今日も金色の光を受け鳥たちの歌声で少年は目を覚ました。 街から歩いて2時間という距離にある町外れの村の少年だった。 少年は毎日日が昇ると共に目覚め、2時間かけて街の学校を目指すのだ。 そしてその日もいつもと同じように寝癖を直し歯を磨き服を着替え、飼っている鳥たちにご飯を上げ、鳥かごの扉をあけ家を出る。 この鳥達は少年が帰る時間を見計らって家に帰ってくるのだ。 そして歩いて10分も立たない所で鳥たちが騒いでいるのを見つけた、気になって鳥たちをかき分け見てみるとそこには見たことの無い群青色の雛が元気無さそうに歩いていた。
少年
当たりを見渡すが巣は見当たらなかった。
少年
少年は学校を遅刻する事をよそ目に雛をそっとハンカチに包み来た道を折り返した すると鳥達も心配するように着いてきた。 家に帰るとまずお湯の蒸気で雛を温め、 鳥達と同じご飯を与えた その雛は警戒する素振りを見せず食欲も旺盛だった。
少年
それからというもの、周りの鳥達と共に群青色の雛はみるみるうちに成長していった 1年がたった頃には、大空を心地よさそうに飛び、どの鳥達よりも鮮やかで美しい姿へと変わっていた。 少年はそれが誇らしくいつしか学校を行く事よりも鳥達と戯れる事を優先していた、 そんな少年を見かけた母が学校へ行かないと鳥達とは遊べなくなると良い、少年を学校へ行かせた。
少年
そんな気持ちを抱え学校が終わると共に走って家へと帰った。 すると珍しく母が鳥かごの前で何か独り言を言っていた
少年
少年の声に振り返った母を見て少年は驚いた 母の目には涙が零れていたのだ。 落ち着いた頃に訳を聞くと朝鳥かごをあけると鳥達は皆行き良いよくとびでた、それまでは良かったが、少年が帰った今もまだ群青色の鳥だけが帰ってこないという。 それを聞いた少年は慌てて家を飛び出し登下校の道を駆けた
少年
どれほどの時間をさ迷っただろうか しかしそれ以来鳥は帰ってくることのないまま数ヶ月が過ぎた 少年は今まで飼っていた鳥をいつもの様にかごをあけいつものように学校へ向かう。 するとある日見た光景が目に浮かぶ、鳥達が騒いでいたのだ、もしやと思い少年は鳥達の中へとかけるとそこには群青色をした雛がいた。 そしてその雛の横には雛のものではない どんな澄んだ大空よりもどんな透き通る大海よりも綺麗な群青色の大きな羽が1枚落ちていたのだ
少年
そして僕が寂しくないように、 彼を授けてくれたのだね。 そしてその雛が大空を舞えるまで成長した頃 学校の帰りに彼は見たのだ 2匹の青い鳥が空高く心地よさそうに羽ばたく姿を。
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