“魔法使い”ことAtと知り合ってから数日、
オレは前回と同様に義母と義姉の目をかいくぐって
Tgと一緒にサロンに来ていた
Tg
おはよーーーっ!!

Kty
Tgおはよ!!

Kty
確か今日はMzちも来てるんでしょ?

Mz
どーも、お邪魔してます

挨拶をしたオレにKtyはニコッと笑いながら「おはよう」と返し、
Tgをヘアカット用の椅子に座らせてその髪の毛をセットし始める
Kty
今回は月一のヘアセットの日だけど、
スタイルはいつも通りでいいんだよね?

Tg
うん、毛先を整えるくらいで!!

Kty
ヘアオイルとかもいつものやつでいいよね

Tg
新しいやつが入ってるなら気になるけど、
おれに合いそう?

Kty
髪質的にはTgに合うと思うけど、
香りがちょっと色気のある大人っぽいやつだから
いつも通りの方がTgらしいと思うな

Tg
わかった!!

しばらく楽しそうに雑談をしているKtyとTgを見ながら
微笑ましい気持ちになっていると、TgがKtyに尋ねる
Tg
そういえばKty、Atくんは?

Kty
Mzちを綺麗にする準備中、もうすぐ来ると思うよ

数分後、今日はあんまり眠そうではないAtが店の奥から出てきた
At
TgとMz、おはよ

Tg
Atくんおはよー!!

Kty
事前準備なんて本当にやる気満々だね、珍しい

At
やめろよ、普段俺が無計画にお客さんを綺麗にしてるみたいな言い方

Kty
無計画とまではいかないけど割と行き当たりばったりでしょ?

At
その場その場でアドバイスを考える方がピッタリでいーじゃん

Kty
なのにMzちはちゃんと考えるんだねw

At
普通に考える時間長く作ってるだけ、
Mzはまだ自分でも何をすればいいかわかっていない状態だから
変化もあんまりないし

Kty
職人魂ガンガン燃えてるねw

At
だって見れば磨きたくなるだろ、こんないい素材

AtはKtyにそう返すと、とりあえず座ってと言ってオレに着席を促す
At
とりあえず、肌の調子を改善するところからだね

At
とはいえいきなり色々と覚えるのは大変だろうから、
まずは洗顔の習慣化と化粧水の日常使い、日焼け止めを使うっていう
肌の調子を整える三本柱から覚えよっか

彼はそうオレに言うと、
前回色々とメモ書きをしていたメモ帳を開きながらつぶやく
At
前回来てくれた時と今の肌の状態を見て、
Mzに合いそうな洗顔料と化粧水、日焼け止めをいくつか絞ってきたよ

At
今からパッチテストって言って、何種類かの洗顔料を腕の内側に塗って
異常がないか一日様子を見るっていう
適性チェックみたいなものをやるんだけど、、、

At
化粧水と日焼け止めもパッチテストをしたいから、
最低でも今日を含めて四日連続で来てほしい

At
明日から三日連続、来れる?

Mz
それはちょっとわかんないな、、、

義母と義姉はしょっちゅう出かけるのでおそらく大丈夫だとは思うが、
確証はないのでオレは隣のブースでKtyにヘアセットをされているTgに
詳細を確認することにした
Mz
Tg、オレが明日から三日連続でサロンに来ることってできそう?

Tg
多分大丈夫だと思う!!

Tg
お母様とお姉様、近々パーティに招待されているらしくて
その準備のためにいっつも出かけてるから、、、

Mz
だってさ

At
りょーかい、まあ最悪二日連続を3回に分けてでもいいしね

At
少なくとも明日は絶対に来てほしいな

Mz
それなら大丈夫だと思う!!

At
わかった、じゃあまずは洗顔料のパッチテストをするね

そう言ってAtはいくつかの洗顔料を取り出し、
それらを薄めてオレの腕の内側に少量塗った
At
この部分がこの洗顔料で、その隣があれで、、、

At
これであとは1日おくだけ、明日俺がチェックするよ

Mz
ありがとう!!

Atはオレの感謝の言葉にニコッと笑い、次の手順を教えてくれる
At
それで今度は髪の毛の手入れについて指導したいんだけど、、、

At
Mzの髪質を知りたいから、ちょっとだけ触ってもいい?

