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目を開けているのに何も見えない。
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ｶﾞｼｬｯ、
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…そうだ、僕…
眠らされて…誘拐されたのか。
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わざと明るく振舞ってみせる。
普段から暗い感情を隠しているから、 今感情を隠すのも簡単に出来る。
ﾄﾞｺｯ、
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相手は1人。
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ｶﾞﾁｬｯ､
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言葉がナイフみたいに刺さる。
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前までの僕なら耐えられた。
今は…
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ｶﾞﾁｬﾝｯ。
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仲間のことについては絶対に言わない。
言うなら僕の情報。
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明らかに動揺している。
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ｶﾞﾁｬﾝｯ
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気絶する直前、無線機をONにしたはず
きっとそれで状況は把握してる。
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皆のことを思うと寂しくなる。
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…そういえば。
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今は両手両足縛られている。
弱い僕だからか、縛るのは緩め。
すぐに解けそう。
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くしゃみをするフリをして、 音の反響で広さを確認する。
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足元が少し冷える。
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拘束されてる両足を前に伸ばす。
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鉄格子らしいものもある。
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…ｺﾞｿｺﾞｿ、
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ｶﾞﾁｬｯ
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ｼｭｰ……
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ﾊﾟﾁｯ
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さっきまで牢屋にいたはずなのに。
満点の星が僕を見下ろしている。
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何か大切なことを忘れている気がする。
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ｶｻｶｻｶｻ………ｯ
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地面から手をつたって小さくて黒い 虫のようなものが僕の身体に 這い上がってくる
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振り払っても無数に湧く小さい虫。
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遂に頭まで虫が上ってきて、 視界が黒く染まった。
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ﾋﾞｸｯ
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身体中に痛みが走る。
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本で読んだことを思い出そうとする。
それを痛みが邪魔した。
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ｸﾞｲｯ
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ｻﾞｸｯ
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kr
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pn
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tr
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sn
これは何かの悪い夢だ。
自分の中の仲間に甘えてちゃ…
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そのうち痛みが加速していって、
僕の意識が闇に溶けた。
コメント
3件
続き凄い気になります！！ 面白い作品ありがとですっ
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