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少し昔、近所の女の子と 近くの祖父の家に行き かくれんぼをしていたことがあった
かんな
佑樹
佑樹
かんな
かんな
かんな
かんな
かんな
佑樹
佑樹
佑樹
佑樹
かんな
かんな
佑樹
かんな
かんな
佑樹
佑樹
佑樹
かんな
見慣れぬ物を見つけて 私たちは大変喜んでいた
しかし かくれんぼで見つけた"ソレ"は 絶対に見つけてはいけないもの だったらしい
ガコン!ジーッ
佑樹
キリキリと音をたてながら ビデオを飲み込んだプレイヤーが 動き始める
祖父の家にあった 始めてみるVHSプレイヤーを 子供ならではの勘で 何とか作動させてしまった
子供の勘というのは 本当に恐ろしいものがある
佑樹
古めかしいブラウン管テレビの 電源が入る
佑樹
佑樹
佑樹
佑樹
佑樹
かんな
かんなは自分で机もセットして ビデオ視聴の準備は既に万全だった
貴男
佑樹
台所に着くと同時に祖父が帰ってきた
威勢のいい声が台所にまで聞こえてくる
貴男
かんな
貴男
貴男
かんな
佑樹
驚いて思わず声が出てしまった
自分は一緒に最初から見るつもりでいたが かんなはそうではなかったようだ
なんで 先に見ると言ってくれないんだ
グラスにジュースを注ぐ手が 速度を上げる
佑樹
思わず独り言が漏れる
そして理解不能な会話が 耳に飛び込んでくる
貴男
かんな
かんな
かんな
よく分からないが 幸いにもビデオはまだ始まっていなかったらしい
となればやるべきことは唯一つ 全速力でジュースを届けるのみ!
佑樹
そこにいたのは いまかいまかとテレビとにらめっこを続ける幼馴染と
絶望に顔を強張らせ、 呆然と立っていた祖父だった
佑樹
その異様さに子供ながらに 危機感を覚えた
貴男
貴男
普段温厚な祖父が 突然鬼のような形相で声を張り上げた
佑樹
かんな
貴男
貴男
祖父は私たちを別の部屋へと 連れていき、 その部屋で待つよう言った
そして大急ぎでテレビとプレイヤーのコンセントを引き抜いた音が聞こえ、震えた声でどこかへ電話をかけ始めた
かんな
佑樹
かんな
かんな
佑樹
かんな
かんな
佑樹
佑樹
佑樹
かんな
かんな
佑樹
貴男
祖父は何かを謝っているようだった
ほど無くして 涙を流しながら かんなの両親がやってきた
かんなの父
かんなの母
貴男
かんなの父
かんなの父
かんなの母
かんなの母
かんなの母
やめてくれと言われていたが 祖父は土下座をしたまま ただひたすらに 謝罪の言葉を述べていた
そして両親はかんなを連れ、 帰っていった
かんな
佑樹
貴男
言葉にならない叫びを 必死に抑えて 祖父は俺に話を始めた
貴男
貴男
貴男
佑樹
佑樹
貴男
貴男
これ以上は何も話してくれなかった もちろん聞く気にもなれなかった
しばらくして
かんなの訃報が耳に入った
正直意味がわからなかった
つい先日まで遊んでいた幼馴染みが もうこの世にいないと言われ
心の整理が全く出来なかった
ひたすら泣くことしかできなかった
それから少し後
勇気を出して祖父に"アレ"について尋ねてみることにした
佑樹
貴男
佑樹
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
佑樹
貴男
佑樹
貴男
貴男
佑樹
貴男
貴男
貴男
貴男
佑樹
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
佑樹
貴男
佑樹
貴男
佑樹
貴男
貴男
貴男
佑樹
貴男
理由を聞いて唖然とした
これ程までに人の感覚をかいくぐる方法があるのかと驚いた
確かに、もし画面に古い井戸が写し出されでもしたら瞬時にテレビを消すだろう
それは目で見て明らかに"ヤバイ" と分かるからだ
しかし"ソレ"はそんな簡単な物では無かったらしい
画面を見続けるという条件を 容易に達成させるようなものだった
あまり話したくないので 簡潔に答えだけを述べるが
"アレ"には[決まった映像]は 収録されていない
しかし[再生中]が[収録中]であった ということだ
佑樹
佑樹
貴男
佑樹
佑樹
佑樹
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
貴男
佑樹
佑樹
貴男
貴男
貴男
佑樹
あれから数年後
私は外に出るのが 本当に怖くなってしまった
特に昼下がりに止まっている 車の横を通るときなんて怯えずにはいられない
そこにはハッキリと 反射で僕の姿を"映す"車の窓があるからだ