Mz
えっ

At
嫌だった?

Mz
いや別にそういうわけじゃないんだけど、
誰かに髪の毛触られるとか初めてだからちょっとびっくりして

At
ヘアカットとかはどうしてるの?

Mz
自分で伸びたなって思った時にバサッと

At
嘘でしょ、せっかく綺麗な髪なのにもったいない

At
まさかナイフでバサッと切ってるってことはないよね?

Mz
……。

オレが図星を突かれてさっと目を逸らすと、
Atは目を見開いて固まり、頭を抱えてため息をついてしまった
At
あのね、Mz

At
俺たち美容師が使うヘアカット用のハサミは
髪の毛を一本一本均等に切るように作られてるんだけど、
ナイフとかの一般的な刃物は刃が鋭くても
毛を潰したり引き裂いたりしちゃうんだよ

At
そしたら切り口がギザギザになって見た目もあんまり良くないし、
髪の毛に対するダメージも大きくなる

At
結果枝毛が増えたり髪の毛のまとまりが悪くなったりして、
髪全体の健康にも良くない

At
今度からはちゃんとプロの美容師に切ってもらってね?

Mz
すみません、、、

At
まあ知らなかったなら仕方ないよね、
今からでも全然取り返せるしカットなら俺もするから

At
それじゃあ髪質をチェックしたいから、触らせてもらうね?

Mz
ん

オレがぎゅっと目をつむってAtに頭を差し出すと、
彼はそんなオレに笑い声を上げながら、オレの髪の毛に触れる
At
なるほど、こんな感じということは、、、

Atがオレにはよくわからない専門用語を呟きながら
オレの髪の毛を優しく探るように触っていき、
たまに頭皮に触れるその指がちょっとくすぐったくて気持ちがいい
寝てしまわないように気をつけようとオレが頑張っていると、
やがてAtの手がオレの頭から離れた
At
大体わかったよ、どんなシャンプーが合いそうかってことも

At
コンディショナーとかヘアオイルも絞り込めたから、
今度は洗髪方法の指導をしていくね

Mz
わかった!!

At
それじゃあシャンプー台に移動しよっか、
実践しながら洗髪のポイントについて指導していくね

その言葉を聞いたオレは頷いて座っていた椅子から立ち上がり、
Atに案内されたシャンプー台まで向かった
At
じゃあ洗髪について詳しく話していくね

Atはそう言うと、オレより少し大きい手でオレの頭を優しく支えながら
シャンプー台にオレの頭を丁寧におき、ジャーっとシャワーのお湯を出す
At
まずポイントその1、ぬるま湯で頭皮と髪をしっかり濡らす

Mz
あったかくてきもちいい、、、

At
ふふっ、それならよかった

At
シャンプー前のすすぎは、
35度から38度くらいのぬるま湯がベストだよ

Mz
それはどうやって判断するの?

At
手を入れて「少し暖かいな」って思うくらいの温度が目安かな

At
基本体が気持ちいいと思うのは
髪にとってベストの温度よりちょっとだけ高めだから

At
熱すぎると頭皮を痛めちゃうし、冷たいと汚れが落ちにくいから
お湯の温度って結構大事なんだよね

Mz
そうなんだ、初めて知った、、、

Atが教えてくれたポイントを覚えようとしている間に、
髪と頭皮が十分に濡れたと判断したのか彼はシャワーを止める
今度は容器からシャンプーを出したAtは、
手のひらでそれを泡立てながら2個目のポイントを教えてくれた
At
ポイントその2、シャンプーは泡立ててから使う

At
手のひらでシャンプーを泡立ててから髪につけると、
泡立てないよりも摩擦が減って頭皮を優しく洗えるよ

Mz
どれくらいの量がベストなの?

At
そうだなあ、まずは500円硬貨くらいの量かな

At
足りなかったら後で足せばいいからね

Mz
なるほど!

At
で、手に取ったシャンプーにちょっとだけぬるま湯を足して、
手のひらをこすり合わせながら泡立てるんだよ

At
指の間を使うとふわふわになりやすいからなおよし

Mz
ほぇー

At
それで、ねっとりした液体が白くふわふわになったら準備OK

Mz
了解!!

