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#ギャンブル
りんご
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朽華 歌仙
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コメント
1件
わあ、第6試練が始まりましたね…!前回の試練で3人が脱落して、残った12人にはまだその影が色濃く残っている感じが伝わってきました。特に菜々美が「忘れないために」と名前を繰り返すのに、数字のほうが強く焼きついてしまうという描写がすごくリアルで、胸が締め付けられました。 校歌のカラオケ対決という一見平和な試練設定が、逆に不気味さを引き立てていて…黄色い光とバルーン、紐が首を待っているような描写がゾッとします。1対1で6人脱落って、もう本当に過酷ですね。安曇さんと菜々美の対戦、どうなるんだろう…続きが気になります!
第5試練を生き残った12人は、再び動く床に乗っていた。
生徒ナンバー19・田所孔美。
生徒ナンバー21・土橋怜那。
生徒ナンバー22・手塚詩鶴。
菜々美は、脱落した3人の名前を心の中で繰り返した。
忘れないために。
けれど、顔を思い浮かべようとすると、薄い霧がかかったように輪郭が定まらない。
詩鶴の最後の安堵。
孔美の短い悲鳴。
怜那が助けを求めた声。
どれも遠ざかっている。
代わりに、鮮明に残るものがあった。
0。
0。
0。
3人の名前より、モニターに表示された数字の方が強く焼きついている。
生島菜々美
それでも、他の生徒は誰ひとり3人の名を口にしなかった。
第5試練で誰が誰へ投票したかも、確かめようとしない。
聞けば、関係が壊れる。
全員がそう感じているようだった。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
消えた生徒の存在は記憶から薄れる。
けれど、数字と選択はゲームに残り続ける。
生島菜々美
その予感と同時に、動く床が速度を落とした。
およそ1分後。
12人は、次の試練の間へ到着した。
広さや形は、これまでと大きく変わらない。
だが、天井から降る光は黄色だった。
華やかなはずなのに、温かさはない。
黄ばんだ古い写真のような光が、生徒たちを不自然に照らす。
中央には、2台の装置が並んでいた。
細長い円筒形の本体。
先端付近に浮かぶパネル。
脇には、1本ずつマイクが取りつけられている。
生島菜々美
2台の上空には、大きな黄色いバルーンが1つずつ浮かんでいた。
下から黄色い紐が垂れ、装置の背後で揺れている。
舞台の装飾にも見える。
だが、この場所に意味のない飾りなどない。
新倉穂乃花
生島菜々美
聞き覚えのある前奏が流れ、黄色い壁へ歌詞が映った。
新倉穂乃花
世斐羅女子学院の校歌だった。
学内集会。
入学式や卒業式。
学院行事のたび、繰り返し歌わされてきた。
ポップス調の旋律に、学院の歴史と伝統を称える堅苦しい歌詞が乗っている。
生島菜々美
菜々美は音楽を選択している。
だが、授業を真面目に受けてきたとは言い難い。
歌番組は好きでも、自分で歌う自信はなかった。
音程を外し、友人に笑われたこともある。
生島菜々美
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
校歌が途切れ、冷たい声だけが残った。
【SYSTEM】
12人が右腕の端末を見る。
画面では、2桁の数字が高速でシャッフルされていた。
生島菜々美
第1試練でも、意思とは無関係に数字を与えられ、順番を決められた。
数字が次々に止まる。
菜々美の端末に表示されたのは――12。
生島菜々美
1と2が、一度だけ別々に黄色く点滅した。
続いて、間に短い横線が現れ、すぐに消える。
生島菜々美
対戦番号を分けただけかもしれない。
菜々美は深く考えなかった。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
新倉穂乃花
【SYSTEM】
【SYSTEM】
菜々美の胸が冷たくなった。
また、あの言葉だった。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
生徒たち
【SYSTEM】
【SYSTEM】
新倉穂乃花
12人の半分が死ぬ。
1対1。
一方しか生き残れない。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
生徒たちがざわめいた。
音程だけではない。
だが、上手く歌い、高得点を取る方が有利なのだろう。
ほとんどが、そう受け取った。
中央のスクリーンに数字が映る。
11。
99。
22。
88。
37。
73。
すぐに消え、世斐羅女子学院の校章へ切り替わった。
生島菜々美
ただ2桁の数字が並んだだけ。
菜々美には、それ以上の意味を見つけられなかった。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
生島菜々美
菜々美は若林安曇を見た。
第5試練で最多の13票を集めた少女。
嫌われていると思われていた事実を突きつけられ、今も誰とも目を合わせない。
一方、第4戦の根来歌音は、歌唱装置を見つめていた。
幼い頃から歌手を夢見て、専属トレーナーの下で何年も練習している。
歌唱力に最も自信があるのは、間違いなく歌音だった。
根来歌音
声には、確かな自信があった。
対戦相手の小野田摩智が、唇を噛む。
小野田摩智
根来歌音
小野田摩智
第4戦はまだ先なのに、2人の間には緊張が生まれていた。
【SYSTEM】
【SYSTEM】
【SYSTEM】
2人は黄色い光の中を歩く。
装置の前へ立つと、バルーンが追うように移動した。
黄色い紐が、背後で揺れる。
曽我部小恋奈
浅井香流
紐の先端は、2人の肩より少し上まで下がっていた。
よく見ると、小さな輪になっている。
装飾としては不自然だった。
【SYSTEM】
浅井香流
【SYSTEM】
2人は震える手でマイクを握った。
パネルに、2つの空欄が表示される。
浅井香流 ――点。
曽我部小恋奈 ――点。
数字を表示する枠は、同じ大きさだった。
間の隙間が一瞬縮まり、また戻る。
生島菜々美
意味を考える間もなく、校歌の前奏が流れた。
【SYSTEM】
香流と小恋奈が息を吸う。
頭上では、黄色いバルーンが揺れていた。
垂れた輪が、首を待っているように。