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105号室
部屋に差し込む日光が二つの刃を照らす
二人は冷静に、だが情熱を燃やし向かいあっていた
本田菊
妖夢
互いに名乗った後素早く刀を抜き、刃を交えた
刃にのしかかる強さと重さ、慣れた身体の使い方が互いを翻弄している
本田菊
本田菊
妖夢
妖夢
熟練の技に二人の体力はじわじわと削られてきている
刀を握る手も少し力が緩み、震える
十分に涼しいはずの部屋は信念と熱意によって熱気と緊張に包まれた
本田菊
震える手になんとか力を入れ、再度ぎゅっと強く握る
本田菊
本田菊
さほど長い時間ではなかったが、互いに刀の使い方や身のこなし方が上手かった故ついに息が切れ始めた
年齢も多少関係あるのだろうか
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
徐々に鈍る己の身体に鞭を打ち、真っ向から向かってくる刃を防ぐ
疲れた身体に妖夢の振りかざした信念の積もった重い刃が堪える
妖夢
妖夢
一方、妖夢も日本のあまりにも戦場慣れしている身のこなし方に翻弄されていた
疲労が徐々に身体を蝕むが、己を叱咤激励しなんとか対応している
妖夢
妖夢
妖夢
疲労が目に見えるほど鈍ってきた日本に追撃で刀を振り下ろす
本田菊
足が縺れ、よろけ、
そのまま床に倒れてしまった
本田菊
立ち上がろうとするも力が入らない
しかし妖夢は容赦なく刀を突きつけた
妖夢
そのまま心臓辺りを刺し、力いっぱいに引き抜いた
妖夢
妖夢
鮮やかな血が噴き出し流れているというのに一向に鍵の開く気配がしない
確認のため再度刺してから扉へ向かうも、扉の先へ向かうことはできなかった
妖夢
日本の元へ戻ろうとしたその時、壁に貼られた1枚の紙の存在に気付いた
妖夢
妖夢
足元に目をやると、そこにはどこからか持ってきた包帯とガーゼで止血をしている日本の姿があった
妖夢
妖夢
本田菊
呆れているような、申し訳なさそうな笑顔で妖夢を見た
本田菊
妖夢
念の為刀に手を当てて聞くと、妖夢が予想だにしなかった答えが返ってきた
本田菊
妖夢
本田菊
本田菊
日本が頭を下げると、慌てて妖夢も頭を下げた
妖夢
妖夢
妖夢は一歩後ずさりしてから刀を抜き、腹を切った
その手は僅かに震えていた
本田菊
日本が止める間もなく、血が流れた
妖夢
本田菊
声をかけても時すでに遅し、うめき声をあげながら顔から倒れ伏した
本田菊
自責の念に駆られていると、扉の方から鍵の開く音がした
本田菊
刀をしまい妖夢の前に跪き、手を合わせた後扉へと向かった
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