ほら
あなたにとって
大事な人ほど
すぐそばにいるよ
大好きなあの子の声が
今日も
聞こえる
「好き」
悠祐
………
悠祐
とてもじゃないけど
悠祐
言えん
優奈
えー
優奈
なんでよ
悠祐
なんでって言われても…
優奈
あ
優奈
じゃあ、
優奈
悠祐って
優奈
めっちゃトランペット上手いじゃん
悠祐
………………
悠祐
うん
優奈
(…自分で言ったね)
優奈
だから
優奈
愛とか恋とかにまつわる曲でも吹いたら?
悠祐
なるほどな
悠祐
ちょい、遠回しで告白すんのな
優奈
そそ
優奈
もちろん…
優奈
知っている曲じゃないとダメだからね
悠祐
あぁ…だよな
悠祐
知っている曲…
優奈
その子が好きな曲とかもいいね
悠祐
うん
悠祐
学校にあったはず
悠祐
楽譜、探してくるな
優奈
………
悠祐
…優奈?
優奈
優奈
っ……大丈夫!
優奈
なんでもないよ
優奈
ほら
優奈
楽譜、探さないと
優奈
下校時刻になっちゃうよ
悠祐
うわ、やべっ
悠祐
じゃあ
悠祐
また明日な
優奈
…ばいばい
悠祐
楽譜あったし
悠祐
早速練習するか…
優奈はなぜ
あんなにも悲しげな表情をしていたのか
悠祐
(吹いている今も)
悠祐
(頭をちらついている)
一週間後は好きな人の誕生日
間に合うように、ひたすら練習するのであった
悠祐
おはよう
優奈
おはよう
優奈
ついに…今日だね
悠祐
あぁ
優奈
大丈夫そう?
悠祐
ちゃんと練習したよ
悠祐
毎日な
優奈
それなら安心、安心
優奈
…頑張ってね
悠祐
悠祐
(暗譜をしたから)
悠祐
(楽譜は持ってきていない)
悠祐
(やっぱり)
悠祐
(好きな人を見ながら吹きたいからな)
悠祐
よし
悠祐
じゃあ始めるか
悠祐
(一呼吸おいて)
悠祐
(楽器を構え───)
優奈
ちょ
優奈
ちょっと待って
悠祐
え、どうしたの
優奈
こっちがどうしたの?なんだけど
優奈
その…
優奈
優奈
告白する相手…は?
悠祐
あー
悠祐
それなら大丈夫
悠祐
目の前にいるから
優奈
優奈
え……
悠祐
それでは聞いてください
優奈
それって
優奈
も、もも、もしかして
悠祐
「小さな恋のうた」
いつも
悠祐に向けて歌っていた歌
私は悠祐が好きなんだよ って
伝えるために歌っていた歌
ちゃんと
届いていたんだね
悠祐
(あ…)
悠祐
(笑ってる…?)
優奈
…あなたにだけ
優奈
届いてほしい
響け 恋のうた






