碧江涼太
碧江涼太
涼太は待てど暮らせど 一向に戻ってくる気配のない 透と杏樹に苛立ちを隠せない
柳ひとみ
柳ひとみ
碧江涼太
碧江涼太
柳ひとみ
碧江涼太
柳ひとみ
ひとみが指差す先には 透と杏樹の姿があった
碧江涼太
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
碧江涼太
碧江涼太
行ったんじゃねーの?
柳ひとみ
どうかしたの?
柳ひとみ
柳ひとみ
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
碧江涼太
鮎原透
鮎原透
鮎原透
碧江涼太
柳ひとみ
杏樹ちゃん
眞琴杏樹
杏樹は黙ってうなずく
碧江涼太
鮎原透
助け出せたんだけどさ
碧江涼太
状況だったのかよ!
鮎原透
俺らだけ先に
旅館戻っとくわ
鮎原透
杏樹ちゃんも
楽しめねーと思うし
碧江涼太
それがいいよ!
鮎原透
呼んでくれ
鮎原透
柳ひとみ
気にしなくて!
柳ひとみ
ウチらだけで
やっとくからさ!
柳ひとみ
側に居てあげな?
碧江涼太
碧江涼太
気にする必要ねーよ
鮎原透
眞琴杏樹
柳ひとみ
謝ってんの!
柳ひとみ
眞琴杏樹
鮎原透
あと頼むわ・・・
碧江涼太
透は杏樹を抱き寄せながら 旅館へと戻っていく
碧江涼太
碧江涼太
犯そうなんて考える
ふざけたヤローは!
柳ひとみ
碧江涼太
楽しめる雰囲気じゃ
なくなっちまったな
柳ひとみ
碧江涼太
旅館戻るか・・・
柳ひとみ
鮎原透
鮎原透
ジュースでも飲めよ
透は旅館の売店で買った 炭酸飲料を杏樹に手渡す
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
かけりゃいいんだ・・)
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
安心したら・・・
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
透は黙って杏樹の背中を 抱きしめる
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
杏樹は透の方へ向き直り 透の体に抱きつく
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
いいですか?
鮎原透
透は杏樹を抱きしめる
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
んだってよ!
眞琴杏樹
鮎原透
杏樹ちゃんを
攫った奴ら!
眞琴杏樹
鮎原透
警察から連絡あった
鮎原透
通報があったんだってさ
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
恨まれてるなんて
ありえねーしな
眞琴杏樹
鮎原透
警察が調べてくれるよ
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
あんなに強いなんて
知りませんでした
鮎原透
眞琴杏樹
ですよね?
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
やってたんだよ
眞琴杏樹
眞琴杏樹
あります!極真空手!
眞琴杏樹
鮎原透
小学生の頃からな!
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
凄いんですか?
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
顔出してねーしな
眞琴杏樹
かっこよかったです!
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
極真やってて
よかったって思ったな
眞琴杏樹
鮎原透
杏樹ちゃん助けれたし
眞琴杏樹
鮎原透
嫌々やってたんだけど
眞琴杏樹
鮎原透
格闘マニアでな
眞琴杏樹
ガタイ良いですよね
鮎原透
ってんだよ!
鮎原透
杏樹ちゃんには
伝わらねーか
眞琴杏樹
キバ道ですか?
鮎原透
キバ道知ってんの?
鮎原透
眞琴杏樹
休憩してた時に
熱弁されたんです
眞琴杏樹
眞琴杏樹
どうとかって・・・
鮎原透
あのオッサンが?
鮎原は腹を抱えて笑う
鮎原透
分かんなかったろ?
鮎原透
オタク入ってるから
眞琴杏樹
そうでしたね・・
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
キバ道の話するとか
鮎原透
未だに独身なんだよ!
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
笑ってんだろ!
鮎原透
聞いちまったわ
眞琴杏樹
鮎原透
笑顔になったな!
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
杏樹は透に抱きつく
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
時から好きでした
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原さんと
一緒に居たいです
鮎原透
透は杏樹を振り解き 窓辺に立つ
眞琴杏樹
鮎原透
すげー嬉しいよ・・
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
取っ替え引っ替え
してたようなクズだ
鮎原透
もっと相応しいヤツが
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
話をしたの覚えてるか?
