こんな俺でも変われますか？

莉音ちゃん視点

あの身に覚えのないオーディションから数日

俺はいつも通りの毎日を過ごしていた

ガラガラ

あ、担任。

どっかの社会教師とは違いちょうどいい距離感でいていくれる先生だ

まぁ、新任だから他の教師に逆らえないらしいけど……

………めんどいの極みなんだが

よしっ！

俺は心の中で密かにガッツポーズを決めていた

めっっっっちゃ飛ばして昼休み

マジで眠い……

屋上行こ

屋上前の階段

屋上の欠点はこれだけ何だけどな………

ガチャッ

いつもの場所へ速攻向かう

座ってぼけっと空を見上げる。

これが俺の学校での自由時間

さて、昼食べるか

なんか、目の前に生徒会組がいるんだけど⁉︎

なんでここなんだよ！他の場所空いてるだろ！

譲るのが賢明か……さよなら、俺の自由時間。

なんなんだ、本当に

は？

こいつら何言ってんだ？

2人とも笑顔の奥が笑ってないっつーの

逃がす気ないの丸見えだよっ

結局のところ俺は押し負けたのだった。

今日は天気がいいのに何故か俺ら3人しかいなくて

何でだろうなぁ......

急に言われると悩むんだよなぁ......

この人達、ただの胡散臭い人ではないかもしれない

いいのかよ......

満面の笑みを浮かべている2人を見ていたらなんかそんな事どうでもよく感じた

こんなに自然に笑うのは久しぶりかもしれない

ぴゅーーーーーーーーーーーー！！！

やばいっ！髪が......

ころん視点

さっき、風が強く吹いたと思ったら、莉音ちゃんの髪の色が変わっていた

横を見るとかつら、らしきものが転がっている

そんな説明をしながら莉音ちゃ、いや莉犬くんはカラコン？みたいなのを外して眼鏡をはめた

どういう意味だろうか

間髪入れずにるぅとくんが返した

そう言う莉犬くんの顔は少し悲しそうだった

突然の大きなカミングアウトに固まっているとるぅとくんがコソコソ話を僕にしてきた

莉犬くんには聞こえてませんbyしぃあ

この状態になってからの声、容姿、性格、口調

そして、性同一性障害、という事

いくつもを重ね合わせればそれは証拠となりそうだった

莉犬くん視点

俺は、2人に自分の一番大きな秘密を明かした

正直、そんなに信頼できるかどうかはわからなかったけど口は喋り出していた

それでも、2人はまじめに聞いてくれたし、引かなかった

それが俺にとっては何よりも嬉しかった

そんな事をのんびりと考えていたら、急にころんくんが

と急に聞いてきた

突然の事すぎて動揺してしまった

どうして分かったんだろうか

相手を探るように聞いてみる

一瞬2人は目を合わせて

驚き、はしたがやっぱりと言う気持ちの方が大きかった

キーンコーンカーンコーン

さ、準備して戻ろう

こうして、カミングアウトだらけな昼休みは終わったのでした