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106号室
瑞希
瑞希は俯いてそう言った
どちらか片方しか出られない部屋にいるもう1人が見慣れた顔の人物なのだから…
絵名
一方の絵名も相手が瑞希だと知ると、俯いた
絵名
絵名
絵名
絵名
天井や壁、扉に向かって言ったものの、何か言葉が返ってくることは無かった
それどころか皮肉なことに机上に置かれた銃が日の光に照らされてギラギラと輝いた
絵名
銃に近づいてみると、いつの間にか自身の手は黒く輝くボディーを握っていた
絵名
絵名は机から離れ、先程から俯いたまま動かない瑞希の元へと駆け寄った
絵名
瑞希
瑞希
零れ落ちる涙を手で拭う瑞希の肩を抱き、絵名は宥めた
絵名
絵名
瑞希
瑞希
絵名の言葉が少し救いになったのか、瑞希が泣きやみ、顔を上げた
絵名
絵名
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
震える声でそう尋ねると、絵名は必死に否定した
絵名
絵名
絵名
瑞希
絵名
瑞希
絵名
絵名
瑞希
瑞希
絵名
瑞希の顔に少しずつ希望が戻ってきたのが絵名にははっきり分かった
それが何よりも嬉しく、そして二人で出る方法がほぼ確実にあるのだと思えるとさらに嬉しくなった
─────「どちらも無事に出られる」なんて方法は無いのに
ただひたすらにそれを求め、叫んだり壁を殴ったりした
絵名
壁を殴っていた拳は赤くなり、声も枯れてきた
そんな時、瑞希は置かれていたハンマーの存在に気付いた
瑞希
絵名
それからというもの、瑞希は時々武器を見つけながら壁や扉を殴り、絵名にも渡して二人で壊そうとするようになった
「存在しない方法」をただ追い求めて…
絵名
瑞希
絵名
部屋に呼吸音とハンマーで壁や扉を殴る音が響く
しばらく殴り続けていると、少しずつ音が変わり始めた
瑞希
絵名
瑞希
二人は希望を信じてただひたすらに殴り続けた
─────時間制限があるとも知らずに
残り1分です
今までハンマーで殴る音で全く聞こえなかったが、今回は偶然だが確かに聞こえた
タイムリミットまで1分を切ったという、絶望的なアナウンスが頭を掻き乱す
絵名
瑞希
瑞希が指差した先にはタイマーがあった
絵名
瑞希
絵名
絵名が顔を真っ青にして怯えていると、瑞希が何か閃いたのか冷静になった
瑞希
瑞希
絵名
こんなことを話している間にも時間は過ぎていく
やがて残り時間は5秒を切り、部屋の電気が赤く光った
瑞希
制限時間になりました
瑞希
これからどちらかがランダムで選ばれ
砲撃が行われます
瑞希
瑞希が戸惑っていると、突如部屋に銃声が鳴り響いた
思わずぎゅっと目を瞑ったが自身の身体には痛みは走っていない
瑞希
全身を悪寒が襲った
絵名の声がしない
扉の鍵が開く音がした
瑞希
目に入ってしまった、親友の悲惨な姿
苦しそうで、悔しそうな顔
瑞希は見るに堪えなくなり、扉を乱暴に開けて広間へと走った