育てたかった

これで3度目

もうより戻すことはないかな。

2回とも私が別れようって言って

彼はいつも引き止めてくれたけど

冷められてしまったみたい。

新しい出会いを探さないと。

早くふっきれないと。

一言一言が嬉しかった。

黒田くんは私の唯一の逃げ場だった。

この人を好きになれれば

凛のことなんて忘れれるって思った。

お互い本当こんな性格。

一時的に切れて喧嘩になって

別れてしまう。

お互いが好きなのに·····

一緒におりたい。

本当はよりを戻したい。

だけど黒田くんに悪い。

都合いい女になんてなりたくない。

体調がどんどん悪くなる一方。

頭が痛い。

気持ち悪い。

もしかしたら·····

妊娠検査薬を買った。

これで違かったら安心できる。

でも違かったらこの症状は？

尿を紙コップに入れて

検査薬をつける。

ゆっくりゆっくりと赤い線が

浮かび上がってきた。

涙が止まらなかった。

私のお腹のなかに小さな命がいる

1人でどうしたらいいか

分かんない。

ごめんね。

こんなんで会うことも、

バイトにいくこともできない。

数分後

ふと目をあけたら凛がいた。

私の手を握りしめて。

その瞬間気持ちが溢れて

涙がボタボタ流れてきた。

凛は私から顔を背けた。

握りしめられた手がだんだんと

強くなる。

凛は泣いてた。

ぐしゃぐしゃな顔をして

手を震わせながら

もう最後なんだって思った。

本当にこれで最後なんだって。

凛の泣き顔をみて

自分はやっぱり凛を困らせてばっかで

傷つけてばっかだった。

そういって

凛は泣きながら

私を抱きしめてくれた。

もういい？

周りのこと気にせんで

自分の気持ちに素直になって

自分の幸せを持っていい？

二人ともわんわん泣いた。

もう私はこの人が最後でいいって思った。

そういって私は妊娠検査薬を

見せる。

お腹を優しくさすりながら

嬉しかった。

ほんとに嬉しかったの。