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綾乃

ごめんなさい、鈴宮さん!

綾乃

会社の外に呼び出した上にお待たせしちゃって!

綾乃

(葵の目を盗んで話すには、会社の外しかないんだよね)

光里

いいんですよ、私の方から声をおかけしたので…

綾乃

とりあえず、ちょっと歩きながら話そっか

光里

……はい

綾乃

私と葵のこと……だよね

光里

………

綾乃

ごめんなさい、今まで黙ってて…

綾乃

あなたの気持ちを先に知ってしまった以上、余計に言い出しづらかったの

光里

……そうだったんですか

光里

私なら大丈夫ですから、お気になさらないで下さい

綾乃

……そう

綾乃

ねぇ、鈴宮さん

光里

はい?

綾乃

葵ってね、あなたが言ってた通り、すごく嫉妬深い所もあるし…

綾乃

あなたが重荷に感じてたのもね、なんとなくわかっちゃうの

光里

………

綾乃

でもね、葵ってあんなふうに見えて本当はけっこう気が弱くて…不器用なんだと思うんだ

綾乃

だから私は…嫉妬深さも葵の愛情表現だと思ってる

光里

………

綾乃

そういう葵の性格に耐えられなかった鈴宮さんが、もし葵とヨリを戻したとしても…

綾乃

鈴宮さんがまたしんどくなっちゃったら意味ないんじゃないかな…

光里

……そうかもしれないですね

綾乃

だ、だからね…

光里

だからなんなんですか?

綾乃

……え?

綾乃

(なんか…いきなり目つき変わってない…?)

光里

フフッ…

光里

藤崎さん、なんか勘違いしてません?

綾乃

……勘違いって?

光里

私……葵くんのこと諦めるなんて…

光里

一言も言ってないじゃないですか(笑)

綾乃

………!!

綾乃

どういう意味?

光里

そのままの意味ですよ?

光里

私、今でも葵くんのこと、好きですから!

綾乃

鈴宮さん…

光里

昨夜の飲み会の後…

光里

2人でお楽しみだったみたい…ですね

綾乃

え…?

綾乃

そ、それが一体、なんなの?

光里

懐かしいなー

光里

ねぇ…藤崎さん

光里

葵くんって……エッチうまいですよね

綾乃

………

光里

私ね、あんまり長い時間かけてしたくない方なんですけど…

光里

葵くんって、なんだかずっとしていたいぐらいだったんですよね♡

光里

キスも大好きだし

光里

……彼、私の胸の形が綺麗だって褒めてくれたこともあるんですよ

光里

指でされちゃうと私…我慢できなくなっちゃって////

光里

シーツをビショビショに濡らしちゃったりすること、何度もあったなぁ////

綾乃

………!

光里

それにね、彼…口でしてあげるとすぐイッちゃうんですよね(笑)

光里

でもね、1回出した後の方がすっごい元気になっちゃうのー♡

綾乃

……やめて

光里

そこから…何時間もいろんな体位ですっごく激しく突かれちゃって…

光里

私、何回イッちゃったかわからないんです…♡

綾乃

お願い…!

光里

あ、そうだ!今でも彼…してますか?

光里

……バックでしてる時に

光里

耳元で、甘〜い声で…言葉責め♡

光里

あれ、すごくゾクゾクしちゃった…私っ♡////

綾乃

もうやめてよ!!!

光里

………

光里

ぷっ、もしかして……彼の愛し方って今でも同じだったりするんですか?(笑)

綾乃

こんなことして、一体なんになるわけ?!

光里

……教えてあげてるんですよ?

綾乃

教えるって…何を?

光里

あなたは所詮、私の「二番煎じ」なんだってこと

冷たい風が、綾乃の髪を吹き上げて去っていった

綾乃

………

お局様

……あら?

お局様

なに、この書類

お局様

…ちょっと!藤崎さん!!

綾乃

……はい!

お局様

この報告書類、作成したのってあなたよね?

綾乃

そ、そうですけど…

お局様

誤字脱字だらけじゃないの!!

綾乃

あっ…

お局様

いい加減な仕事はしないでちょうだい!!

綾乃

す、すみませんっ…!

綾乃

すぐにやり直しますっ!

