後編 手紙には…
海
加那
手渡されたのは 千香らしい絵柄の手紙だった。
今これを読んでいるなら 私はきっとこの世に居ないと思う。
私は…
元から 余命数ヶ月の難病にかかってたの。
だから、誰とも関わらず最後を 迎えようとしてた。
そのときに出会ったのが あなたよ。海…
たくさんの幸せをありがとう…
たくさんの日々が輝いて見えた。
死ぬとなると怖くて… でもあなたが居てくれたから、
私は幸せだった。
ありがとう。…
難病と聞いた瞬間 世界に色がなくなった。
それを、取り戻してくれたのは
輝いてみえたのは
すべて海のおかげ。
実はね…私も前から 海が大好きだったの。
今から愛しあっても遅いと思ってた。 だから、告白を断ったの。
もう私はこの世にはいないけど。
ずっと前からあなたが好きでした…
あなたしか…見えなかった。
今までありがと。 私はずっと海の心の中に居るわ…
だから、新しい人生を初めて
誰かに恋して 誰かを私の分も全て 愛してあげて。
ずっとあなたの事を
心から愛していました…
愛してくれて ありがとう。
どうか海に言わず旅立つ事を許して…
ごめんね。 そして大好き。
あなたを見守っているわ。
海
海
俺はそれを見て心から思った。
もっと大好きを伝えればよかったと…
ーendー