朝も早くから電話が鳴り響いたのは、平成26年11月5日のこと。
母が死んでから、すでに3日目に入っていた。
この日は土曜日で学校も休みであり、シンジはまだ夢の中にいた。
プルプルプル……と電子音が家の中に響く。
シンジ
そうぼやきつつも布団から出たシンジ。
すでに8時半を過ぎていることを、目覚まし時計で知る。
いまだに電話はなり続けていた。
シンジ
まだ半分寝ぼけた頭のまま部屋を出ると、階段下にある電話機に手を伸ばした。
シンジ
????
シンジ
実はこの小谷という名前は、母の旧姓である。
父が死んでから籍を抜いたであろう母は、ずっと小谷と名乗っていた。
????
シンジ
水道業者
どうやらシンジのことは旦那とでも勘違いしているのであろう。
シンジ
水道業者
シンジ
水道業者
シンジ
シンジ
水道業者
その言葉に胸を撫でおろす。しかし、安堵したのも束の間、最悪の言葉が電話口から漏れ出した。
水道業者
シンジ
思わず声が出てしまった。
シンジ
水道業者
なんたる最悪のタイミングなのであろうか。
よりによって母は生前、井戸の埋め立て工事を業者に依頼していたらしい。
シンジ
シンジ
水道業者
水道業者
シンジ
水道業者
水道業者
水道業者
話しているうちに、相手がまだ子どもであると察したのであろう。
少しばかり口調がこちらを舐めたようなものになっているような気がした。
シンジ
今、工事に入られたら間違いなく見つかってしまう。
そう、数日前に死んだ母の死体が。
水道業者
シンジ
もはや、シンジにはそう答えるしかなかった。
電話は切れてしまい、そしてシンジは起きた時間が8時半だったことを思い出す。
シンジ
シンジは受話器を置くと、アキノリのところへと向かって駆け出した。
シンジ
いまだに呑気に布団で眠っている弟。
母の死などなかったように気持ち良さそうに眠る姿に、ふと起こしてはならないような気がした。
しかしながら、時間は有限だし、母の死体が見つかってしまったらアウトだ。
心を鬼にしてアキノリを叩き起こした。
シンジ
アキノリ
シンジ
シンジ
アキノリ
寝ぼけていたはずのアキノリだが、シンジの一言で目が覚めたらしい。
勢い良く飛び起きると、急いで布団から出てきた。
シンジ
アキノリ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
アキノリ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
こうして運命の1日は慌ただしく幕を開けた。
コメント
2件
いきなりクライマックスきたあ