魔法使いさんは山菜を採りに行った
私は今、この難解な書をなんとか読み進めている
勇者
・・・
『彼と私のラブラブストーリー』
今まで、本なんて絵本しか読んでこなかった
ただ、そんな私にも
この書は、本当に魔導書なのか
そう思ってしまう
まだ途中だが、内容は一貫して
主人公とヒロインがイチャイチャするというもの
これを読んで、魔法を使えるのだろうか
少し不安になってくる
勇者
ふぅ…
私は魔導書を読み終えた
大体50ページ程だったか
勇者
…うん?
最後のページを見ると
作者 マヒア クエント
という、作者名と
#恋愛 #一般人
何らかの記号と、文字が記してあった
勇者
何だろう、これ
私が疑問に思っていると
帰ったよー
どうやら魔法使いさんが帰ってきたらしい
魔法使い
それで、理解できたのかい?
勇者
はい!
魔法使い
…そうか
魔法使い
君は、あの書を読んで、気づいたことはないか
勇者
えっと、内容は難しかったですけど、
理解できない程ではありませんでした
理解できない程ではありませんでした
勇者
けど、この書を書いた人の名前
勇者
そして、最後に記されていた記号の意味は分かりませんでした
魔法使い
ふむ
魔法使い
まぁ、及第点といったところかな
魔法使い
いいだろう、魔法を使えるようにしよう
勇者
!
魔法使い
ただ、言っておかないといけない
魔法使い
魔法というのは外法の術だ
魔法使い
君に害が及ばないようにはするが
魔法使い
多少の苦痛、人格の歪み等が発生する可能性がある
魔法使い
それを避けるため、今回は手間をかけるのだが
魔法使い
万が一、ということがある
魔法使い
それを受け入れる、乗り越える覚悟はあるか?
勇者
…はい
勇者
覚悟はできてます
魔法使い
魔法使い
分かった
魔法使い
では、始めよう
魔法使い
目を瞑っておけ
勇者
・・・
瞬間、私の中身がかき混ぜられるような感覚と既視感を受けた