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
勘当されちまった
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
話してねー事があるんだ
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
先輩と和久井さんと同じ
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
救いようのないクズでさ
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
アプローチされててさ
鮎原透
ヤったんだよ・・
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
したって言われたんだ
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
自殺未遂をした
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
自分でクズだって思う
鮎原透
親父の威光を
鮎原透
勘違いしててさ・・
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
打ち明けるべき
だったんだけどさ
鮎原透
杏樹ちゃんに
嫌われたくなかったんだ
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
6年前 霞北中
当時の俺は自分でも 嫌になるくらいのクズだった
そん時はちょうど 後輩の女の子に呼び出されて
妊娠したって告白されたんだ・・
けど俺は、事の重大さを まったく理解出来てなくてさ
「俺には関係ねー」って その子を突っぱねたんだ
後輩
後輩
後輩
後輩
私の事捨てるの?
鮎原透
鮎原透
言ってただろーが!
鮎原透
鮎原透
妊娠すんだよ!
後輩
鮎原透
言ってたくせに
鮎原透
今更被害者ヅラか?
鮎原透
後輩
後輩
愛してるって
後輩
責任取るって
後輩
言ってくれたじゃん!
鮎原透
鮎原透
後輩
嘘だったの?
後輩
優しい言葉全部
後輩
鮎原透
ばっかしやがって!
鮎原透
後輩
後輩
鮎原透
鮎原透
鮎原透
鮎原透
鮎原透
鮎原透
てめーと話してても
時間の無駄だからよ
鮎原透
鮎原透
てめーが勝手にしろ!
鮎原透
鮎原透
鮎原透
後輩
鮎原透
後輩
鮎原透
後輩
後輩
鮎原透
鮎原透
鮎原透
後輩
眞琴杏樹
鮎原透
その子は自殺未遂した
眞琴杏樹
してたんですよね?
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
事が原因なんですか?
鮎原透
鮎原透
鮎原透
転校しちまったから
眞琴杏樹
鮎原透
突き放して捨てた事は
鮎原透
眞琴杏樹
なんて言うんですか?
鮎原透
って事しか覚えてねー
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
覚えてねーんだ
鮎原透
下の名前すらも覚えてねー
救いようの無いクズなんだよ
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
相応しくねーよ
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
気持ち悪い話しちまって
鮎原透
透は自分の部屋に戻ろうと するべく立ち上がる
眞琴杏樹
鮎原透
関わらない方がいいよ
眞琴杏樹
眞琴杏樹
そんな人じゃないです!
鮎原透
今の俺しか知らないから
そう思うだけだ・・
鮎原透
眞琴杏樹
私は知りません!
鮎原透
眞琴杏樹
今の鮎原さんの事は
眞琴杏樹
知ってるつもりです!
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
気にかけてくれて
鮎原透
眞琴杏樹
奏星さんの事で悩んで
眞琴杏樹
眞琴杏樹
不安を抱いてました
鮎原透
眞琴杏樹
いけるのかなって
眞琴杏樹
眞琴杏樹
今すぐに逃げ出したい
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
声をかけてくれて
眞琴杏樹
そう思えたんですよ?
鮎原透
眞琴杏樹
言ってくれましたよね?
眞琴杏樹
消える事は無い・・けど
眞琴杏樹
悔い改めて・・・
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
悔い改めたところで
鮎原透
自分勝手に
やってる事で・・・
鮎原透
過去のトラウマ
のはずなんだ
眞琴杏樹
鮎原透
関わらないほうがいい
眞琴杏樹
透は杏樹の呼びかけに耳を傾けず 黙って部屋を後にした
眞琴杏樹
透は後から戻って来た 涼太とひとみに 事の経緯を話していた
碧江涼太
碧江涼太
鮎原透
鮎原透
身に覚えがねーらしいし
柳ひとみ
くれるんだよね?
鮎原透
碧江涼太
碧江涼太
鮎原透
鮎原透
連絡とってたらしくてよ
碧江涼太
鮎原透
携帯だよ!
