気持ちの悪い感覚が収まり
大分気持ちを落ち着かせることができた
おい、聞こえるか
勇者
え!?
聞こえているようだな
もう、目を開けていいぞ
勇者
え!?何ここ!
落ち着きなさい
勇者
勇者
はい
じゃあ、今からここの説明をする
ここは、君という存在を形成する場所
君の全てがある場所だ
勇者
?
まぁ分からなくてもいい
勇者
そう
ここには君の歩んできた道がある
多分、近くにキューブがあるはずだ
勇者
うん、あるよ
そうか、じゃあそれに
勇者
触れればいいの?
…あぁ、何で分かったんだい?
勇者
うーん、何となく?
そうか
では、触れてみてくれ
勇者
うん
私は光輝くキューブに触れた
視界が、歪む
勇者
勇者
…え?
そんな、あり得ない
ここは
君の生まれた村
そして、もう存在しない村だろう?
勇者
…うん
そうだ、ここは私の生まれ故郷
焼かれてなくなった生まれ故郷
おかあさーん!
勇者
!
はいはい、おかあさんですよー
どうしたの?■■ちゃん
あのね!友達の■■君が…
勇者
何で…
あの子供は、あの少女は…
勇者
私がいるの?
そろそろ次のシーンだな
勇者
待って!
無理だ
視界が、歪む
王様
そこの娘よ
はい?
王様
そなたは女神様に選ばれた
王様
そなたには勇者となって魔王を倒してもらう
女神様?勇者?
勇者
何で…
君はここで勇者となったのか
さて、次のシーンへ移ろうか
勇者
もう、好きにして
視界が、歪む
魔王よ!今日で貴様も終わりだ!
勇者
は?
何?これ?
魔王
ククク、愚かよの
魔王
貴様の力などが、我に効くとでも?
私には貴様を倒す役目がある!
そうやって調子にのったまま敗れるがいい!
こんなの、私は知らない
勇者
何なの?
勇者
ねぇ!魔法使いさん!いるんでしょ!
ああ、いるよ
君が言いたいことは分かる
けれど、私も驚いた
まさか、こんなことがあるなんて
私はどうやら、とても弱かったらしい
勇者
何いっているの!?
勇者
早くこの状況を説明して!
落ち着いてくれ
まずは、君を魔法使いに
勇者
魔法なんていらない!
勇者
もう、訳が分からない!
勇者
何で、何で私が
勇者
私の知らない私がいるの!?
・・・そうか
なら、君を戻すよ
『目を覚ませ』
視界が、歪んでいく