コメント
3件
お久しぶりの更新となります.ᐟ.ᐟ 400タップと長いですが、申し訳ありません💦
愛白
愛白
愛白
クルエダ
クルエダ
愛白
愛白
クルエダ
クルエダ
クルエダ
ケイド
クルエダ
クルエダ
イヴィ
愛白
クルエダ
クルエダ
イヴィ
クルエダ
クルエダ
愛白
愛白
愛白
クルエダ
クルエダ
愛白
──あれは、まだ寒い日のことだった
溶けゆく雪に交わる朱を
私は、誰よりも近くで見ていた
クルエダ
幼い頃から、モーガン家に仕えてきた
クルエダ
物心つく頃には、ここに居た
クルエダ
このために生まれてきたと信じていた
クルエダ
遊戯なんて知らない
仕えること以外、何も出来なかったから
私の母は
私の命と引き換えに
この世を去ったらしい
この時代では、貧しい方だった
母が亡き今
私は安定して稼げる「召使い」になるため
学習から、マナーまで
厳しく躾られてきた
クルエダ
クルエダ
この人は、「メイド長」と名乗っていた
ソフィア
クルエダ
クルエダ
ソフィア
ソフィア
クルエダ
仕えること以外、何も出来ない
選択肢を、幼児期に沢山潰されたから
血と灰で出来た努力を
「天才」の一言で
片付けないで欲しかった
──仕え始めて、数ヶ月がたった頃
いつになく笑顔で、ソフィア様はこう言った
ソフィア
ソフィア
───「クレア様」
この時、モーガン家を統率していた
「ジェシー・モーガン様」の奥方
ご主人様とは違い
物静かで、ミステリアスな方と聞いている
普通は、ベテランの召使いしか仕えることは許されないとの噂まである
クルエダ
ソフィア
ソフィア
ソフィア
ソフィア
クルエダ
正直な所
「もっと、お金を稼げるのかな」という考えが
喜びよりも、先に来た
でも────
そんな煩悩を掻き消すくらいに
あの方は、綺麗だった
クレア
クレア
何もかも吸い込んでしまうような
群青の瞳で
静かに、私を見つめていた
クレア
そうやって微かに微笑んだ
ソフィア様が小さく息を飲んだのが分かった
それくらい、魅力的だったのだ
ソフィア
クルエダ
クルエダ
ソフィア
クルエダ
ソフィア
クルエダ
クルエダ
クレア
ソフィア
ソフィア
クレア
ソフィア
クルエダ
クルエダ
クルエダ
ソフィア
クルエダ
クルエダ
ソフィア
ソフィア
クルエダ
クレア
クレア
クルエダ
クレア
クレア
クレア
──クレア様はお優しい方だった
クレア
クレア
ソフィア
クレア
クレア
クルエダ
潰された道の続きを教えてくれた
この時間が、人生で最も充実していたと思う
ソフィア
クレア
クルエダ
クレア
クレア
ソフィア
クルエダ
ソフィア
クルエダ
──翌年、2月
パリン…
クレア
クレア
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クレア
クレア
クレア
クルエダ
種まきの後
この屋敷に仕える者は
一般教養が不十分だったということを知ってから
何か、出来ることは無いかと悩んでいたのだ
有るまじき事であることは解っていたのだが
クレア様の前で、嘘を吐く勇気なんて
私には無かった
クレア
クルエダ
クレア
クレア
クルエダ
クレア
クレア
クルエダ
クルエダ
物静かなクレア様が
この時、少しはしゃいでいるのを
私は初めて見たのだ
──それから、私とクレア様は
これまで蓄えてきたが出処のなかった知識を活かして
空き時間、他の館の者に授業を行った
ソフィア
ソフィア
クルエダ
クルエダ
ソフィア
クルエダ
ソフィア
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クルエダ
ソフィア
ソフィア
クルエダ
ソフィア
ソフィア
クルエダ
館の者はみるみる学力を身につけ
この館での生活がより充実したものとなったそうだ
私は、そんな風景を見るのが好きだった
そして、なにより…
クレア
クルエダ
クルエダ
クレア
クレア
クルエダ
クルエダ
この方の笑顔が増えていくことが
嬉しかった
───だから
あんなことが起こるなんて
信じられなかったのだ
クルエダ
翌年の4月の事だった
まだこの地方は雪が残っていたが
その白い銀世界に
黒く、赤い差し色が
皮肉にも、よく映えていた
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クルエダ
口からは血が溢れ
整った顔は苦痛に歪んでいた
ソフィア
ソフィア
クルエダ
──毒殺だった
食事に盛られた可能性が高いそうだ
ジェシー様は、その1ヶ月後に
高貴な自室で
首を吊って、クレア様と運命を共にした
当主を失い
多くの館の者が悲しみに暮れている中
ジェシー様の弟である
「クリス・モーガン」様は現れた
娘の、「エリー・モーガン」様と共に
その日から、クリス様が当主となった
多くの館の者を励まし
モーガン家を支えていた
誰に対しても親切で
みるみるうちに信頼を会得していったのだった
私は、エリー様専属の教育係となり
多くの時間を、エリー様の為に使った
私の傷ついた心も
段々と、癒えていった
───そう
あの時までは
クルエダ
クルエダ
ガタッ
クルエダ
薄暗い倉庫で
クルエダ
木箱から顔を出してみると
クリス様がいらっしゃったのだ
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クリス
クリス
クルエダ
向かおうとしていた足がピタリと止まった
そのまま、耳を傾けた
クルエダ
クルエダ
クリス
クリス
───自分の耳を、何度も疑った
そう……
クレア様を殺したのは
この2人だったのだ
クルエダ
ソフィア
ソフィア
ソフィア
クリス
ソフィア
クリス
クリス
この後も、会話を続け
倉庫から出ていったが
私は、その場に立ち尽くしていたままだった
ここはクレア様のお部屋だ
暖かな陽気に照らされているのは
「ルナリア」だった
小さな、小さな、赤紫色の花
花言葉は──────
「幻想」
その、彼奴と同じ色の瞳で
私を、覗き込むな
私の……
私の今まで見ていたものは……
クルエダ
こんなにも、脆く、儚かったのか
クリス
クリス
クルエダ
クルエダ
クルエダ
クリス
クリス
クルエダ
クルエダ
あぁ、なんて可哀想な人
その知識が刃に変わるとも知らず
私に親切にしてくださるのですね───
これでいい
これで、これで────
愛白
愛白
愛白
愛白
愛白
愛白
愛白
ロック
ロック