碧江涼太
鮎原透
碧江涼太
碧江涼太
通話履歴の明細が
残らねーから
碧江涼太
難しいって話か
鮎原透
柳ひとみ
鮎原透
柳ひとみ
柳ひとみ
鮎原透
鮎原透
鮎原透
チャージしながら使う
携帯の事だよ
柳ひとみ
鮎原透
柳ひとみ
残らないって言ってたけど
それってどういう意味?
鮎原透
鮎原透
鮎原透
ショップに履歴が残るんだけどな
鮎原透
柳ひとみ
鮎原透
本来の目的は
鮎原透
安く済ませようって理由でな
柳ひとみ
チャージする訳だから
柳ひとみ
鮎原透
鮎原透
残っちまうと
鮎原透
してもらえる訳だから
鮎原透
高くなるんだよ
柳ひとみ
柳ひとみ
携帯を買ったって
証拠はあるんでしょ?
碧江涼太
碧江涼太
何件のショップが
あると思ってんだよ
柳ひとみ
碧江涼太
特定出来たとしても
碧江涼太
店舗かを調べらなきゃ
いけねーんだぞ!
鮎原透
女を犯してくれなんて
依頼する奴が
鮎原透
買うなんて考えにくい
柳ひとみ
柳ひとみ
柳ひとみ
買ってるかも
しれないもんね
鮎原透
なんて夢のまた夢だ
柳ひとみ
犯すように依頼した女って
柳ひとみ
鮎原透
柳ひとみ
気持ち悪いんだけど
柳ひとみ
鮎原透
鮎原透
調べてくれるのを
鮎原透
碧江涼太
鮎原透
どうしてんだ?
柳ひとみ
柳ひとみ
じゃないかな?
柳ひとみ
精神的にも
碧江涼太
碧江涼太
立場だったとしても
そうなるだろうしな
鮎原透
そっとしといてやるか
柳ひとみ
碧江涼太
碧江涼太
鮎原透
柳ひとみ
いかないよね?
鮎原透
鮎原透
私の事は気にしなくて
いいって言うだろうけど
鮎原透
鮎原透
ねーからな・・・
鮎原透
碧江涼太
観光にすっか・・・
鮎原透
柳ひとみ
柳ひとみ
パーっと遊べるし
鮎原透
鮎原透
碧江涼太
翌日
杏樹、透、涼太、ひとみの4名は
本来の予定であった 海水浴を急遽取りやめ 伊豆市内の遊園地にやってきていた
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
柳ひとみ
柳ひとみ
柳ひとみ
悪く無いんだから
柳ひとみ
碧江涼太
碧江涼太
あったみたいだけどよ
碧江涼太
碧江涼太
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
透はうんざりした様子で 観覧車の前に出来ている 長蛇の列を見る
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
杏樹は残念そうにうつむく
鮎原透
鮎原透
鮎原透
40分なんて
あっという間だしよ
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
鮎原透
乗りたかったからよ
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
買ってきたぜ
眞琴杏樹
鮎原透
ポップコーンも買ってきた
鮎原透
ポップコーンだってよ
眞琴杏樹
美味しいんですか?ソレ
鮎原透
買ってみただけ
だからな
鮎原透
眞琴杏樹
させようとしてません?
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
先に食えばいいんだろ?
透はポップコーンを口へ運ぶ
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
なさそうな顔してますけど
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
おいしー!!
鮎原透
眞琴杏樹
言っちゃってる
じゃないですか
観覧車
長い待ち時間の末に ふたりはようやく 観覧車に乗ることができた
眞琴杏樹
眞琴杏樹
私たちが泊まってる
旅館が見えますよ!
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
言っちゃったばっかりに
鮎原透
鮎原透
杏樹は何かを思いつき 立ち上がる
鮎原透
鮎原透
眞琴杏樹
杏樹は透の隣に座り 手を握る
鮎原透
眞琴杏樹
大丈夫ですって!
鮎原透
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
強かった鮎原さんとは
真逆だなと思って
鮎原透
苦手なものくらいあるよ
眞琴杏樹
一面が見れました
鮎原透
眞琴杏樹
杏樹は透の肩に頭を寄せる
鮎原透
眞琴杏樹
私に相応しくないって
そう言ってましたけど
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
鮎原透
眞琴杏樹
眞琴杏樹
杏樹は透に抱きつき 口づけをした