お局様

ふんっ!まったく…

お局様

……男にウツツ抜かしてるからこんなミスするんじゃなくて?

綾乃

……っ

お局様

だいたいから、あの桐矢くんとあなたなんかがどうして…ブツブツブツ…

綾乃

そうかも…しれませんね…

お局様

……え?

綾乃

……すみません、私…私っ…!

お局様

ちょっと!あなた…どこ行く気?!

目に涙を浮かべた綾乃は、オフィスを飛び出した。

光里

……クスッ

ちょっと、ドリンク休憩行ってくるわ

社員

へいへーい

葵が廊下を歩いていると、オフィスの方から走り去る人影が目に入った。

ん?

今のって…

慌てて走って後を追いかけた

おいっ!綾乃!

綾乃

!!

腕を掴まれ、振り向いた綾乃の顔は涙で濡れていた

……なんで泣いてんの?

綾乃

あ…!

どうしたの?

綾乃

な、何でもない…!

綾乃

ほっといて!!

はぁ?!ほっとけるわけが…

綾乃

私がバカだから…

綾乃

バカだから、恋も仕事も中途半端で…

……何言ってんの?

ちゃんと、わかるように話してよ

綾乃

………

綾乃

私は……光里ちゃんの「二番煎じ」

え?

綾乃

葵……私にする時みたいに、あの子のことも抱いてたんだね

綾乃

何度も、何度も…

綾乃

あの子が尽き果てるまで、何度も…!

……光里ちゃんが言ったの?

綾乃

………

綾乃

……私、葵のこと好きだよ

綾乃

好きだから、信用もしてる

………

綾乃

でもね…

綾乃

好きだから……辛いのっ…!!

綾乃…

綾乃

ごめん、今日はもう…まともに何もできそうにない…

綾乃

こっちから連絡するまで、待ってて欲しいの

………

……わかった

腕を掴んだ手の力を緩めると、綾乃はスルリと抜けて行った…

光里

葵くんっ!

………

光里

葵くんの方から呼び出してくれるなんて…!

光里

私、嬉しくて残業断ってきちゃった♡

そっか

あ、ごめんね、こんな個室の店なんかに呼んじゃって

光里

えっ?…あぁ、そういえばそうだね

光里が入社してきて以来、社内はもちろん2人でゆっくり話せる機会もなかったじゃん?

だから2人っきりになれる場所を選んだんだけど……ダメだった?

光里

……ううんっ、そんなことないっ…!(ドキドキ)

ならよかった

こうして直接2人で会うのって……何年ぶりだろうな

光里

ほんとだね…

光里、昔と全然変わってないからビックリしたんだよな、俺(笑)

光里

葵くんも…相変わらず、素敵だよ…♡

そう?ありがと

光里

あっ…

光里

今日は…藤崎さんとは一緒じゃなかったんだね

あぁ…アイツなら、午後に早退したみたいだからさ

光里

……そうなの?

光里

体調でも悪いのかな?

光里

私、心配だな…

………

光里

でも、本当にいいのかな?

光里

こんなふうに2人だけで会ってるなんて…

光里

藤崎さんに申し訳なく思っちゃう…

………

まぁ…それなんだけどさ

なんつーか…その、俺…

光里

……なに?

何年かぶりに光里とまた再会できて…

ぶっちゃけ…ときめいちゃったってゆうか…////

光里

……うそ…本当に…?!

昔からだけど……また綺麗になったよね

光里

葵くんっ…♡

光里

わ、私もね…

光里

こんなこと言ったら引かれちゃうかもしれないんだけど…

ん?

光里

ほんとは、葵くんがいる会社だってわかってて入社したのっ…

光里

偶然カタログ雑誌の表紙に写ってる葵くんを見つけて…

光里

そしたら、一気に葵くんへの気持ちが溢れてきちゃって…!

光里

会社名も場所も全部調べて…

光里

家もこっちに引っ越してきたんだよ

なんでそこまでして…

光里

葵くんに…会いたかったの

光里

どうしても…!

……なんで?

俺たちが別れたのって…

光里が他に好きな奴ができたからだった…はずだよな?

その男と……体の関係も持ったって

光里がそう言ったから、俺は…

光里

…………

光里

違うよ

光里

私……葵くんのこと、嫉妬させたかっただけなの!

どういうこと?

