LIFE

夏休みも終わりすぐに実力テストがはじまった

そうつい最近まで思っていたのにもう返される時期が来てしまったみたい

確か20代前半でもう体感上では人生の半分を占めるって言ってたテレビを思い出した

そんな卑屈にしかならないどうでもいいような知識はそこらに放り投げて俺は目の前のテストに集中する

今回のテスト、俺は絶対礼乃に負けられない

前回あれだけ勉強して礼乃に負けたんだ

裏返して天を見るだけなのに緊張が指先にまで走る

俺と同じ人種、世間一般で言うオタな方なら共感してくれるだろう

黙っている時は脳内がうるさい

だから基本的にぼーっとしてるんじゃなくて脳内で1人会話をしている

まぁ遥に行ったところで？を浮かべられる未来は既に想定済みだから別に言及しない

…遥は悪くない

八つ当たりだけはダメだ

確かに礼乃と僅差ということは俺は2位

何も悪くない

でも許せない

何がいいんだ

知ったような口を…

でもそれを関係のない遥に強くあたっても仕方ないんだ

嫌味で言ってるわけじゃないはずだから

何も悪くない

悪いのは…

俺だけだ

俺はちゃんと努力したぞ

何故だ

何故俺は礼乃に勝てない

才能か？

運？

それとも…まだ努力不足というのか？

いや、わかってる

こんな幼稚な点数争いにマジになるなんて

でも俺は…ちゃんと勝とうとしたんだ

点数どうこうより俺の、自分の全力のレベルの低さに…

結局は大学進学を勝ち取れたらこんなのどうでもいい

いずれ数年後には曖昧な記憶と化す

そんなの分かってる

解ってるよ

わかってるけど…

全力を否定された気分だ