夜になると少しずつ落ち着きを取り戻し
夕飯も普通に食べることができた
この日はたっくんと一緒にお風呂に入り
いっちゃんが身体を拭いてくれた
寝る時間になって寝室に入ると
いっちゃんが暫く電気をつけてくれていて
布団に入って電気を消すと
天井や壁の星達が一斉に光り出した
美結
ピカピカ……
郁美
キレイだね~
拓郎
そうだね
少しずつ薄れていく不安な気持ち
二人は私が眠るまでずっとそばにいてくれた
何をするにも私が中心で
自分達のことなんて二の次で
私が寂しくならないように
私が不安で泣き出したりしないように
いつもそばにいてくれる
握りしめた手の温もりが
スーっと優しい眠りへと誘う
キラキラと輝くお星様の下で
スヤスヤと寝息を立てる私の姿に
たっくんはいっちゃんの手を握る
拓郎
郁美さん
郁美
ん?
拓郎
本当にありがとう
拓郎
美結のことをこんなにも大切にしてくれて……
郁美
いえいえ
拓郎
こんな僕のこと好きになってくれて
拓郎
こんな僕と結婚してくれて
郁美
たっくん……
拓郎
あの船に乗ってよかったなって思うよ
拓郎
郁美さんと出会えて
郁美
違うよたっくん
拓郎
え?
郁美
たっくんだから好きになったんだよ
拓郎
郁美さん……
郁美
たっくんの方こそ……
郁美
こんな私のこと好きになってくれて
郁美
本当にありがとう
どれくらい時間が経ったのか
何気なく時計を見ると
もう夜の12時を過ぎていた
亮二
うわっ!もうこんな時間……
美結
なんか一気に話したから喉乾いちゃった
亮二
お茶持ってくるよ
美結
あー、でもまだ前半部分しか話せてない気がする
亮二
時間がかかるのは覚悟してたけど
美結
まだ話す?
亮二
明日に備えて寝た方がいいかもね
美結
じゃあ、続きはまた今度ってことで
亮二
あ!ごみの分別忘れてた……
美結
明日朝イチでやろう!
亮二
間に合うかな……
亮二
ってか美結、お腹すいてない?
亮二
夕飯食べてないし
美結
あー、でもいいや
美結
なんかこのまま寝たいかも~
亮二
風呂は入るよね?
美結
うん
亮二
俺ソファーで寝るから
美結
え?
美結
一緒に寝ようよ
亮二
嫁入り前の娘さんなのに?
美結
大丈夫だよ
亮二
俺、我慢できなくなるかもよ?
美結
ちょっ、亮ちゃん……
亮二
冗談だよ
亮二
風呂沸かすから
美結
ありがとう!
プロポーズされた次の日に挨拶なんて
たっくんはどんな反応するんだろう?
反対されることはないと思うけど
やっぱり泣いちゃったりするのかな?
こんなこと初めてだから
ほんの少しだけ緊張してきた