光里

ねぇ、覚えてないの?

光里

私、葵くんに何度も問い詰めたことがあったよね?

光里

『本当に愛されてるかどうかわからない』って…

………

光里

私が他の男の人と仲良くしてても、葵くんは嫉妬するどころか見向きもしなかった…

光里

会えばエッチばっかりでっ……私、葵くんの彼女なのかなんなのか、わからなくなっちゃったの!

光里

そのこと問い詰めたら、葵くん…こう言ったんだよ

光里

『ごめん、正直そういうの、重たいんだ』って

……ハァー…

マジで…?俺、そんなこと言ったんだ……

光里

だから…最後にね、試してみたの

光里

好きな人ができたって言ったら、葵くんが嫉妬して引き止めてくれるのかどうか

光里

他の男の人とエッチしちゃったのも、半分はそんな葵くんへの当て付けだった…

光里

でも結局…葵くんは引き止めてもくれなくて、私たちは別れたんだよ…

光里

でもね、私…それからどんな人と付き合ってもあなた以上に誰も好きになれなくて…!!

光里

あれから5年間、ずっとあなたのことだけを想ってきたの…!

光里

葵くんのことが…今でも好きっ…!!

………そっか

とりあえず……

ほんっとに、ごめん!

光里

え…?

光里と付き合ってた頃って俺…ハタチぐらいだったよな、確か

なんつーかさ…それぐらいの頃って性に奔放だったってゆうか…

とにかく頭の中がさ、今以上にエロいことでいっぱいだったんだよね…(笑)

だから光里に対してそんな感じだったのかもしれないけど、傷つけてたのは事実だから…

……ほんとに、ごめん

光里

………

でも、これだけは信じて欲しい

俺、光里のことちゃんと好きだったよ

可愛いと思ったから告白も受け入れたし、もちろん光里以外の女と関係持ったりなんてしなかった

ただ…俺がバカで鈍感だっただけで、光里は何も悪くないよ

光里

葵くんっ…

光里

それじゃあ、私がしたこと…許してくれるんだね…?

うん

でも

綾乃を傷つけることだけは許さない

光里

………え

光里

葵…くん…?

なんのことか、わかってるだろ?

光里

………!

光里

そ、それはっ…

俺、アイツのあんな泣き顔見たの、初めてなんだよな

正直…キツかった

光里

……で、でも

光里

私、あんなことできちゃうくらいに葵くんのことっ…

あ、それとね、これは俺の個人的な想いなんだけどぉ

別れた男の性癖とかを他人にベラベラ話して楽しんでるような下品な女ってさ…

大っ嫌いなんだよねっ、俺♡(ニッコリ)

光里

………!!

光里

……そう

光里

わかった

……話はそれだけだから

じゃあ…

光里

……あんな女のどこがそんなにいいの?!

え?

光里

あの人……いろんな男を良いように弄んでたって噂で聞いたんだよねぇ、私(笑)

光里

そんなの、ただの性悪じゃない(笑)

光里

葵くん、きっとあの人に騙されてるんだよ!

………

光里

……ね?

まぁ、男を弄んでたっていうのは間違いじゃないかも

光里

やっぱりそうなの?

うん

アッシーくんに最南端の孤島まで迎えに来させようとしたりー

メッシーくんに食事の好みで無理難題押し付けたりー

あと、なんだっけ…

男の前でゲップとかオナラしてみたり?(笑)

光里

……なんなのそれ…ゲップって…

だからさ、アイツって基本的に誰に対しても悪意って物がないんだよね

……自分の気持ちを優先して、誰かを傷つけるような真似だけはしない女なんだ

そうゆうトコなのかな?俺が綾乃を好きな理由って…

光里

………

……それとさ、光里

光里

……え?

お前、綺麗になったのは本当だよ

だから…

5年も自分のこと殺してないで、早く前に進めよ

光里

………っ

じゃ、俺帰るけど…

明日も仕事なんだから、早めに帰りなよ

……パタン

光里

………

光里

ズルいよ、葵くん…

光里

あなたがそんなだからっ…また好きになっちゃうんでしょっ…!!

カラダの関係は、お試し期間後に。

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コメント

7

ユーザー
ユーザー

やば… 小説書いてほしい((w

ユーザー

天才ですね

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