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#ギャンブル
りんご
904
19
朽華 歌仙
78
【SYSTEM】
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15人のモニターが、一斉に切り替わった。
赤い画面に、最初の質問が浮かぶ。
【SYSTEM】
生徒たち
あまりにも直接的な問いに、誰も声を出せなかった。
自分が嫌う相手ではない。
“他の生徒から嫌われていると思われる人物”。
誰が嫌われていそうかを推測し、名前を選べということだった。
だが結局、自分の偏見や印象を告白する行為と変わらない。
モニターには、自分を除く14人の生徒ナンバーと氏名が縦に並んでいる。
右側にはチェック欄。
画面下には、“完了”のボタン。
タイマーが時間を削っていく。
2:59。
2:58。
2:57。
生島菜々美
菜々美の指が止まる。
ここまで生き残った15人。
全員と親しいわけではない。
苦手に思った相手もいる。
それでも名前を選べば、その相手を恐ろしい結果へ近づける。
生島菜々美
生島菜々美
生島菜々美
慈悲の試練で見た両親が浮かぶ。
本当の2人に、もう一度会いたい。
その思いが指を動かした。
菜々美は罪悪感に押し潰されそうになりながら、3人へチェックを入れた。
画面を見られないまま、“完了”に触れる。
新倉穂乃花
生徒ナンバー25・新倉穂乃花は、目を閉じた。
誰に投票したかは知られない。
だからこそ怖い。
誰にも見られない場所で、人はどこまで残酷になれるのか。
この試練は、それを測っている。
新倉穂乃花
タイマーが減っていく。
1:34。
1:33。
1:32。
新倉穂乃花
震える指で3人を選んだ。
嫌いだからではない。
日頃の態度。
周囲との距離。
他の生徒からの見られ方。
そんな曖昧な印象だけを頼りにした。
新倉穂乃花
心で詫びながら、“完了”を押した。
他の生徒たちも、それぞれの思いで投票する。
嫌いだから選ぶ者。
嫌われていそうだから選ぶ者。
票が集まりそうな人物へ便乗する者。
何も考えられず、目についた名前を選ぶ者。
赤い光が、罪悪感と恐怖を煽っていた。
【SYSTEM】
未投票者のタイマーが赤く点滅する。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
最後まで迷った生徒も、追い立てられるように“完了”へ触れた。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
質問文と氏名が消え、“集計中”と表示された。
若林安曇
生徒ナンバー38・若林安曇は、椅子に拘束されたまま震えていた。
若林安曇
呼吸が浅くなり、ピンク色の眼鏡が白く曇る。
友達が少ない。
同級生と距離を取っている。
それだけで、“嫌われている人”にされるのかもしれない。
安曇には、その予感があった。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
画面に、15人の氏名と票数が並んだ。
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【SYSTEM】
若林安曇
自分の名前の横にある、13という数字。
自分には投票できない。
他の14人中13人が、安曇を選んだ。
ほとんど全員だった。
若林安曇
返事はない。
フィルターの向こうの顔は見えない。
沈黙が、安曇の疑問を肯定しているようだった。
小野田摩智
生徒ナンバー07・小野田摩智の声が震える。
小野田摩智
摩智は、学院内でお嬢様として知られていた。
自信に満ちた態度。
悪気のない自慢。
他人へ指示するような話し方。
本人には当たり前でも、鼻にかけていると感じる生徒は少なくなかった。
小野田摩智
誰も答えない。
加藤麻冬
生徒ナンバー09・加藤麻冬も、10票を見つめていた。
金髪のセミロング。
成績優秀で、小悪魔めいた雰囲気の少女。
人をからかう笑い方も、余裕のある態度も、麻冬は自分の魅力だと思っていた。
加藤麻冬
冷静さが崩れていく。
加藤麻冬
誰が選んだかはわからない。
安曇たちは、全員を疑うしかなかった。
生島菜々美
菜々美は、自分の票数を見つめた。
誰か2人が、自分を“嫌われている人”だと判断した。
生島菜々美
疑問が浮かび、すぐに恐ろしくなる。
この試練は、上位3人だけを傷つけるものではない。
1票でも入った者に、疑いを植えつける。
誰が入れたのか。
なぜ入れたのか。
本当に嫌われているのか。
答えのない疑問が広がっていく。
【SYSTEM】
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【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
若林安曇
小野田摩智
加藤麻冬
【SYSTEM】
答えはなく、機械音が響いた。
安曇、摩智、麻冬の椅子だけが180度回転し、赤い壁から部屋の中央へ向きを変える。
同時にフィルターが消え、涙に濡れた顔が赤い光へ晒された。
若林安曇
小野田摩智
加藤麻冬
残る12人のフィルターは消えない。
3人から、投票者の顔は見えなかった。
部屋の中央。
床から約1メートルの空中に、直径50センチほどの球体が浮かぶ。
赤い金属の表面に亀裂が走り、3方向へ開いた。
内部から赤い光が漏れる。
若林安曇
球体から、3本の光線が放たれた。
若林安曇
小野田摩智
加藤麻冬
光が3人を包んだ。
安曇の眼鏡がずれ落ちる。
摩智の口が、何かを言おうとしたまま止まる。
麻冬の強がりが消える。
3人は椅子に固定されたまま項垂れ、動かなくなった。
赤い部屋が静まり返る。
新倉穂乃花
穂乃花が投票したのは、安曇、摩智、麻冬だった。
自分の3票だけで決まったわけではない。
それでも、3人の名前に触れた事実は消えない。
新倉穂乃花
何度謝っても、3人は顔を上げなかった。
生島菜々美
菜々美は、3人の名前を繰り返した。
その時、奇妙な違和感に気づく。
名前が薄れない。
これまでの脱落者は、直後から顔や声が遠ざかった。
だが今回は違う。
安曇が眼鏡を曇らせて怯えていたことも。
摩智が怒りに声を震わせたことも。
麻冬が友達だと訴えたことも。
すべて、はっきり残っている。
生島菜々美
安曇のずれた眼鏡が、一瞬白く曇り、また透明へ戻った。
生島菜々美
見間違いかもしれない。
だが、3人には傷も血もなかった。
これまでの脱落者とは違う。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
脱落者とは言わなかった。
残存者とも言わない。
ただ、“選出者”と告げた。
3人の椅子が赤い光に包まれ、円の中央へ移動していく。
半透明の赤い壁がせり上がり、姿を覆い隠した。
完全には見えない。
けれど、奥には人影が3つ残っている。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
モニターが、再び切り替わる。
【SYSTEM】
残る12人の前に、次の質問が浮かび上がろうとしていた。
菜々美は、赤い壁の向こうの3つの影から目を離せなかった。
コメント
1件
おお…これは心臓にくるエピソードだったわ。第5試練、まさか「嫌われている人を選ぶ」っていう心理戦に持ってくるとは思わなかった。安曇ちゃんが13票も集まった場面、ほんとに胸が痛かった。しかも今回は脱落者が出なかったから、まだ続くんだよね…?「選出者」って言い方で保留になってる3人の影、めっちゃ気になる。菜々美が違和感に気づいたところで終わったから、次回が待ち遠しい🔥