シャンプーをふわふわの白い泡にしたAtは、
オレに「それじゃあ洗っていくね」と言いながらオレの髪の毛を洗い始めた
Mz
きもちいい、ねそう、、、

At
人にシャンプーされるの結構気持ちいいよねw

At
ここでポイントその3、
指の腹で優しく頭皮をマッサージするイメージで洗う

At
爪を立てちゃうと頭皮が傷ついたり炎症になりやすいけど、
指の腹なら優しく全体を刺激できるから安心なんだ

Mz
へー!!

At
とはいえ指の腹で洗っても力加減が強すぎると
頭皮が傷ついちゃうから、気持ちいい力加減を心がけてね

Mz
それはわかったけど、洗い方のコツは?

At
うーん、小さな円を描くようにゆっくり動かすと、
血行が良くなって頭皮の健康が保ちやすくなるよ

Mz
ちゃんと覚えて帰れるかな、、、

At
まあ髪の洗い方についてはTgも気にかけているだろうし、
混乱しちゃったり忘れちゃったりしたら彼に聞けばいいと思うよ

その後オレの髪の毛をモコモコのシャンプーで洗ったAtは、
またお湯を出して今度はシャンプーを洗い流し始めた
At
それで洗髪に対する最後のポイント、すすぎ方

At
すすぎって実は意外と盲点で、
泡立てよりもむしろこっちの方が頭皮の健康を左右する

Mz
えっ、そうなの!?

At
うん、知らない人も結構いるけどね

At
これ、勘違いしてる人が多いんだけど、
シャンプーのすすぎって泡がなくなったらOKじゃないんだよね

Mz
そうなんだ、、、

At
見た目の泡は消えても、頭皮や髪には
まだシャンプーの洗浄成分が残っていることが多くて、
それが頭皮を刺激してかゆみや炎症を起こしちゃうことがあるんだ

Mz
マジで?それやばいな、、

At
だから、泡がなくなっても
そこからさらに1、2分はすすぎ続けるのがおすすめだよ

Mz
なるほど

At
それで、お湯はさっきと同じくらいの温度のぬるま湯で、
お湯は頭の上からかけるだけじゃなくて地肌にあてる

Mz
どうすればいいの?

At
髪の表面にお湯をかけるだけだと地肌のすすぎ残しが
多くなるから、指の腹で髪の毛をかき分けながら
直接頭皮にお湯をあてることを意識するんだよ

Mz
ふむふむ

At
耳の後ろや襟足、後頭部は特にすすぎ残しが
多くなりやすい部分だから、
髪を持ち上げてちゃんとお湯をあててあげて

Mz
オレ、絶対そこ流し忘れてるわ

At
この部分は忘れがちだからねw

しばらくオレの髪の毛にお湯をあてたAtはシャワーをとめ、
タオルを取り出してオレの髪の毛を拭き始めた
At
このあとアフターケアとか色々あるんだけど、
急だと多分パンクしちゃうだろうから
絶対これだけは守って欲しいってやつだけ伝えるね

Mz
それは、、、どんなこと?

At
絶対にやってほしい基礎中の基礎は二つだよ

At
まず一つ目、髪の拭き方はゴシゴシじゃなくて、
タオルで優しく水分を抑えるイメージ

Atはオレの髪の毛をタオルでポンポンと拭きながら、
拭き方のコツについて解説していく
At
この過程、タオルドライって言うんだけど

At
ここで髪の毛をゴシゴシ拭いちゃうと、
髪がパサついたり枝毛が増えたりして良くないんだよね

At
しかも濡れている髪は乾いている髪と比べて弱いから、
余計にダメージが増えちゃう

Mz
マジか、、、

数分後オレの髪の毛を拭き終えた彼はタオルを置き、
今度はドライヤーを出してくる
At
それで二つ目、自然乾燥は絶対NG

At
乾かすときはちゃんとドライヤーを使ってね

Atがドライヤーのスイッチを入れ、
ぼおおおっという音とともに暖かい風がオレの髪の毛にあたる
オレの髪の毛を触りながら髪の毛を乾かしているAtに、
オレは疑問に思ってることを尋ねることにした
Mz
なんで自然乾燥ってダメなの?

