莉犬くんと初めてお話してから1日経った今日
まあつまるところ翌朝
私はいつもの場所で
登校してくる莉犬くんと
そんな彼にいつも通り注意しに来るであろう先生の
見るため、窓の外を眺めている
そろそろ莉犬くんが登校してくる頃かな
なんて思ったその時、聞き慣れた声を耳にする
rinu
coIon
satomi
coIon
rinu
coIon
rinu
satomi
一際目立って聞こえてきた声の中には
お目当ての莉犬くんの声も混ざっている
声のした方へと視線を向けると
桃髪で背の高い彼を真ん中に
3人で並んで登校してくる莉犬くんたちの姿があった
……やった、今日も見れた!
不思議と心が浮く感覚へと駆られる
そんな感覚を心の隅にやりじっと彼を見つめる
各々違う制服の気崩し方をしているけど
一際莉犬くんの姿が目につくのは何故だろう
赤いカーディガンを腰に巻き、
長袖のワイシャツをまくっている彼
スラッとして細身な彼は、
こんな遠くから見ても分かるくい
制服がダボついている
そんなところも彼らしいな、なんて思うと口元が緩む
と、そんな時だった
ふと校舎へと視線をずらしたそんな彼と目が合う
お互いじっと見つめ合うこと数秒
先に口を開いたのは莉犬くんだった
rinu
一瞬で体温が上がったのがわかった
こんな遠くにいるのに
昨日初めて話したばかりなのに
確実に私だと見分けて
大きな声で私の名前を呼んでくれた莉犬くん
彼は誰とでも壁のない気さくな性格だから
私が特別ではないことくらい重々承知しているのに……
バカみたいに緊張して返す言葉を見失う
rinu
ぴょんぴょんしながら
大きく手を振ってくれる莉犬くん
他の登校している生徒の視線を浴びているのにも関わらず
顔色一つ変えずにこちらを見てくれている
そんな彼に少しでも応えたくて
小さくだけど、しっかりと莉犬くんに向けて手を振り返す私
rinu
満面の笑みでこちらへとはにかむ莉犬くん
"嬉しい"という感情がそれだけで伝わってくる
たかが私が手を振り返しただけなのに…
莉犬くんってほんと不思議な人
あったかくて、優しくて、ドキドキして
初めての感情をたくさん教えてくれる
rinu
you
せんせ
rinu
そんな私たちの会話を妨けたのは、例の先生
莉犬くんの視線は私から先生へと移動してしまう
ちょっと寂しいけど、先生ならまあ
元々この2人のやり取りを見るために外見てたわけだしね
ほんの少しモヤモヤを抱えながらも
いつも通り莉犬くんと先生の会話を覗き見る
せんせ
rinu
せんせ
rinu
satomi
rinu
rinu
せんせ
せんせ
satomi
coIon
せんせ
rinu
せんせ
satomi
rinu
せんせ
……莉犬くん彼女いないんだ
意外、あんなにモテそうなのに
つい、そんな思考へと走ってしまった私
……変なの、私ってばなに安心してるんだか
どくどくとうるさくて鳴りやまない鼓動を抑えるかのように
そっと深呼吸をする
you
you
呼吸が整ったところで目線を莉犬くんのところへと戻す
その瞬間ぱちっと目が合う
先程の深呼吸の意味がなくなったかのように、再び鼓動が高鳴る
先生や友達と話しながらも
ちょくちょくこちらへと目線を向けてくれる莉犬くん
私はそんな彼から目線をそらすことができない
すると次の瞬間、莉犬くんの口が開く
「ま た あ と で」
恐らくではあるけど、口パクでそう言い放った彼
またあとで……つまり今日もう一回莉犬くんと話せるってこと?
胸がきゅっと締め付けられる
嬉しくて幸せで、また早く君の近くに行きたくて
今まで恋なんてしたことがなかった私だったけど
迷うことなく確信した
私、莉犬くんに恋してるんだ
気づいた気持ちに勘づかれないように自然を装って
「ま た あ と で ね」
と口パクで返した私
そんな私の言葉にニカッと笑ってくれた莉犬くん
やばい、恋って想像以上に調子が狂う……
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
139タップお疲れ様
コメント
4件
こういう青春物語まじで好き~!
ドキドキする~! 3人の会話かわいいw