生

待て!まだ話は
終わってないぞ!

和久井龍也

そういう場合じゃ
ねぇんだって先生!

和久井龍也

こうやってる間にも
姫川が日向を──

肝月先生

何を訳の分からない
事を言ってるんだ!

和久井龍也

だから──

肝月先生

ちょっと
職員室に来なさい!

和久井龍也

ちょ!待ってくれってば!

取り巻きA

(ふふ・・うまく行った)

取り巻きB

(ざまぁ見ろ!和久井)

和久井龍也

(クソ!こいつら・・・)

和久井龍也

(悪い・・リン・・)

取り巻きA

(よし!姫川さんに
LIME送らなきゃ!)

取り巻きA

(和久井は肝月先生に
職員室まで連れていかれました)

取り巻きA

(っと!)

取り巻きA

(これでOKね!)

龍也が肝月に職員室に 連れていかれた直後

凛太郎は売店で パンを買っていた

揚羽凛太郎

よし!パン買えた!

揚羽凛太郎

すぐに保健室行かなきゃな!

姫川美咲

揚羽くん!

揚羽凛太郎

(あれ?姫川?)

姫川美咲

何そんなに
驚いてるの?

姫川美咲

私が話しかけたのが
そんなに意外?

揚羽凛太郎

いや、別に
そういう訳じゃねーけど

揚羽凛太郎

どうかしたの?

姫川美咲

肝月先生が
伝言を預かったの!

揚羽凛太郎

肝月先生から?

揚羽凛太郎

なに?

姫川美咲

今すぐ職員室に
来てくれだってさ!

揚羽凛太郎

今から?

姫川美咲

うん♫

姫川美咲

なんか緊急の用事らしいよ

揚羽凛太郎

(肝月先生なんか
ほとんど会話
した記憶ないのに)

揚羽凛太郎

(珍しいな)

揚羽凛太郎

わかった!サンキュー!姫川!

姫川美咲

ううん。いいよ!
気にしなくて

凛太郎は美咲からの伝言を聞き 保健室とは反対方向の 職員室まで走る。

姫川美咲

これで邪魔者は
全員職員室!

姫川美咲

保健室はガラ空きね!

和久井龍也

だから何も
知らないんだって!

和久井龍也

勝手に泣き出したんだよ!

肝月先生

そんな訳ないだろ!

肝月先生

何か言ったんじゃないのか?

和久井龍也

だから──

ガラガラ

揚羽凛太郎

失礼しまーす!

和久井龍也

はぁ?リン?

和久井龍也

お前何やってんだよ!

揚羽凛太郎

いや、龍也こそ!

揚羽凛太郎

姫川を見張ってたんじゃ?

肝月先生

なんだ?揚羽!

肝月先生

職員室に何か用か?

揚羽凛太郎

はぁ?肝月先生が
俺に来いって言ったんでしょ?

肝月先生

何の話だ?

揚羽凛太郎

いや、さっき
姫川から伝言を──

和久井龍也

バカ!そりゃ
姫川の罠だ!

揚羽凛太郎

はぁ?

和久井龍也

日向からお前を
引き離す罠だ!

揚羽凛太郎

!!!!!!

揚羽凛太郎

まさか・・・

和久井龍也

すぐに保健室行け!早く!

揚羽凛太郎

クソっ!

ガラガラ

揚羽凛太郎

日向!大丈──

揚羽凛太郎

!!!!!!

揚羽凛太郎

日向・・・

日向奏星

ぐすっ・・・

凛太郎が保健室に入ると

そこには、弁当のおかずが散乱した 床に倒れ込んだ奏星の姿があった

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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