日下部彰
昏睡状態から目覚めた彰は
重い瞼を懸命に開きながら 辺りを見回す
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰の後頭部に激痛が走る
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰はベッド横の物置に置いてある デジタル時計を見る
日下部彰
彰はデジタル時計に表示されている 日付を見ると思わず声を漏らす
それもその筈だ
デジタル時計が 表示している日付は
千里と遊園地デートをした日の 約4ヶ月後の日付だったからだ
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰はベッドから立ち上がり 廊下に出ようとする
しかし4ヶ月もの間 昏睡状態だった彰の体が すんなり動くわけもなく
彰はうまい具合に立ち上がれない
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰は鉛の様に重たい 足腰を引き摺りながら 匍匐前進で廊下に出る
日下部彰
日下部彰
日下部彰
そこに1人の看護婦が 近づいてくる
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰は看護師の足にしがみつき 千里の無事を尋ねる
看護師A
看護師A
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
彰は全身の力が抜けたのか そのまま床に倒れ込む
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
看護師A
日下部彰
彰は看護師に促され病室に戻る
彰が病院に戻ると すぐに主治医が検診にやってきた
医者
日下部彰
医者
医者
日下部彰
医者
看護師A
日下部彰
医者
医者
日下部彰
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
医者
医者
医者
日下部彰
彰の目からは大量の涙が 絶え間なく溢れ出る
看護師A
看護師A
日下部彰
しかし千里は正午を過ぎても 病院に姿を現さなかった
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
日下部彰
みなが千里の行方について 首を傾げていると
看護師B
看護師が慌てた様子で 病室に入ってきた
看護師A
看護師A
看護師B
日下部彰
日下部彰
看護師B
看護師B
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
看護師A
看護師B
日下部彰
彰は看護師の力を借りながら
屋上へ通づる階段を 一段一段登っていく
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
彰はドアノブに手をかけ ドアを開けて屋上に出る
日下部彰
日下部彰
千里は宙を舞っていた
涙を流しながら宙を舞っていた
その涙は一体 どんな涙だったのだろうか?
孤独に耐えれずに溢れ出てしまった 涙だったのだろうか?
それとも愛する人ひとりを残し 身を投げてしまった事に対する 懺悔の涙だったのだろうか?
それとも孤独か解放された事による 安堵の涙だったのだろうか?
その真意は定かではない
それは千里自身にしか分からない事だ
しかし確かな事がひとつだけある
千里は今──
飛んだ
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
彰の脳裏を、これまで 千里と共に歩んできた人生が 走馬灯の様に駆け巡った
大学の学食で偶然見かけた 千里に一目惚れした事
意を決して連絡先を聞いたら 快くOKしてもらえた
初めてのデートで 大遅刻してしまい 千里を怒らせた事
意を決してプロポーズをしたら 千里は涙を流しながら 「はい」と言ってくれた事
嬉しくてたまらず 喜びを全身で表現した拍子に 手に持っていた指輪を離してしまい 何処かへ飛んでいってしまった事
その指輪を千里に 一緒になって探してもらった事
結婚式で千里が両親への 感謝の手紙を読んでいる時 千里の両親以上に号泣してしまい 会場に笑いが起きていた事
結婚一年目間近に 千里の不妊が発覚し 毎晩の様にごめんなさいと 泣いて謝る千里を励ましていた事
これまでの思い出が 鮮明に蘇った
日下部彰
日下部彰
彰はその場でうずくまり 地面を何度も叩きつける
日下部彰
日下部彰
看護師A
看護師A
看護師A
看護師A
看護師A
看護師A
看護師も涙を流しながら その場に倒れ込む
2人が悲しみに 打ちひしがれていると
下から──
誰かが叫ぶ声が聞こえてきた
看護師A
看護師が恐る恐る フェンスに近づき 下の様子を伺う
看護師A
下の様子を確認した看護師は 彰に小走りで近づいてくる
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
日下部彰
その言葉を聞いた彰は フェンスまで走る
千里は数名の医師によって用意された 救護マットの上に横たわっていた
日下部千里
日下部千里
日下部千里
看護師B
すると看護師が 千里に近づき平手打ちをする
日下部千里
看護師B
看護師B
看護師B
日下部千里
日下部千里
日下部千里
看護師B
日下部千里
日下部千里
日下部千里
千里は涙を流しながら 今まで吐き出そうと思っても 吐き出せなかった感情を爆発させる
日下部千里
看護師B
看護師は千里を 力強く抱きしめる
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
看護師B
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
看護師B
日下部千里
千里は看護師の言葉に耳を疑う
日下部千里
看護師B
看護師B
日下部千里
日下部千里
看護師B
看護師B
看護師が屋上を指差す
日下部千里
千里は半信半疑ながらも 看護師が指差す屋上を見る
するとそこにはこちらを 不安そうな目で見つめる 彰の姿があった
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
千里は涙を流しながら 彰に抱きつく
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部彰
彰は千里を力強く抱きしめる
日下部彰
日下部千里
日下部千里
それからの彰は 厳しいリハビリの日々だった
4ヶ月もの間 昏睡状態だった彰にとって それは過酷を極める生活だったが
ずっと自分の帰りを 信じて待ってくれた千里の為にと
彰は苦しいリハビリ生活に耐えていく
看護師A
日下部彰
看護師A
看護師A
看護師A
日下部彰
看護師A
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
看護師A
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
看護師A
医者
日下部彰
医者
日下部彰
医者
医者
医者
日下部彰
医者
医者
日下部彰
それから彰は医師の指導のもと 無理せずリハビリを続けた
そしてリハビリ開始から 2ヶ月後となる本日
彰は無事に退院する
日下部彰
彰は無事に千里と共に我が家に 帰って来れたことに安堵する
日下部千里
日下部彰
彰は千里の背中を抱きしめる
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部千里
日下部千里
日下部彰
日下部彰
日下部彰
日下部千里
千里は頬を膨らませる
日下部彰
日下部彰
日下部千里
日下部彰
日下部千里
2人は抱き合いながら 優しく口づけを交わす
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