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別荘の言い伝え

別荘の言い伝え

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別荘の言い伝え

♥

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2020年03月03日

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ガタン ゴトン  ガタン ゴトン (電車の走る音)

電車の中

翔太

お母さん、どうしても別荘行かなきゃだめ?

だめよ

翔太は家にいてもゲームばかりじゃない

翔太

いいじゃん!楽しいもん!

だめよ

そんなんじゃ

ろくな大人になれないもの

翔太

でも別荘はやだ!!!

翔太

つまんなそう!

楽しいわよ

小さな川があってそこに小魚達がいるわ

かえるや、とんぼもいるわ

翔太

えー虫捕りあみとか持ってきてないよ

別荘にあるから大丈夫よ

翔太

えーなんであるの…

翔太

僕、来年から4年生だよ!?

翔太

もう10歳になるんだよ!?

翔太

大人だもん!

翔太

翔太

なに?

別荘にはな

昔から言い伝えがあるんだ

翔太

言い伝え…?

そうだ

怖がるんじゃないぞ?

翔太

怖くなんかないもん!

翔太

もうすぐ大人だもん!

翔太

そんなのへっちゃら!

じゃあいうぞ…?

翔太

ゴクリ…

1.夜の井戸には近づかないこと

翔太

翔太

1ってことはまだあるの?

まあ聞いとけ

2.夜に一人で出歩かないこと

3.看板の文字を覚えてはいけない

この3つだ

翔太

1と2は分かったよ

翔太

けど3がよくわからない

3はな

5ヶ月間その言葉を覚えておくと、やばいことになるんだ

翔太

やばいことって?

それは父さんでもわからんな

翔太

えーつまんないの

シューガシャ(電車の扉が開く音)

あっ、着いたわよ!

降りるよ!

翔太

…はーい

翔太は渋々、別荘へ向かった

翔太

どこに別荘があるのー?

別荘はあれよ

お母さんが指を刺した場所には古い建物があった

翔太

いかにも、幽霊が出そうな場所〜

まあまあ、行くわよ

翔太

お父さん、あの井戸が噂のやつ?

そうだよ

近づくなよ?

翔太

はーい

翔太

お父さん!遠いけどあそこ、看板あるよ!

見るな!

いつもは優しいお父さんが、悪夢みたいな声を出し言い張った

翔太

えっ…と

あぁ、ごめんごめん

看板は、見ちゃだめだよ

翔太

わかった…

しばらく歩いていくと…

ああ、二人とも着いたわよ!

よし!翔太、お父さんと釣り行くか?

翔太

釣りー?

やってみればわかる

たのしいぞぉ!

荷物置き終わったら、父さんのとこにこい。

翔太

わかった!

翔太

ここが、僕の部屋…?

翔太は自分の部屋と書かれているところに入って、荷物整理を始めた

翔太

えーと、これはここに置いておいて…

翔太

これは大事なものだからこっちに…

翔太

これは、僕の貯金箱!!

翔太

で、えーと…

荷物整理をしていると、お父さんの声が聞こえた

翔太ー?

父さんは用意終わったぞー?

なにも持たなくていいから、早くおいでー

翔太

ちょっとまってー!!

翔太

えーと…これは…

翔太

んー

翔太

もういいやっ!

翔太

鞄の中入れとけばいつかは、やるでしょ!

翔太

お父さんー!

声がする方向へ向かった

あっ、翔太!

翔太

釣り行こう!

そうだな

釣り場に歩いていく途中

翔太、さっきはごめんな

翔太

強く言いすぎた

翔太

ぜんっぜん気にしてないよ!

そうか

ならよかった

翔太

釣り場についたぞ

大物釣ろうな

翔太

うんっ!

僕と父さんは夢中になって釣りした

気づくと辺りは暗くなっていて、早く帰った

翔太

ただいまー

おかえり

翔太が大物釣ったんだぞー!

見るか?

翔太

そうなんだよ!大物釣れた!

あら、凄いわね!

ご飯できてるわよ

翔太

はーい!ご飯なにー?

シチューよ

翔太

やったーシチュー大好き!

そう言って席につき、僕は食べ始めた

翔太

いただきまーす

別荘は気に入った?

翔太

うん!

来年も来たい?

翔太

うん!!!

翔太

来年もいいのー?

いいわよ

お金の節約にもなるし

翔太

やったー!

翔太

お母さん大好き!

夜ご飯を食べ終わり、自分の部屋に向かうと 父さんが

翔太

窓は、開いてるけど

外には出るなよ?

ましてや、井戸に行くこともするなよ?

翔太

うん!わかってるよー!

翔太

おやすみ!父さん!

おやすみ

翔太の部屋

ああは言ったけど、僕は外に行く気満々だった

翔太

よいしょっと

翔太

これ持って

翔太

ベッドの中に、巻いた毛布入れとけば大丈夫でしょ

父さんがあんな声を出した理由と

僕は別荘に初めて来るのに僕の名前の看板があったかわからないから

その二つの真相が、看板に書かれている気がしたから

翔太

よしっ…

翔太

窓開いてるの教えてくれてありがとね…

ガチャッ(窓を開く音)

翔太

行ってきまーす(小声)

翔太

よしっ!脱出成功

翔太

!?

後ろから邪悪なものがついてきてるような気がしたから

僕は、看板の方へ走った

翔太

はぁ…はぁ…

必死に入っていると、看板があった

翔太

えーと…はぁはぁ…

翔太

覚えなかったらいいんだよね?

看板にはこう書かれていた

いいつたえ 1.夜、井戸には近づかないこと 2.夜出歩かないこと 3.この看板を覚えること 4.この別荘へ連れてきたものの、言葉を信じちゃいけない。例え、家族でも

翔太

えっ…?

翔太

これ…言い伝え?

翔太

看板を覚えろ?

翔太

お父さんと、お母さんの言葉を信じちゃいけないの…?

そこで僕は

目が覚めた

翔太

はっ!!

翔太

あれは…全部夢?

翔太

夢なら、忘れないようにメモに書かなきゃ…看板の文字を

翔太

すぐ忘れちゃうもん

看板の文字を書いているとお父さんが部屋に入ってきた

翔太なにを書いてるんだ?

翔太

夢のメッセージ

どれ、見せてみろ

翔太?

翔太

なに?

あの看板を見たのか?

翔太

えっ?

見ちゃだめだって言ったよな?

翔太

お父さん…?これは夢の話だよ?

翔太、ちょっとこっちにおいで

今、お父さんの方へ行ったら自分が自分じゃなくなるような気がして、僕は窓を開け自分の部屋から飛び降りた

翔太

いったぁ!

翔太

絶対、足骨折した

サラリーマン

大丈夫かい?

翔太

あの!

翔太

僕のお父さんが夢のことを知ってて

翔太

寝てただけなのに

翔太

なんかおかしくて!

翔太

ここ僕の家なんだけど!

サラリーマン

何言ってるんだい?

サラリーマン

ここは、昔から空き家だよ

サラリーマン

大丈夫?

翔太

えっ?

僕は病院に連れて行かれ、

いろいろ検査された

病院の人の話だと、僕は2歳の頃に親に捨てられて、行方不明の孤児だったらしい

あの空き家の話を聞いたところ

当時、5歳の翔太くんとお父さんお母さんで別荘に行ったあと、殺人事件に巻き込まれ、自分たちの遺体を井戸に落とされたらしい

あのお父さん(?)は誰だったのか、あの夢や、看板はなんだったのか

20になった今でもわからない

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