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風亜

......

強くなろうと決めた。

あれは4年前。

まだ俺が中学生だった時のこと──

「お前ってネクタイ似合わないよな」

風亜

え?

突然言われた。

自分ではそんなこと思ってもいなかった。

だけどその時はまださほど気にしていなかった。

ただ...。

風亜

あの...好きです。
もし良ければ付き合って下さい。

好きな人に告白した時。

「ごめんね?」

「ネクタイ似合わない人、男だと思ってないからww」

そう振られた。

普通に振られただけなら立ち直れたのかもしれない。

でも、相手の性格が悪かったからか、その言葉が深く刺さった。

次の日から俺はネクタイをしなくなった。

当然先生は注意してきた。

でも、似合わないって言われるのが怖くて、付けようとしなかった。

すると、似合わないって言ってきた奴らは、今度は俺を不良だと言っていじめ始めた。

最初は物を隠されたりすれ違いざまに不良君と呼ばれたり、単純な事だった。

ただ、俺がそれに気にせず過ごしてたのが気に食わなかったのか、どんどんエスカレートしていった。

水を掛けられたり、金を盗られたり、教科書を燃やされたり...。

終いにはピアスも開けられた。

そう、耳に開いてる4つのピアス。

だけど未だに、外すのが分からなくて、怖くて、ずっと付けたままにしている。

調べたけど、それでも分からなかった。

あとからわかったことだけど、このピアスはいじめグループにいた奴の親が経営しているアクセサリーショップの商品で、オリジナルの物らしい。

だから通常とは付け方が違うようだった。

通りで調べても分からないわけだ。

それがきっかけで遂に俺は不登校になった。

中2の頃だった。

それで、ネクタイをするのが怖くて、高校に入っても不登校の状態でいた。

ただ、高校はあまり休み過ぎると留年になるから少しは行ってたけど。

不登校期間中、確かに勉強はしていた。

ただ、自習というのには限界があるもので、遂に勉強が追い付かなくなった。

そして、学力の低いこっちの学校に編入してきた。

これを機に学校へは行くようにしたものの、やっぱりネクタイを付けるのは怖かった──

朱亜

あ、委員ちょおはよ〜。

朱亜君、おはようございます。

希愛

夜ちゃんおはよ〜。

美月

夜ちゃん、おはよう。

希愛さん、美月さん、おはようございます。

いつも通り夜達が挨拶を交わしていると...。

結良

...日高さん...まだ来てないね...。

由叶

今日は...来ないんじゃないかな...。

ルイ

今までのこと...ほんとに悪かったな...。

妃那

私も、今まで奪ったお金とプラス10万持ってきたの...。

未乃

えっ、そんなに...。
お母さんに貰ったの?

妃那

ううん、貯金が趣味だから奪ったお金も貯金してたの。

未乃

なるほど、僕も少しずつ返そう...。

結良達が各々の思いと準備について話していた。

希愛

...いじめのこと、解決しそうで良かったね。

希愛が夜に話しかける。

そうですね。
これで私のこのクラスについての悩みの種は消えました。
1つを除いて...。

朱亜

ちょうどその時、風亜が登校してきた。

夜が風亜に期待の目を向けたが、即座にため息を吐いた。

美月

どうしたの?

昨日注意したのにまだ直ってないですね...。
注意してきます。

朱亜

行ってらっしゃい〜。

希愛

一難去ってまた一難、か...。

希愛は思ったことを口にした。

希良君、おはようございます。

風亜

あ...星那、おはよう。

ネクタイとピアスについて、昨日注意したはずですが?

風亜

...。

風亜は少し気まずそうに目を逸らした。

風亜

...お前さ、委員長ってなりたくてなった訳?

風亜は目を逸らしたまま夜にそう問うた。

え...。
推薦されただけですが...。

突然の質問に動揺しつつも夜は答えた。

風亜

...そ。
情けないな。

風亜はそういうと教室から出ていった。

(はぁ...!?何ですかあいつ...!
少しでも尊敬した私が馬鹿でしたよ...!)

風亜への尊敬心なんて一瞬で消えた夜だった。

るいの

はーい

るいの

恋感情以外割と直ぐに終わりそうなきがしてるるいのでーす

るいの

うん...

るいの

えと...

るいの

はい、以上です

おい

不良転校生の本性は…

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コメント

16

ユーザー

ネクタイ<( ´•௰•`)

ユーザー

そんな過去が… いじめっ子たち案外優しいな┏ ( .-. ┓)┓←

ユーザー

この連載いいね←誰様だ

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