Grand Murder Game

｢待て！！｣

その場にいた全員が声の方を見た

発せられた声は

パソコンからだった

※以下のテロップは パソコンから発せられる声です

俺だ

要 ｢ああ、そうだ｣

そんなことはどうでもいい

課長 ｢そんなことってお前っ…｣

画面の中で課長はため息をついた

要 ｢昨日の夜｣

藤田は2つ 先輩から取ったろ

一日に2つ取るってのは

ルール違反じゃないのか？

ケンはリョウの方をチラリと見た

そしてニヤついて言った

ああ、切ってあったよ

｢マイク｣だけな

ケンはきょとんとした顔をした

パソコンに強い奴はこっちにもいるんだよ

そいつに解析してもらった

画面の中の要がニヤリと笑った

いいや？

お前らが いくつかの視点のカメラを 用意してくれたおかげで

ちゃんと映ってたよ

要は手を握りしめる

お前が

先輩に

キ･･･

ゴリン

･･･え？

リョウの口にミサトが手を当て

リョウの眼をくり抜いていた

な……

リョウは上半身を前に倒し

ガックリとうなだれていた

リョウの目から雫(ｼｽﾞｸ)が落ちた

赤い雫と

透明な雫が｡

要は握りこぶしをつくった

手のひらに爪がくい込み、血が滲んだ

ガンッ (机を叩く音)

犬飼が要の肩にそっと手を置いた

涙が机へ2.3滴 落ちた

視界が歪む

ポンポンと肩をたたく課長の手が

暖かく感じた