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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

ゼルが入団してから数日が経った

今は団員みんながゼルを認めている

そしてゼルがカルの代行を初めてするこの日

ゼル

俺は具体的に何をすればいい?

カル

食料班や警備班のように班ごとに分けていけばいい

ゼル

肝心の俺は何をしてれば?

カル

全体を見て自分がついていったほうが良さそうな班につけばいい

ゼル

はいよ

ゼル

ゼル

つーことで聞こえてたかもしれないが

ゼル

とりあえず食料班とかに分ける

ゼル

この中で食料班を長くやっていたものはいないか?

そのまま流れるように役割を決めそれぞれの役割を果たしていく

ゼル

ざっとこんなもんかな

カル

いい感じに分けられてるな

カル

お前は今回どこに着くんだ?

ゼル

特別どこかに着く予定はない

ゼル

全体を見れるようなところで見てようと思う

カル

それは何故だ?

ゼル

カルは教育したいんだろ?

ゼル

んで、最終的に全体が己の役割を覚えそれをこなしてもらうのが理想系になるはず

カル

まぁ時間はかかるな

ゼル

そのためには一人一人がどんな奴なのかを再度確認する必要があると俺は思う

カル

なるほど…

ゼル

まぁゆっくりやってこうか

カル

そうだな

この時の俺らは意見が合致していた

そしてこの先もこんな風に続くと思ってた

しかし年が上がるにつれ様々な事が考えられるようになると

次第に意見は食い違う

そしてある日遂に意見が完全に別れた

ゼル

残念だが俺は断る

カル

何故だ!?

カル

よく思い出せ!

カル

俺らがここにいる理由を!

カル

あの頃みんな生きる事に必死だった

カル

だが今は余裕がある

カル

こんな俺らを雇いたいという輩がいるんだ

カル

そして現に一時的に雇われ収入も安定してる

ゼル

その辺は俺は許したさ

ゼル

確かに俺らは幼いながらにして過酷な状況で育っている

ゼル

だから用心棒として雇われたりするのは許した

ゼル

だが、それで得た資金を元にこの国を攻めるのは賛同できない

カル

よく考えろ!

カル

そして思い出せ!

カル

俺らがここにいる理由を!

カル

俺らは捨てられたんだぞ!?

カル

捨てられた理由はなんだ!?

カル

この国の貧富の差だ!

カル

何故こんなにもかけ離れている!?

カル

そのせいで俺らは苦しんだんだぞ!

カル

あの頃憎む相手は捨てた親だが

カル

今は違う…

カル

捨てざる得なかった理由をしれた

カル

もちろん捨てるという選択をした親を許すことはしない

カル

だが、そもそもこの国の貧富の差が激しくなければ捨てられることは無かった

カル

つまりこの国の体制がおかしいんだ

カル

ここまで話してなおお前は反対するのか?

ゼル

それだけの情報なら俺も賛同した

ゼル

しかしお前は別の日にこうも言った

ゼル

王城のみならず街ごと変えよう、と

カル

何がおかしい!?

カル

俺らは生きるのに必死だったんだぞ?

カル

明日の命さえ危うかったあの頃

カル

俺らに手を差し伸べてくれた奴らはいたのか?

カル

食料を恵んでくれた人々はいたのか?

カル

俺の記憶ではいなかったはずだ

カル

いつも俺らをクソガキ扱いして散々な扱いをされてきたんだぞ?

カル

そんな奴らを許すのか?

カル

結局貧富の差を生み出した国が悪いから

カル

国を1度潰せればそれでいいのか?

ゼル

俺らは国と戦うほどの戦力はない

ゼル

だが僅かな可能性ではあるが話し合う機会は作れるはずだ

ゼル

何も力で全部解決しようとするのは俺はおかしいと思うんだ

ゼル

だからその意見に反論した

ゼル

街を変えるのは俺らの仕事ではない

ゼル

それは国が変えることだ

ゼル

俺らはその街を変えるために国を変える

ゼル

俺の言ってることはおかしいのか?

カル

カル

あぁ…おかしいね

カル

この腐れ切った国が話し合いを受諾するとは思えん

ゼル

そうか……

ゼル

ゼル

この話し合いももう何度目だろうな…

ゼル

日を改めても互いの意見は平行線を保つ

ゼル

もう話し合いも無駄なのかもしれない

カル

なに?

ゼル

カル…

ゼル

ゼル

俺らはここで終わりだ

ゼル

お前と共にした10数年楽しかった

カル

俺の元を去るのか?

ゼル

意見の食い違いがある

ゼル

そして互いに己の意見を曲げない

ゼル

話し合うだけ無駄なんだよ

カル

お前を拾ってやった恩を忘れたのか?

ゼル

俺は”お前”に拾われなくとも生きていけた

ゼル

お前が助けを乞うから助けた

ゼル

互いの求めるものが一致したから俺はここに入った

ゼル

お前も俺も利用してされてきたそれだけの話だ

ゼル

俺はこの国を棄てる

ゼル

無責任かもしれないがこの国がどうなろうと

ゼル

お前らがどうなろうともう俺には関係の無い話だ

ゼル

せいぜい仲間の命を無駄にしないようにな

ゼル

”リーダー”さん

ガチャ………バタン

カル

………

カル

ゼル……

カル

もうお前に会うことは無い

カル

仮にあったとしてもそれは敵対する時だ

カル

俺らはもう戻れない

カル

そして俺ももう戻ることの出来ない道に進む

カル

俺の考えが間違えなわけが無いから

お気の毒ですが魔王は勇者になりました

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国を変える思いは同じだがやり方の違いで別れた2人 その2人が時を得て再び出会うことになった

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