At
さっき言った通り、
髪が濡れている間は外からダメージを受けやすい

At
自然乾燥だとドライヤーより濡れている時間が長くなるし、
その間に枕や服と擦れて髪の毛が傷むんだよね

At
それに、頭皮が長時間濡れたまんまだと菌が繁殖して、
頭皮や髪の毛に対する悪影響も大きくなる

At
だから、タオルドライで髪の毛を拭いた後
すぐにドライヤーするっていうのが正解

Mz
なるほど、、、

At
それと、ブラッシングも忘れないでね

At
とりあえず今はくしで髪の毛をとくだけでいいから

Mz
わかった!!

疑問に思っていたことが解決したので
誰かに髪を乾かされるという気持ちいい時間を満喫していると、
数分後にカチッと音がしてドライヤーが止まった
その後Atは俺の髪に色々な工程を重ねていくが、
オレがパンクしないように配慮してくれているのか
特に解説などはせずに作業を進めていく
オレの髪の毛をくしでといたり
いい匂いのする何かをつけた状態でいじったりしながら、
彼は今日教えてくれたポイントをまとめてくれた
At
他にも色々とドライヤーのコツとか
洗髪後のアフターケアとかあるけど、今日は一旦ここまで

At
結構情報量多かったと思うけど、忘れちゃったらまた聞けばいいし、
Tgとかもある程度はわかると思うから

At
まずは今日教えたことを覚えて実践するのが綺麗になる第一歩だね

Mz
頑張る!!

At
うん、Mzはめちゃくちゃいい素材してるから
俺がこれから時間をかけて教えていく知識を
覚えたり実践したりすれば、本当に見違えるほど綺麗になると思う

At
今から完成形が楽しみだよ、すごいワクワクする

Mz
期待に添えるように頑張らないと、、、

At
そこまで緊張しなくても大丈夫だよw

Atは笑ってそういうと、作業を終えたのかオレの肩をポンと叩き、
オレの手をとって立ち上がるように促した
At
今日はこれでおしまい、
Tgももうすぐ終わると思うから気をつけて帰ってね

Mz
ありがとー!!

気遣いを忘れない親切な“魔法使い”にオレは満面の笑みで感謝をつげ、
Ktyとたくさん話せて満足したのか嬉しそうなTgと一緒に帰宅した
その日の夜、オレはいつも通りTgと一緒に
就寝前のささやかな雑談時間を楽しんでいた
Tg
それでー、そこでKtyがね!!

Mz
うんうん

オレがKtyの存在を知ったから我慢できなくなってきたのか
惚気話が止まらないTgにオレが笑いながら相槌を打っていると、
はっと何かに気が付いたかのようにTgが言った
Tg
MzたんはKtyのこと好きになっちゃダメだからね!?

Mz
安心しろ、オレに義弟の好きな人を略奪する趣味はない

Mz
それに、、、オレには恋とか、多分一生関係ないし

Tg
でも、恋って突然降ってくるものなんだよ!?

Tg
気が付いたらその人を目で追っていて、
知らず知らずのうちにいつの間にかその人に惹かれちゃってるの!!

Tg
Kty優しいし、Mzたんが好きになる可能性も、、、

Mz
その場合は普通にTgに譲るし、
そもそもオレとKtyは会ったら挨拶を交わす程度で
そこまで仲良くないから安心しろって

Tg
うう、だけど心配、、、

Mz
Tgは心配性だなあw

オレがそう笑い飛ばすとTgが「だってぇ!!」と鳴き声のような悲鳴をあげ、
オレはそのTgの反応に余計に笑ってしまう
なんとなく笑いが途絶えた時に頭にふっと疑問が降りてきたので、
オレはそれを言葉にしてTgに尋ねることにした
Mz
お前、、、恋って突然っていうけどさ

Tg
うん?

Mz
本当に、予感もなく突然降りてきたりするもんなの?

