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ピピピっ…ピピピっ

朝陽

ん…

アラームを止めて起き上がる

時刻は六時半

睡眠時間約二時間あるかないか

朝陽

ふわぁーあーあ

さすがに眠すぎてものすごく大きなあくびが出る

でもあまりゆったりとしていたら学校に遅刻してしまうから、とりあえずお風呂に入る

ジャーー

シャンプーで頭を洗いながら昨日の出来事を思い出す

さがしていた蘭華の仲間にしてもらって奏汰には家の前までおくってもらった

ジャーーーー、キュっ

お風呂を上がって制服に着替えて髪の毛を乾かす

ドライヤーで髪を乾かしていると額にジワリと汗が浮かぶ

もうこれだけで夏になってきているんだと感じさせる

朝陽

学校行きたくないな

熱いし睡眠時間足らないし今日学校に行ってもまともに勉強なんてできないんじゃないかってくらい

でもお金を払ってもらっているからにはいかなきゃいけない

朝陽

行ってきます

行ってらっしゃいなんて聞こえるはずもない寂しい部屋から外に出る

お弁当を作っていたおかげで遅刻ギリギリになりそうだから急いで学校に向かう

でも校門のところにはいつもと違う光景が広がっていた

そんなことよりも私は冷房を求めて急ぎ足で校門から中に入ろうとしたとき

星夜

朝陽

そんな声とともに手をつかまれ振り返る

朝陽

え…?

朝陽

星夜?

朝陽

こんなところで一体なにをしているの?

星夜

朝陽と話がしたくてここで待っていたんだよ

朝陽

それにしても、なんで学校に来るの!

声を荒げてハッとする

ひそひそと話しながら校舎の中に入る人たち

朝陽

ちょ、こっち!

星夜の腕を引っ張って慌ててその場を離れた

朝陽

はぁ、はぁ

星夜

大丈夫?これのんだら?

星夜に差し出された炭酸のジュースを一気に飲み干す

星夜

あー俺の分…

朝陽

で、なんであんたがここに来たの

朝陽

話しなんて電話でもできるでしょ!?

朝陽

それにあんたは無駄に目立つんだから

星夜はそこらへんにいる男子の数倍は顔が整っていて

女子たちによく逆ナンパされることもあった

そしてもう一つ

星夜は心麗の副総長だということ

心麗は蘭華と並ぶくらい有名で規模も大きい暴走族

あたしが住んでいるここら辺では知らない人がいないくらい

そんな有名人がこんなところに堂々と私に会いに来たなんてどんな噂が立つかなんてわかったもんじゃない

それにもしこのことが奏汰たちに知られでもしたら計画は失敗してしまう

星夜

うん

朝陽

うんって…私が言ってることわかってるの!?

星夜

機嫌が悪い…?

朝陽

んもー!

朝陽

私は蘭華にスパイとして潜入しているんだからあんたと一緒にいるところ見られたらたまったもんじゃないでしょ!

朝陽

ばれたら私の努力が全部パーになっちゃうの!

星夜

俺の話もそのことについてだよ

朝陽

は?

星夜

こんなことはやめて

朝陽

…うるさい

朝陽

もうやるって決めたの

星夜

でもそれは朝陽だけがそう言ってるだけだろ

真剣な目で見られてもまっすぐ見つめ返す

朝陽

だから何?

朝陽

これは私と大輝の話なんだから

星夜

これがどんなに危険なことかわかっているのか!?

星夜

俺たちはもう朝陽に傷ついてほしくないんだよ

朝陽

何言ってんのよ!

朝陽

私は星夜と真昼がいないことがこの世で一番つらいことなの!

朝陽

私は二人を取り戻すって決めたの

朝陽

元はと言えば私のせいだから…

朝陽

だからもうこんなことはしないで

星夜

朝陽

星夜

もうあの頃みたいになんて戻れないんだよ

そんな声が頭の中で響く

なんでそんなこと言うの?

戻れないわけないじゃん

だって私たちはこの世で唯一の家族なんだから

私と真昼と星夜はずっと一緒だった

それこそ生まれてくる前のお母さんのおなかの中から

私たちは三つ子

両親からの愛情をたっぷりと受けて育った

どこに行くにも三人でいき

毎日が幸せだった

でも両親が買いものに行ったあの日にそのまま帰らぬ人となってしまった

そうして私たちの引き取ることで親戚の人たちがよくもめていた

結局、親戚の人たちは私たちの意見も聞かずに勝手に決めてしまった

それは、真昼と星夜が養子縁組として私と離れるということ

今から四年前

当時の私たちは13歳

親戚を人たち曰く、三人分のお金を面倒は見れないから裕福なところに行った方がいいと

そして、引き取ってくれる側の人が二人までなら面倒を見れるといったのもだから

私たち三人のうちだれか二人と離れ離れになってしまう

それを聞いたとき怖くて一晩中隠れて泣いていたのを今でも覚えてる

でも、私は長女だから2人が寂しい思いをするくらいならなんてこれっぽちも思ってない理由で1人親戚の家に行った

真昼たちはどうにか三人で暮らそうなんて言ってくれたけど中学生になりたての私たちが働けるわけもなく

真昼はショックを受けたようにその後もずっと泣いていた

そして一言、真昼が言った言葉が頭から離れないでいる

‘‘朝陽は私たちと離れても平気なんだね‘‘

それを聞いていて言葉を失っているうちに星夜たちに迎えが来て

2人が振り返るとき私は笑って私たちはまた会える、大丈夫なんて甘いことを言ってしまった

2人は私につられて笑顔で指切りした

でもそれが最後に見た二人の笑顔だった

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