Tg
感覚的にはそれに近いよ、
おれの場合Ktyが初恋だからなんとも言えないけど、、、

Tg
恋って感情に気がつく前から自然と目で追っていて、
何か小さなきっかけで自分の気持ちが言葉になる感じなんだよね

Tg
なんかあの人の小さな変化に気がつくな、とか、
他の人と話してたらちょっとだけ胸がモヤッとするとか

Tg
おれは、Atくんと楽しそうに話してるKtyに
ちょっとだけ心がチリッて焦げるように感じて、
その時感じた「もしかして」が恋ってやつだった

Mz
ふーん、、、

Mz
なんか、オレには関係ない話に聞こえるな

Tg
おれもKtyのこと好きかも、って思った時そうだったよ

Tg
気持ちが確証に変わるまで、
自分には恋なんか関係ないって思ってた

Tg
だけど、実際にはおれはKtyのこと好きになってるでしょ?

Tg
きっと、恋ってそういうもんなんだよ

Mz
へぇ、オレもいつか好きなやつとかできるのかな

Tg
いつかはできるかもしれないね

Tg
おれの勝手なイメージだけど、Mzたんはなんか芯のない
ヘニャヘニャしてるやつは願い下げとか言いそう

Mz
よくわかってんな

Tg
www

Tgはオレの部屋の小さな窓から外を眺めて
しばらく王都の街灯を数えるようにじっと見ていたが、
「だけど」とつぶやいて続けた
Tg
いつかMzたんが本気で誰かを好きになることがあったら、
そのときはおれが一番近くで応援してあげたいな

Mz
それはありがたいけど、多分オレがそんなに誰かに
夢中になるのは当分先のことだろうな

Mz
今はAtの指導を受けて綺麗になるのが最優先だから

Tg
そういえばMzたん、
めちゃくちゃAtくんと仲良さげに話してたよね

Tg
おれはKtyと話してる時話題が思いつかなくて
焦っちゃうから、普通に誰かと話してて
話題がポンポン出てくるMzたんすごいなって思った

Mz
Atが話し上手でオレの疑問に丁寧に答えてくれるからだよ

Mz
あと、オレはTgと違って話し相手に惚れてるわけじゃないから
沈黙とかもあんまり気にならないってのもあるだろうし

Tg
確かにおれもAtくんと話してて沈黙になっても気にならないな、
Ktyだったら「何か話さなきゃ」って思うけど

Mz
それにAt自身がマイペースだからじゃない?

Mz
あの人、自分と相手の間に気まずい空気が流れる感覚
多分感じたことないよ

Tg
それもあるかもねwww

Tgはマイペースで眠そうなAtの顔を思い出したのか、
お腹を抱えて笑い転げ始めてしまう
彼はしばらく可愛らしい笑い声をあげていたが、
ふと笑いを止めると「あれ」とつぶやいて不思議そうにオレを見た
Tg
Mzたん、今日初めてAtくんと話したのにいろいろと詳しいね?

Mz
ん?

Mz
それは普通に、KtyとTgから話を聞いてたからとか

Tg
KtyはMzたんにAtくんがマイペースだってことしか話してないし、
おれもちゃんとAtくんのことを話すようになったの
Mzたんが初めてサロンに行った時くらいからだよね?

Tg
しかも、Ktyに関する惚気の延長線とかついでみたいな感じで

Mz
うーん、言われてみればそれもそうだな

Mz
なんでだろ?

オレがこてんと首を傾げて疑問を隠すことなく示すと、
Tgが何かを思いついたかのように目を輝かせる
Tg
もしやこれは恋の予感、、、!?✨

Mz
お前やめろよ、気まずいだろwww

Tg
ごめん、ふざけちゃったw

Mz
いや知ってるけどw

Mz
多分だけど、波長みたいなもんが合うんじゃないかな

Mz
友達同士とかでもあるだろ、
なんかこの人といるの気が楽だなみたいなやつ

Tg
なるほど、確かにその可能性が高いかも

Tgがオレの言葉に納得してうんうんと頷いていると、
いつも通り12時の鐘が鳴り響く
Mz
お、日付が変わるな

Tg
そうだね、部屋に戻らないと

Mz
それじゃあTg、また明日

Tg
もう今日だけどねw

笑いながら部屋を後にしたTgを見送って屋根裏部屋から街を見下ろすと、
今までより世界が広がっているような気がした
あの日みたいに誰かと目が合った気がしたなんて感覚はなかったが、
少し外の世界を知ったからなのかちょっとだけ前より街が明るく見えた